おすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
行方不明者を探すため、中国奥地の未開の雪原で、伝説の巨大モンスターと遭遇してしまった捜索隊の壮絶な戦いを描くCGと特撮のバランスが絶妙な怪獣アクション!!

作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、巨大な謎のモンスター達とバトルを繰り広げる、特撮怪獣アクションです。
それでは、まずはあらすじから、
遺伝子研究チームが北極圏の未開の雪原で行方不明になった。
研究チームリーダーシャオ・チンの父親であり研究チームの責任者は、捜索のために、特殊部隊と専門家による捜索隊チームを編成し、
未開の雪原へと派遣するが、そこは磁場の影響で、生物が巨大化してしまう、独自の文化を持った土地だった!?

最近の中国映画の流行りの一つ、モンスターパニック系列の作品です。
中国製作のモンスターものはどの作品も同じような流れの作品が多く、どこかの島や未開の地に行く必要が生じて、専門家であるヒーローに依頼が持ち込まれ、
そこに行きたい当事者たちをヒーローが率いて冒険に繰り出す、という流れの作品が多く存在します。
だいたい、この冒険アドベンチャー的な要素とモンスターパニックを掛け合わせたような物語が多く、荒いCGと軽い登場人物が、
本当に劇場映画か?と思ってしまうような作品も少なくなく、どの作品も正直、どんぐりの背比べのようなレベルの作品が多い、というのがこのジャンルの特徴となっていました。
中には(水怪ウォーターモンスター)(詳しくはこちら)のような快作も存在しましたが、それはどちらかというとモンスター映画かと思いきや、
実は半魚人の姿のカンフー使いと空中戦バトルを繰り広げる、という変化球だからこそ楽しめた作品でした。

という事で、既にこのモンスターパニックジャンルでも飽和状態になっていて、直球のモンスターものでは、他の作品との区別さえつかない、ような状態になっています。

そこで、本作の登場ですが、、、
正直期待もせずに鑑賞し始めましたが、これがまさかの、意表をついた大直球の特撮モンスター映画となっていて、着ぐるみ特撮と、
最新のCGをバランス良く融合させた、なかなか燃える怪獣映画となっています。

CGの部分も非常に良くできていて、スノーモンスターだけではなく、スノーシャークまで登場するサービスぶりで、そのサイズの大きいスノーシャークを、
さらにサイズの大きいスノーモンスターが持ち上げて、かぶりつく、という燃えるシーンまで登場します。




要するに、この未開の地に生息する生き物は、磁場の影響で、生物が巨大化してしまう(物凄いシンプルな説明ですが)という事で、
サメもついでに大きいようです。

そういう事なら、同じ地域で生活している現地民も登場しますが、人間は普通サイズでしたので、その辺の説明が相変わらず何もありませんが、
とりあえずモンスターとサメは、その磁場の影響をモロに受けてしまったようです。
だったら、磁場の影響を受けていなかったら、このモンスターのサイズはどうなのか?というより、よく考えたらモンスター自体の存在と磁場は関係ないような気もしますが、
そういう突っ込みどころは多々ありながらも、それを補って余りある特撮シーンの迫力が、本作の一番の魅力となっています。

物語としては、至ってシンプルで、ある研究チームが未開の地を探索中に行方不明になったので、主人公を含む捜索隊が、現地まで救出に向かう、
というストーリーで、その道程で、色んな困難に出会っていく事になります。
大筋の雰囲気としてはモンスターパニック、というよりモンスターが登場するアドベンチャー作品といった感じで、(インディジョーンズ)などの冒険ヒーローものに近い要素を持っています。
で、その冒険に繰り出す肝心の主人公ですが、これも中国作品に何故か共通している、憧れをあまり抱けないようなキャストがヒーローになり切っています。


ヒーローもそうですが、ヒロインもやたらと、未開の地で独自の文化を築いてきた現地民の存在を外に広めたい、と言い出し、
そっとしておいた方が良い、という真面な事を言うヒーローと口喧嘩までして、お互いの意見を衝突させます。
ヒロインは終始にこりともせず、そんな調子で、自分を心配して助けにきてくれたヒーローにも不満顔です。

これは、何か良くない展開を予感させ色々なドラマが展開されそうですが、、、
その後、意表を突いてその世間に広めたいというヒロインの欲望は、何の説明もなく一切なくなっていて、
外からの勢力から、現地民を守る立場へとさっさと立ち位置を変えてしまいます。
いつの間にか問題解決、というか問題ごと存在しなくなっています。
こういう所も最近の中国作品の特徴で、細かい説明は省いてしまって思いついている次の展開にさっさと進めてしまう、という流れになってしまいます。

本来は、その部分を描く事で一番ドラマが盛り上がってくるのですが、そうはしないのが、やはり最近の中国映画の共通の特徴となっています。
何故か、大事な物語を面白くするドラマ部分は端折ってしまって、とにかく短い上映時間の作品を大数量産する、という感じです。
とはいえ本作に関しては87分とまともな上映時間で特撮やCGなもしっかりと製作されているのですが。

で、結局、捜索隊の中の悪者の策略によって(キングコング)的にモンスターを捕まえて一儲けしようと企むキャラクターが登場したりして、
クライマックスは大バトルへと発展していきます。
この辺も、最新戦闘機とモンスターとの特撮バトルが結構熱く、戦闘機側は、超音波攻撃のような必殺兵器まで登場して怪獣映画的な展開へとなだれ込みます。
さらに現地民の長の娘が、ちょっとしたカンフー使いで、悪者チームのボスとの一騎打ちなんかもクライマックスバトルの余興的に挿入されますので、
なかなかに飽きさせないアクションの連続となっています。



ラストでは、謎の大蛇も登場し、次回作への橋渡しも完了していますので、こういうグレードの作品でしたら、
ずっと続きが観たくなる、という方も多いのではないでしょうか。
という事で、本作は意外にもしっかりとした怪獣映画となっていますので、特撮映画好きの方や、モンスターパニック作品好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
あと、ヒロインの父親役で、最近何故か中国作品でのゲスト的な出演の多い(中華道士)、(ゴールデンスワロー魔翔伝説)等のチョイ・シウキョンも出演していますよ。


作品情報
2019年製作 中国製作 モンスターアクション
監督 ホアン・ハ
出演 ウー・ジュンチョン、チャン・ヨンシェン、タン・シン、リー・ルオシー、チョイ・シウキョン

その他の中国製作モンスターパニック作品
遺伝子操作により強大化したサメが襲い掛かる(シン・ジョーズ最強性生物の誕生)はこちら


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