おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
人気シリーズの第3弾(日本では初登場)は、近年の恐竜・怪獣パニック映画の影響大の二大怪獣激突バトル作!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、(大蛇)シリーズの第3弾で、巨大蛇と恐竜が激突するモンスターアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ある無人島で、生きている巨大な生物が発見されたために、早速乱開発を進める企業が、その地でテーマパーク建設に着手する。
その資金集めと宣伝のためにまずはツアー客を招待し、観光バスで島めぐりを行うが、予想を上回る恐竜の数とどう猛さに、
バスは襲われ、ツアー客は次々と犠牲になっていくのだった!?
中国映画界が大好きなジャンルの一つ、モンスターパニック作品の内の人気シリーズ第3弾です。
ややこしいですが、同じジャンルの作品で日本でもリリースされた(蛇王キング・オブ・スネーク)(詳しくはこちら)、
その第2弾である(蛇王島キング・スネークアイランド)(詳しくはこちら)が、
ありましたが、本作は別の(大蛇)という無関係シリーズ作品となっています。
とは言え、前作との繋がりは、ありませんので、(大蛇3)というタイトルですが、物語は気にせずに鑑賞できるようになっています。
という事で、本作から始まる物語ですが、本作は、恐らく前作まで活躍していたと思われる中国版ララ・クロフトは登場せずに、
主人公をまさかの小学生ぐらいの少年とその母親が演じる、というかなりの路線変更を狙った作品となっています。
母親を演じるのは、(山河令)等が人気のチェン・ズーハンで、子供のために必死て恐竜と戦うヒーローのような母親を演じています。
恐らく、近年の(ジュラシックワールド)シリーズや、(ゴジラ)シリーズ等に登場する親子像を中心に抜き出して創作された物語のようで、
あやかり先の作品で観たことのあるシーンが満載となっています。
ただ、出来事に遭遇する人々のパニックドラマと、少年を中心とした親子ドラマ、そして一番の売りであるモンスターバトルが、
上映時間と見合っていないので、それぞれの要素が中途半端で、結果的に嫌みキャラ等の物語をひっかき回す要素は存在するものの、
ほとんど活かされる事なく、割とあっさり目に主人公親子と、説明役の恐竜博士と助手、薄味ヒーロー役の運転手、
という主要メンバー以外は、さっさと別行動で、退場していきます。
さらに、少年のみがメインのパーティからはぐれてしまいますので、少年が一人で恐竜や大蛇とのチェイスを繰り広げながら合間で、
母親パーティのドラマも挿入されるという感じで、少年がほとんど主役となっていきます。
このシリアスなパニック作品の主役を少年に背負わせる、という展開が、非常に重く、さらにこの少年は、過去に大火事に見舞われて足に後遺症が残ってしまい、
今も母親に注意深く見守られている、という背景があり、またさらに、その後遺症は、PTSDが原因なので、
実は少年の心次第で歩けるようになるはず、というシリアスなドラマを背負っています。
で、そんな部分だけを抽出している役柄ですので、とにかく初登場からクライマックスまで、この少年はずっと眉間に皺を寄せて、
驚いているか、困っている、起こっている、焦っている、という表情しか見せません。
(ジュラシックパーク)等にも子供は重要な役柄として登場しますが、そちらはアドベンチャー要素のある作品ですので、
そこに至るまでの子供らしい笑った表情や、ふざけ合ったり、調子に乗ったりなどの子供としての普通の役割を果たしたうえで、
そんな日常をモンスターが破壊するようにパニック展開へと入っていきます。
(ジュラシックパーク)も(ゴジラ)も大体は、そういう役割を担って登場しますが、
本作に登場する子供は、他に主役となるようなキャラクターが居ないために、ほとんど主役扱いで、しかもシリアスな面だけを背負ってしまっているので、
子供らしく笑うシーンや、母親とふざけ合ったり等のシーンがほぼ存在しないので、とにかくずっと眉間に皺を寄せています。
