お薦め度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
無人島で遭難し行方不明になった会社社長の弟を探し出すために結成された捜索隊が遺伝子操作で巨大化したクロコダイルと戦いを繰り広げる中国製アニマルパニック作品!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、遺伝子操作で生み出された巨大クロコダイルと戦う中国製アニマルパニック作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ワニ専門の動物学者ルオ・ハンは、巨大ワニが群れを成して生息するという地獄島で弟が行方不明になった女性コンに捜索を依頼される。
特殊部隊員などの捜索隊を率いて島を訪れる一行だったが、そこに生息するワニの中に遺伝子操作によって巨大化した凶暴なワニが紛れ込んでいたのだった!?
中国製のワニパニック作品です。
中国作品の流行として(王朝の陰謀)ジリーズなどの武侠アクションや、(オペレーションウルフ)などの特殊部隊アクション、
そして(水怪ウォーターモンスター)(詳しくはこちら)等のアニマルパニック作品、という3つの流行の流れがあるようで、
本作はその流れの中のワニパニック作品となっています。
何故、今アニマルパニックがメインの流れの一つとして流行るのか?は良く分かりませんが、他のジャンルの武侠作品でも、
不必要にCGで加工(そんなに凄いわけでもありませんが)する、というCG過多ぎみの作品と量産する大きな流れがありますので、恐らくCGを使って豪華に見せた作品が製作したい、
という事でアニマルパニック作品が安易に選択されているのではないでしょうか。
それぐらいに拙いCGに溢れ、特殊効果なども一切登場しない、アニマルパニック作品へのリスペクトはほとんど感じられない作品となっています。
ですので、どこかで見たようなシチュエーションと物語展開しか出てこない、というデジャヴ感が常に立ち込めています。
物語は、会社を経営し、巨大な富を持つ女性社長が、無人島で行方不明になった弟を探し出すために、元カレ(?)であるワニ専門動物学者である主人公に協力を依頼する、
というシンプルな物語で、その島に行ってみると遺伝子操作で巨大化したワニに襲われる、という流れになっていきます。
しっかりした物語ではないので、勿論ツッコミどころは満載になっています。
まず主人公はワニ専門の学者でありながらかつて問題の無人島にワニ調査に出かけてそこで恋人を死なせてしまって、
そのことが原因で今は酒に溺れて昼寝ばかりしている、という分かり易い挫折経験者で、なんだかんだと捜索に協力し、当然かつての挫折を払拭するために奮闘する事になります。
で、そのワニが生息する無人島、地獄島へと向かいますが、その島の周りは頑丈な岩礁に覆われていて、船では近づけない、
という事で、飛行機で接近していきます。
で、さっきまで機内で酒を飲んでいた主人公がおもむろに立ち上がり、無人島に飛行機が着陸できるような場所はないので飛び降りる、と突然言い出します。
いや、突然そんな事言われても困りますし、結構な高度に見えますけど、パラシュートもない状態で、飛行中の状態から、まさかの近隣の海に向かって直接ダイブします。
突然のこと過ぎて、あっけにとられる捜索隊のメンバー達も、やがて腹をくくってしまったようで、女性社長から順番にパラシュートなしで激突死確実の高度からダイブしてきます。
誰が見ても自殺行為なので、全滅するのが普通ですが、作品的には、そこは気にしないようで、まるで体育の水泳の時間終わりのような穏やかさで、海からさっさと上がって捜索が開始されます。
突然の決死のダイブでしたが、立ち込める瘴気が原因で、航空機が近くまで近寄れないという良く分からない理由も付け加えられていました。
そっちの良く分からない設定を優先しすぎて、捜索隊メンバーの無敵ぶりにまでは気が回らなかったようです。
パラシュートを装着して陸地に降りる、という普通の選択をしないのが本作の特徴でしょうか、、。
で、捜索を開始早々にワニワニパニックとなりますが、捜索隊のメンバーに絵にかいたような荒くれ米国人兵士と、絵にかいたような嫌味な部下が混じっていて物語をかき乱します。
米国兵士はとにかく喧嘩っ早くて、トラブルメーカーですし、嫌味部下は生理的に受け付けないぐらいに過度にイラっとする態度を取ります。
その問題に対処していくヒーローという展開で物語は進んで行きます。
登場するアニマルは基本的にはワニメインですが、途中分かり易く巨大化し、パックンフラワーのようになった食人植物に主人公がカッコ良くナイフで『えいっ!』と切り付けてみたり、
めちゃくちゃ大量の吸血ヒルに機関銃で対処する(当然弾丸数とヒルの数があいません)というミッションもこなしながら、
島の中心へと向かっていくと、そこに現実離れした近代的な地下実験施設が登場します。
そこで研究施設内を捜索してみると、ワニに襲われた研究員の亡骸と、ワニ数頭(明るいところではワニは大人しいらしいです。結構な人数が犠牲になっているようですけど)が蠢くなか、
『助けて』と繰り返す声がどこかから聞こえてきます。
で、その声のする方に向かってみると、白衣を着た女性研究員がこちらに背を向けて立っています。
その間も『助けて』の声は繰り返されます。
で、何か尋常ではない雰囲気なので、主人公が警戒しながら近寄ってみると、、、。
研究員はすでに死亡していて、顔に張り付いた巨大昆虫が蛍のような感じで、人間の声色を真似て鳴いていた!!!
というトンデモ昆虫が登場となります。
喋る昆虫なんてディズニーアニメぐらいでしか見た事ありません。
ただ、この昆虫、特に攻撃力が高いという事でもないので、あっさりやっつけられてしまいますので、人間の声色を真似る昆虫、というインパクト重視の出オチとしてのリリーフ登板となっています。
そんなこんなで、その研究施設でのある陰謀も発覚し、いよいよ弟がいるかもしれない地点に到達するのが後半のクライマックスとなっていきます。
という事で、色んな作品の設定や展開を取り入れてワニでまとめた中国製ワニワニパニックムービーとなっていますので、
アニマルパニック作品好きの方など、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
因みにかなり似たような設定の同じく中国製ワニワニパニックムービーの(シンランペイジ巨獣大決戦)という作品があり、原題も(巨鰐島)という事で、
そちらと本作は関連があるのかと思いました(そちらの方が製作年度は新しいです)が、製作会社も違いますし、設定なども引き継いでいないようなので、
恐らく(王朝の陰謀)シリーズのようにイケると思った作品と同じような別作品を連発する、といういつもの流れかと思われます。
ただ、後に製作された(シンランペイジ)の方はちゃんとパラシュートをつけて降りるシーンもありますし、香港俳優、ラム・シューなども出演していて、
B級ながらも、本作の数倍楽しめる娯楽要素の高い作品となっていますので、そちらをお薦めします。
作品情報
2019年製作 中国製作 アニマルパニック
監督 フー・グイ
出演 リー・グアンディン、グオ・シーウェン、チェン・リンショ、グアン・シェンユン
その他のアニマルパニック作品
特殊効果とCGのバランスの良い巨大蜂が情け容赦なく襲ってくる(スタング人喰い巨大蜂の襲来)はこちら
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