お薦め度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
人気の中国版シャーロックホームズ小説の映画化シリーズ最新作は、極端にアクション少な目で、後出しジャンケンのような犯人とストレートすぎる黒幕に驚愕のテレビドラマのような作品!!
作品紹介
今回ご紹介するのは、中国で有名な時代劇推理小説ディー・レンチェシリーズの一作です。
それでは、まずはあらすじから、
唐の時代、都で起こっている連続殺人事件を解決するために、掟に背いた罪で塔に捕らえられていた判事ディーが開放された。
ディーは捜査を開始するが、手がかりを追っていくうちに、全ての証拠がかつて想いを寄せた女性に行き着き、大きな陰謀の罠へと向かって行っている事に気づき始める。
中国でやたらと連発される(王朝の陰謀)シリーズの最新作です。
最近雨後の筍のように量産されているシリーズですが、それぞれがほとんど関係性はなく、製作会社も出演者も全くの別人ですが、
権利関係はどうなっているのでしょうか?
ハリウッド作品で例えると007の主人公のジェームズ・ボンドが毎回違うキャストで映像化されているようなものなので、
作品によって出来不出来の差が物凄く激しく、もはや映画版のオリジナルを製作したツイ・ハークの美学は微塵も感じられません。
それでも連発されるのは映像化権がフリーか、極めて安価、などの理由があるような気がしてしまいます。
それぐらいにばらつきのあるシリーズ(と言えるかも怪しいですが)となっています。
で、本作ですが、例によって最近の中国作品にありがちな、説明不足が普通のような状態の作品で、
物語上重要な本作に至るまでの主人公と元カノの容疑者の間の因縁関係などの描写が一切なく、会話の台詞のみでの説明なので、いまいち感情移入のしにくい物語となっています。
いつもの事ですが、、、。
ですので、もしかしたら本作の前の物語を描いた作品がなくもない、ような気もしますが、そこまでの深みはないような気もしますので、おそらくただ単に説明不足ではないかと思われます。
ただ則天武后のキャストだけ据え置きで、同シリーズ作が存在するようですので、もしかしたら同じ世界観なのかもしれません。
今の勢いですと、そちらも日本でリリースされるかもしれないですね。
という事で内容ですが、本作はツイ・ハーク版などで魅力だった時代劇推理ものと武侠アクションに冒険要素を加えたようなワクワクするような要素は一切なく、
ただただシンプルに連続殺人事件の謎を追う、ミステリー要素のみを追求した作品となっています。
そのミステリーに関しても、殺人の実行犯はそれまで一切画面に登場していなかったようなキャラクターが後半いきなり登場してきて、さっさと自供してしまいますので、
犯人捜し的な楽しみ方は、ほとんどできません。
その実行犯と主人公との間にちょっとした因縁などもありますが、自供の段階で初めて知るような事実ばかりなので、どんな事をいわれても感情移入度は高まりません。
そんな客観視しかできない状況で、実行犯に連続殺人をするように仕向けていた影の黒幕が登場するのですが、これがある意味驚愕の正体となっています。
詳しくは割愛しますが、一番怪しいやつがそのまま犯人、というミステリーものの中では、まずその選択肢は無いと思われるような結末が待っています。
物語の終わり方もあまり後味の良い感じではなく、主人公がなんとなく浮かばれないような状況で終幕となります。
という事で、ミステリーとしての作品内容体的には楽しめる要素は多くはありませんが、
(王朝の陰謀)シリーズを全作制覇されている方などでしたら、本作だけ未鑑賞というのも気持ち悪いですので、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
因みにアクションはおまけ程度のやつが2回ほどありますが、いつものワイヤーとカット割りを多用するタイプです、、。
作品情報
2018年製作 中国製作 武侠サスペンス
出演 サミュエル・チャン、シャン・ミンカイ、ナン・チュア、ラケル・シュ
その他の(王朝の陰謀)シリーズ
ディー判事が天空に現れる幻のドラゴンを追う(王朝の陰謀 判事ディーと天空のドラゴン)はこちら
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