要するに、子供を子供としてキャスティングしているのではなく、過去の出来事で心に傷を負って、大事件に遭遇する事で、
前向きになるヒーロー(は少し言い過ぎかもしれませんが)として登場しています。
この、子供がずっと眉間に皺をよせ、ドラマを背負って主人公を演じている映像を繰り返し見続ける、という行為が意外に疲労感があり、
観ているうちに、その役割は母親側のメンバーでも良いのでは?と思うようになってしまいます。
で、その母親もちょっとしたヒーローにはなるのですが、それよりも、一緒に行動することになる恐竜博士とその助手のインパクトが結構あり、
そのせいで母親と、もう一人一緒に行動する本来ならヒーローになるはずの運転手の存在感が非常に薄くなってしまいます。
その恐竜博士は、独自のノート(?)のような図鑑のような分厚い書物を持ち歩いていて、島で遭遇する恐竜や、ほとんど怪獣のような生き物を確実に解説していきます。
しかも、自身で既に命名済みで、巨大蛙は、【悪魔蛙】、巨大蛇は【盤古大蛇】、後半登場するゴジラのような恐竜は【暴虐竜王】という感じで、
勝手に名前を付けている上に、その恐竜(怪獣)の特性を細かく解説していきます。
因みに台詞のみですが、両棲鮫(シン・ジョーズ)(詳しくはこちら)や大雪怪(スノーモンスター)(詳しくはこちら)等も登場しますので、もしかするといつか中国版のモンスターユニバース作品等も製作されるかもしれませんね。
それにしても、何故、こんな事、知っているんだ?という感じですが、そこは、多分雰囲気です。
そんなトンデモ恐竜(怪獣)博士を演じているのは、若いのにお爺さん役で多投される、脇役の帝王、ユエ・トンフェンです。
本作でも、いつものような登場するなり、場の雰囲気を全て持って行ってしまうようなインパクトのある博士を好演しています。
しかし、そんなインパクトを残す博士の助手が、また気になってしょうがないぐらいのインパクトを残します。
初登場時は、あまりアップで映りませんので、中国パニック作品にありがちなおじいちゃんと孫である若い女子との異色コンビという感じで登場し、
衣裳もピンク色を基調にした感じですので、女高生か、背伸びをしたい世代の女子中学生という感じなのですが、、、
場面が切り替わると、、、、
大人!!
しかも、物凄くシュっとした感じの大人!!
観ているこちらが恥ずかしくなるぐらいに年齢と恰好が合っていない助手と、勝手に自作の怪獣ノートをこしらえるている恐竜(怪獣)博士、
という、電波系コンビのインパクトが凄い(助手は恰好が目立つだけで、ほとんど活躍はしませんが)ために、
ますます薄味ヒーローと頑張っている母親の存在感が薄まっていきます。
そんな活躍しないのにインパクトだけ凄い助手を演じているのは(スノーモンスター)や、(王朝の陰謀 検事ディーと天空のドラゴン)(詳しくはこちら)等にも出演しているリー・ルオシー。
(大蛇2)にも出演しているようですので、その流れで別キャラクターとしての出演が実現したのではないでしょうか。
で、そんな母親パーティと単独行動のシリアス子供は、結局あっさりと出会い、行動を共にする事になりますが、
途中で会った大蛇と子供が仲良くなり、人間側の味方になるという展開を踏まえつつ、ラストは完全に(ゴジラVSコング)なクライマックスになっていきます。
で、そのバトルで人間側の味方である蛇は大活躍しますが、複数対1匹という数で不利な状況ですので、やはりピンチになってしまいます。
ここで、人間の強力も必要になり、子供のPTSDシリアスドラマも昇華されていく、という盛り上がりを見せる展開へと突入していきます。
という事で、子供がずっとシリアスな表情を見せる展開は重いですが、有名作品の良い所ばかりをあやかっているだけに、
パニックシーンは結構たのしめますので、モンスターアクション好きの方など、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
2022年製作 中国製作 モンスターパニック
監督 リン・ツェンザオ
出演 チェン・ズーハン、ルオ・リーチュン、ジャン・チャオ、ユエ・トンフェン、リー・ルオシー
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