おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
伝説の秘宝の一つである鏡を使って失われた楼蘭王国と現在を繋ぐ、という冒険心を煽る設定ながらも、あまりに短すぎる上映時間に、盛り上がりかけると終わってしまうという残念なSF冒険ファンタジー!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、過去と現在が時空を越えて繋がるSF冒険ファンタジー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
シルクロード近辺の発掘地帯で、幻の都市とされた楼蘭王国の鏡が出土した。
考古学者のウーティアンは、なんとか鏡を奪取し、研究を進めていくが、ある日の夜、突然鏡が光り出し、
古代楼蘭王国と現代が時空を越えて繋がってしまうのだった!?
中国映画界の人気ジャンル冒険アドベンチャーに、SF要素を加えたファンタジー作品です。
主人公の考古学者を演じるのは、ホラー作品(沙海番外之画媒)等が人気のリウ・チャン、
楼蘭王国の王女を演じるのは、ルイス・ファン主演の(广东十虎:铁拳无敌)等にも出演しているサイ・ミールー、
というフレッシュなキャストで製作された作品となっています。
物語は、中国の発掘現場から幻の楼蘭王国へと繋がる鏡が出土するところから始まります。
主人公の考古学者ウーは、その鏡に導かれるように手にする事になりますが、外国人考古学者(悪人)との争いによって、大破してしまいます。
で、自室で意気消沈していたところ、急に鏡が光り出し、まさかの鏡が自己修復。
で、光に包まれたその鏡に、楼蘭王国の王女の姿が映りだし、さらにその姿は幻ではなく、遠い昔の楼蘭王国が存在した、その時と時空を越えて繋がっている、
という過去と未来が繋がるSF要素満載のファンタジー展開へと入っていきます。
なかなか冒険ものとSF要素を融合した先の展開だけは気になる設定ではありますが、いつもの中国配信専用作品独特の上映時間の短さによる駆け足展開のため、
何故繋がるのか?きっかけは何なのか?どういう原理なのか?登場人物たちはどういう人間性なのか?
等、物語を楽しむ上で必要不可欠な要素は、全て放置したままで、いつものように唐突に進んで行きます。
ですので、大筋の設定は楽しめる要素があるのに、その設定を活かしたドラマがそれほど掘り下げられる事がなく、なんとなく、ありがちな切ない系の恋愛方面に舵を切ってしまって、
なんとなく終了してしまう、という少々消化不良な作品となっています。
その短さたるや、まさかの69分59秒、という60分台で終了してしまう、というそれは、もう単発ドラマでは?とも思えるような短さの作品となっています。
感覚的には、始まって盛り上がりだしたら、もう終わる準備もしている、という感じでしょうか。
幻とされている楼蘭王国の王女と現在の考古学者が鏡を通じて繋がり、お互いのピンチを助け合う、という幾らでも面白くなりそうな設定ではありますが、
あまりの短さのために、非常に駆け足で、淡白な展開に加えて、そのお互いへの影響の及ぼし方も非常に規模の小さいもので、
王女が風邪をひいていたら、現代の薬を、まさかの鏡に、にゅっと手を突っ込んで、手から直接口に放り込んだり、
王女がお腹がすいたので、台所にあった揚げパンをあげたり、
寒いので現代のロングコートをプレゼントしたり、
逆に、王女に考古学上の重要な出土品が埋まっている位置を教えてもらって、実際に発掘に成功して、最優秀学術賞を受賞して嬉しかったり、
という感じで、もっと他にその設定を活かした出来事が描けるはずなのに、そうはならないのが、やはり今の中国映画界、という感じでしょうか。
過去と現在の映像が映る、というだけの設定なら、クライマックスで二つの時空がついに繋がる、という流れで盛り上がりも見込めそうですが、
時空が理由もなく繋がった当初から、物理的に繋がっている(ドラえもんのどこでもドア方式)という設定で、
しかも、薬を王女の口に放り込む時は、本当にすぐそこにいるように、ヒョイっと入れていたので、別次元の時空が繋がっている、というワクワク感も、あっという間に無くなってしまいます。
体の一部が行き来できているので、恐らく犬や猫、もっと言うと人間の赤ちゃんぐらいなら自在に移動できそうなので、
現代で生まれた子供が古代で人生を生きたり、その逆に古代で生まれた子供が、現代で人生を送るという事もできてしまいそうです。
そう考えると、やはりおかしな感じになってしまいますね、、、。
※↓ここから先は、バレバレではありますが、一応クラマックスに触れていますので、ご注意下さい↓※
で、簡単にお互い触れ合ってしまっているために、クライマックスで、凄いタイミングで、同じようなピンチになって、
本当に二つの次元が繋がる(周りも繋がる感じなので、どこまでが繋がっているのか良く分かりません)、
という描写がありますが、今まで散々触れ合っているので特別感は薄く、また、お涙頂戴的な挿入歌もガッツリ入ってしまいますので、
まるで盛り上がる事なくクライマックスを迎えてあっという間に終わってしまいます。
何せ60分台の映画ですので、、、。
あと50分ほどあれば、もっと面白い作品にはなったと思われますので、非常に残念な作品となっています。
ただ、何でもかんでも、【鬼吹灯】シリーズの映画化ばかりだった中国映画の冒険アドベンチャージャンルも、
本作のような変化球的な内容の作品も増えてはきたようですので、これからはもっと楽しめる作品が製作されていくのではないでしょうか。
そういえば、最近あれだけ雨後の筍のように製作されていた(西遊記)ものが見当たらなくなってきましたね、、。
という事で、60台の作品、という事で、これは映画か?という単純な疑問も湧いてきそうですが、設定の大筋は面白い作品とはなっていますので、
中国映画好きの方や、冒険映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
色々説明不足な作品ですが、主人公が何故、ホテルマンのようなロングコートを着用しているのか?という説明も当然ありませんでした。
作品情報
2021年製作 中国製作 冒険アドベンチャー
監督 リウ・シェンティ
出演 リウ・チャン、サイ・ミールー、ワー・アー
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