おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆
ウィルスに感染し凶暴化した鼠によって埋め尽くされた大陸横断鉄道内で追い詰められた乗客たちのサバイバルを描いたベタだけどツボを押さえたアニマルパニック作!!


作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、列車内で、ウィルスに感染した大量の鼠に追い詰められる人々を描いたアニマルパニック作品です。
それではまずはあらすじから、
衛生署に勤めるスーは、子供たちと共に大陸横断列車に乗車していた。
列車には様々な乗客が乗り合わせていたが、その中に医学院で学んでいるはずの長女リンリンの姿を発見する。
激しくリンリンを問い詰めるスーだったが、そんな時、突然ウィルス感染によって凶暴化した鼠が大量発生し、乗客を恐怖の底へと突き落としていくのだった!?

中国の大陸横断鉄道の車内をウィルスによって凶暴化した鼠が暴れまわるアニマルパニック作品です。
いわば、大ヒットした韓国映画(新感染ファイナルエクスプレス)の鼠版といった作品になっています。
中国で公開された際にもそのようなセールスをされたようなので、オリジナルの人気が伺えます。
実際の作品内容も明らかに(新感染ファイナルエクスプレス)を意識しているような作風になっています。
完全にあやかりだけで、中身はスカスカかというと、これが少々ベタではありますが、意外に熱い展開になっていて、
テンポも良く、常に何らかの危機が矢継ぎ早に押し寄せてくる物語展開に、見ごたえのあるCG等、他の中国製のアニマル(モンスター)パニック作品とは
一味違った、ちゃんとした娯楽作品となっています。
物語自体は割とシンプルで、多くの乗客が乗車している大陸横断鉄道の走行中の車内で、ウィルスに侵され凶暴化した鼠が大量発生、
しかもこのウィルスがエルシニア感染症という伝染病で、噛まれると人間も感染してしまい、やがて死に至る、という状況で、
列車内がパニックに陥っていきます。

で、その乗客たちの中には衛生署に努める主人公と娘と幼い息子、そして家を飛び出しているもう一人の娘、という4人家族を筆頭に、
ヤクザの親分と数名の子分たち、威圧的な軍人たち、男気のある武術家、等個性的な面々が乗車していて、
それぞれいがみ合ったり、協力したりして危機を乗り越えていきます。






そのドラマの合間に鼠軍団のCGが乱入してきて、どんどんと危機感を煽っていきます。
で、開始早々に早速車内は鼠で埋め尽くされていきますが、主人公は衛生署に努めていますので、走行中の列車の停車駅に、
その伝染病に効くとされている特効薬が、保管されている病院を記憶していたりします。
ちょっとご都合主義ではありますが、その特効薬があれば、鼠に噛まれてウィルスに感染している者でも治癒できる、という展開になっていきます。
で、有志のメンバーを募って(たまたま主要メンバーから一人づつになります)、この病院まで特効薬をゲットしに行くことになります。

タイムリミットは2時間、それ以上列車を止めて待っていると、鼠はどうもあっちこっちに存在しているようなので、
それだけ他の乗客が危険になる、という事でとりあえず2時間以内に病院まで行って帰って来なければなりません。
凄くご都合主義+ベタな展開ですが、この辺りからベタなりに結構熱い展開で、鼠は日光が嫌いで、明るい所には出られない等の
後出しじゃんけんのような設定も加わり、日の当たらない、高い位置を、子供のころ公園でやった高鬼(たかおに)のような感じで割り歩きながら、
薬目指して鼠の大群の中を進みます。


で、なんとかゲットした後は、その辺に放置されていた車に大人しそうな主人公娘が突然乗り込み、『早く乗って!』と、
イケてる女スパイのような感じでメンバーを車に乗せて、まさかの鼠の大群とのカーチェイス、というなかなかに熱いシーンで列車までの帰路をぶっ飛ばします。

その後、犠牲の精神や、頼りないと思っていたキャラの大活躍、ちょっとしたロマンス展開などを挟みつつ、クライマックスは、
生き残った乗客全員を奮い立たせるような熱い展開へと突入していきます。

ベタ中のベタな展開ではありますが、それまでのドラマがしっかりと描かれていますので、ベタなりにもちゃんと感動できるような流れになっています。
登場人物たちも、武侠作品で良くあるような外見だけで、感情が全然表に出てこないようなキャストは一人もいず、それぞれのキャラクターにしっかりと感情移入できるような
ちゃんとしたキャストが演じていますので、ご都合主義でベタでもしっかりと物語世界を堪能できるような作品になっています。



という事で、完全に人気作品の影響で製作された作品で、ベタな展開の作品ですが、しっかり楽しめる作品になっていますので、
アニマルパニック作品好きの方や、中国映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
鼠、という事で拒否反応ある方もいるかもしれませんが、基本CGなのでそこまで醜悪ではなかったですよ。



作品情報
2021年製作 中国製作 アニマルパニック
監督 リン・ツェンザオ
出演 イン・チャオドー、グレイス・シア、チュウ・イア、ム・サ



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