【中国映画】南少林 拳法の覚醒(南少林永春拳之突破重围YONGCHUN OF SOUTH SHAOLIN:BREAKTHROUGH)87分

投稿者: | 2023年11月5日

おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

世代は交代し、前作に少女として登場した厳詠春が成長し、主人公となって痛快レディーカンフーが炸裂する!!、、のではなく、かつての想い人が、男装している厳詠春を、本人だと気付く、気付かないのラブコメ展開をメインに、カンフーシーンが味付け的に挿入される色んな意味で変化が加えられた(南少林)シリーズ完結編!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、(南少林)シリーズ三部作の完結編です。

それでは、まずはあらすじから、

朝廷によって圧政が強いられ、壊滅へと追い込まれた南少林寺は、数名の弟子たちがなんとか難を逃れたが、朝廷からの兵は、弟子の行方を追っていた。

南少林寺を手助けする尼僧五枚は、南少林の僧侶至善から習った詠春拳の技を完成させ、その全てを弟子である厳詠春に伝授していた。

五枚の意志を継ぎ、南少林寺復興を目指す厳詠春は、ついに山を下り、かつて五枚に弟子入りした思い出の地へと戻ってくるのだった!?

南少林 詠春拳誕生)(詳しくはこちら)、(南少林 無双伝)(詳しくはこちら)に次ぐ、シリーズ完結編となる第三弾です。

監督は前作までに続きファン・シウミンで、詠春拳誕生秘話を、今回もアクションよりドラマメインで描いています。

主演は世代が交代していますので、残念ながら2作目までのシュー・チアンタオ演じる至善とチェン・イーリン演じる五枚は登場せず(前作までの回想シーンとしてのみ登場)、

代わりに前作で少女だった厳詠春が成長し、その役を(我们混过的江湖)や、(绝色女神团)等に出演しているチャイ・ティアンフイが演じ、

全然強そうに見えませんが、可憐な魅力で物語を引っ張っていきます。

チャイ・ティアンフイ
チャイ・ティアンフイ

物語は、前作のラストから数年が過ぎ、正式に五枚の弟子となった厳詠春は、全ての技を師匠から伝授してもらい(この時点で五枚はお役御免となってしまったようです、、、)、

カンフーの達人となって、師匠の意志を継いで南少林寺の再建に協力する、という所から始まります。

で、至善の努力で一時は再建しかけていた南少林寺が、本作の冒頭であっさりとまた壊滅状態になり、数名の僧が逃げ延び、

なんとか2作目で登場した蘇三娘の紅船に乗って新天地で、武術を広め、また南少林寺を復興していきたい、という大筋となっていきます。

要するに前作までと大筋は同じなのですが、本作は世代も交代して、若い厳詠春が主役になったことで、

前作までの悲壮感漂うストーリー展開とはガラリと雰囲気を変え、若者二人のラブコメ展開がメインとなる、というまさかの展開を迎えていきます。

はっきりいってしまうとカンフー要素はオマケ程度で、厳詠春の痛快ぶりが発揮されるような見せ場のあるシーンはほとんどなく、

幼い頃に出会って、お互いを想い合いながらも、離ればなれとなっていた医師で薬屋の息子、梁博俦との再会と恋の再熱(ずっと想っていたようではありますが)がメインとなって、

詠春拳そのものに関する物語はほとんど語られませんので、物語の盛り上がりとしては、

既に友達のようになっているカンフー自慢の青年が、実は女性で、幼き頃からずっと恋し続けていた厳詠春その人だと気付くのか?

