おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
並行世界の地球を舞台に、地球の水を吸収するために侵略してきたエイリアンと激闘を繰り広げる戦闘部隊の活躍を描いた意外に人間描写も行き届いたバトルアクション!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、侵略エイリアンとの戦いを描いたバトルアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
並行世界の地球で、水を吸収するために地球を侵略していきたエイリアンによって、人類は大部分が虐殺され、軍隊も中国軍が最後の砦となっていた。
しかし、ある研究施設で、エイリアンの生命活動を麻痺させる物質を使用した兵器が開発された事で、レジスタンス組織の隊長ガオ・レン率いるチームと、軍の脱走兵チェン・リンは行動を開始する!?
エイリアンと人間の戦いを描いたバトルアクション作品です。
主人公となる脱走兵役には、(クラッシュ・オブ・ゴッド)(詳しくはこちら)やドニー・イェンの新作(シャクラ)にも出演しているリュウジュ・ジャンが扮し、
宇宙人と壮絶なバトルを繰り広げていきます。
そして、もう一人の主役とも言える隊長役で、(雷霆行动)や(火线突围)等のミリタリー系のアクションで活躍しているレン・ティエンイエが登場し、
正義感の強そうな外見で、他のメンバーを導いていきます。
ヒロインとなる女性隊員役には、(クライマーズ)(詳しくはこちら)や、(魔界戦記 雪と精と闇のクリスタル)等のチョーニー・ツェリンで、
他の作品では見せないような戦うヒロインとしての一面を魅力的に演じています。
という中国映画界で大活躍中のキャストが集結した本作の物語は、並行世界の地球が舞台で、水を吸収するために宇宙から飛来したエイリアン(ヘルバウンド、犬、と呼称しています)によって、
圧倒的なダメージを受けた地球は、既に中国以外の国の軍隊は殲滅され、あとは地球最強の軍隊(と登場人物が言っている)中国軍が、
最後の砦としてヘルバウンド達と大激戦を繰り広げているシーンから始まります。
そこに至る物語は、ナレーション一発で片づける、といういつもの中国作品の流れで、いきなり戦闘シーンから始まります。
で、この戦闘シーンに力を入れたかったのか、流行りの長回し風のカットで、主人公の兵士役リュウジュ・ジャンが、
新人ながらも突然戦場に放り投げられて、エイリアンの攻撃をなんとかよけながら戦場を駆け抜けるシーンが描かれていきます。
で、その戦場には別部隊として、もう一人の主人公レン・ティエンイエも登場しますが、こちらは歴戦の勇士なので、
毅然と立ち向かいマシンガンを放っています。
そんな大激戦で、次々と人間達が倒されていく中、主人公のリュウジュ・ジャンが意外な行動をとります。
片隅にトラックを発見したリュウジュが、そのトラックに乗り込んだかと思うと、、、、、
まさかの逃走!!
物語が始まってから、いきなり11分間も続く戦いが、まさかの主人公の逃走でピリオドとなり、メイン展開へと突入していきます。
時代はいきなり数年後に飛び、マッドマックスのような荒廃した世界が進んでいる砂漠の中国で、脱走主人公リュウジュが、廃墟を物色していると、突然ヘルバウンドが登場、
しかし、ギリギリのところで、大戦を生き残っていたレン・ティエンイエが率いている数名のチームと遭遇し、なんとか難を逃れます。
で、レジスタンス組織の基地に向かっている途中のレン隊長に、土地勘があるという事で、半ば強制的に同行させられます。
で、脱走兵と英雄、そして国際色豊かな兵士(アメリカ、フランス、アフリカと多様性な感じです)達によるチームは、
道中でエイリアンの生命活動を麻痺させられるエネルギー資源を活用した兵器を持つ女性兵士チョーニー・ツェリンを仲間に加えて、
そのエネルギー資源が存在する地点へと決死の旅を続ける、というのが本作のメイン展開となっていきます。
要は、個性的なチームが、不可能なミッションを遂行するためにヘルバウンドとも戦闘を繰り広げながら旅を進める、というバトルロードムービーのような物語となっています。
日本版のDVDジャケットや、作品設定だけを見ると、いつもの配信戦争のペラいSFを想像しがちですが、
本作上映時間が105分で、本国ではDVD・ブルーレイソフトも発売されている作品ですので、流石に配信専用のようなお手軽作品ではなく、
戦闘シーンから各キャラクターの人となりまでしっかりと描かれていて、漫画みたいな物語ながらも、しっかりと感情移入できる作品になっています。
また、主人公を演じる二人も、リュウジュ・ジャンは出だしこそ、ヒーローらしくない行動で引いてしまいますが、
ドラマを重ねるうちに、しっかりと成長を遂げていき、後半は本気になると髪の毛を散髪して奮い立たせる、という分かり易さ(誉め言葉です)で、ヒーローらしくなっていきます。
また、表情の演技だけで涙を誘うリュウジュ・ジャン自身の表現力の高さ(感情が高ぶった時のチョウ・ユンファっぽいです)とこの成長するヒーロー像が上手く重なり、
冒頭で情けない必死走りを披露していたドン引き主人公が、後半、逆に誰もが応援したくなるようなヒーローが活躍する怒涛のクライマックスへと突入していきます。
対してレン・ティエンイエの方も、言葉は悪いですが、生粋のクソ正義野郎(誉め言葉です)、といった感じで、
脱走兵と判明したリュウジュを、それほど咎める事なく、厳しい中にもしっかりと優しさを宿らせているような名演を披露しています。
こういう位置のキャラクターは、大概感情移入を削ぐような態度をとる場合が多いですが、本作のレン隊長は、
リュウジュが脱走兵だと判明した後も、逃げたやつだから信用しないのではなく、脱走兵は皆、次のチャンスで、過去の過ちを償いたいと思っている、
と捉えるプラス思考で、表面上は厳しい表情ながらも、実は優しいお兄さん的な温かみを醸し出していきます。
また、そのキャラクターにレン・ティエンイエがぴったりとハマっていて、こちらも名演を披露しています。
容姿が整い過ぎている女性隊員チョーニー・ツェリンも、駆けずり回ってしっかりとレディソルジャー役を好演していますし、
他の作品より多めの外国人枠のキャストも、全員良い雰囲気で、台詞が少ないキャラクターまで、しっかりと存在感を発揮しています。
ただ、それほど凄いという感じも無いCGバトルシーンが結構長めに挿入されますが、この戦いが段階を踏んで戦況が変わるような戦闘なら良いのですが、
人間の使用する兵器は、全てヘルバウンドの顔の辺りに存在する電磁バリアによって無効化されるという絶望的な状況設定ですので、
どれだけ攻撃を加えても、ほぼダメージは与えられない(弾丸の勢いにちょっと動きが鈍る程度)のに戦い続ける、
という本来は見所となるはずのシーンが、逆にドラマのテンポを崩してしまっているのが少々残念です。
少しづつでもダメージを与えられていたら、まだ良かったのですが、、。
ただ、それでも、やはりドラマとキャラクターがしっかりと描かれている分、作品自体も楽しみやすい秀作となっていますので、
SFアクション好きの方や、中国作品好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
ただ、一点、どうしても、それだけはなんとかならなかったのか?という点があります。
もう、根本的な事で、ジャケットを見たら分かりますが、、、、、、
エリアンの造形がダサ過ぎるッ!!!
作品情報
2022年製作 中国製作 SFアクション
監督 ホアン・シャオシェン
出演 レン・ティエンイエ、チャン・チールー、チョーニー・ツェリン
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