という、ポイントが一番の見せ場となっています。

逃れられない運命によって愛する二人が離ればなれになってしまった悲しい詠春拳誕生秘話を描いた一作目が誕生編だとすると、

その物語をそのまま引き継ぎ、運命に抗いながらも、最終的に結ばれない運命を受け入れるしかなった二作目は激動編、

そこから世代が変わって若者が主人公となった本作は、完結編もしくは伝承編、と言いたいところですが、実際は青春編という感じでしょうか、、、。

詠春『私よ、、、ほら、、、、私!!』
梁『うううむ、、、どこかで、見覚えが、、、』
詠春『ほらほら、、、、』
梁『やっぱり、どこかで見覚えが、、、』
詠春『本当に忘れたの?』
詠春『ほらほら、私、、、』
梁『でも、君が誰だか思い出せないんだ。』
詠春『えっ!?』

しかも、この散々引っ張っていた厳詠春が実は女性ネタも、状況が切迫してくると、クライマックス前に、あっさりと厳詠春自ら帽子を取って、

長髪を『ファサッ!』とやった途端に、女性で厳詠春だとすぐわかる、

というあっさり感で、割と目的を見失っていた中盤の物語の重要なポイントが、そんなに盛り上がる事なく終了してしまいます。

スッ、、、
スーッ
梁『んっ!!』
ファサッ
ファササッ
梁『き、、、君は!!』
スゥー、、、
ジッ!!
梁『詠春、君なんだね!!』
詠春『やっと、、、、でも、、、、』
梁『大人になってきづかなかったよ。』
詠春『明るい昼間に眼鏡着用で分からずに、暗い夜に眼鏡無しで分かるて、どういう事?』

では、それほどカンフーシーンの見せ場のない主人公、厳詠春の最大の見せ場と思われた要素もあっさりと消化してしまって、

三部作の完結編となる物語のクライマックスをどうやって盛り上げるのか?というのですが、、、

そこで、いよいよ登場するのが、、、、、、、、

五枚、

すっかり女子な厳詠春

ではなく、、、、、、、

二作目に登場した蘇三娘が登場して、至善に教わった詠春拳で、悪党を圧倒してしまう、という

主人公を差し置いて、クライマックスの一番良い所を全部持って行ってしまう特別扱いで、終幕を迎える事になります。

一応、その時に厳詠春と一緒に戦いコンビカンフーっぽい展開にもなりますが、完全に厳詠春はサポート側に回ってしまいますので、

一番目立たないといけないラストバトルで、主人公が脇役へと降格してしまいます。

蘇三娘役を演じているのは、前作に引き続きリー・メイワイで、若者達が子供から大人の容姿になっているのに対し、

前作と全く変わらない容姿で登場し、シリーズを総括するアクションを締めくくります。

リー・メイワイ
リー・メイワイ

という事で、前二作で物語は完結していますので、どう見ても本作は蛇足感がありますが、

恐らく至善が詠春堂で、女性の五枚でも体得できる詠春拳を編み出し、

その技を色んな人々に指導し、その中に厳詠春がいて、さらに後世に詠春拳を伝えていく、という

詠春拳の誕生から伝承へと繋がっていく壮大な流れを描く事を目的に製作された三部作

だと思われますので、時代が流れた後の三作目の物語は、どうしても必要だったのだと思われます。

登場する人物達も、実在の人物が多く、三作目で、結構活躍する南少林寺の僧の中には、ジェット・リーが(新少林寺伝説)で、

少林寺 燃えよ洪拳)(詳しくはこちら)で、グ・シャンウェイが演じていたホン・シークワンが登場したりもしますので、

一応、ラブコメ以外でもカンフー映画ファンには興味が惹かれる要素も含まれています。

大活躍ではないですが、ホン・シークワンも登場します

という事で、ハードだった二作目の続き、という事で、同じような展開を期待してしまうと、少し肩透かしを食ってしまいますが、

有名なキャラクターの活躍や、女子が男子の服を着ているだけで、全く女子と気付かないという、カンフー映画お馴染みの展開が楽しめる内容となっていますので、

前二作をご鑑賞済みの方や、カンフー映画好き(カンフーシーン少ないですが、、)の方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

本作鑑賞後は、他の詠春拳が登場する作品を、本作の続編として鑑賞すると、また違った趣が出ますよ。

おっと、、、

作品情報

2022年製作 中国製作 カンフーアクション

監督 ファン・シウミン

出演 チャイ・ティアンフイ、リー・メイワイ

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