おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
不時着した旅客機の乗客たちが、謎の巨大生物が生息する島で、サバイバルを繰り広げるアニマルモンスターパニック作品!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、巨大な鰐を始め、色んな生物が襲い掛かるオーソドックスなモンスターパニック作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ドラゴントライアングルという海域の上空を飛行中の旅客機が墜落した。
機体は絶望的な損傷を受けていたものの、後部に座っていた乗客たちの数名は、奇跡的に助かり、未開の島、巨鰐島へと上陸した。
なんとか食料と水を求めて奥地へと分け入る乗客たちだったが、そこは核廃棄物の影響で、巨大化した生物たちが生息する危険な島なのだった!?
中国作品の人気ジャンル、モンスターパニックの中の、さらに人気のワニパニック作品です。
監督は若手の(忍者传说之高校争霸)等のシシン・ユエ監督と、(夺宝二龙湖)等のチャオ・ジンイー監督のコンビで、
次世代を担う監督として本作でも手腕を発揮しています。
主演の父親役は、アーロン・クォック主演(ディバージェンス)やティ・ロン主演の(英雄剣)、(キョンシーVSくの一)等、香港出身のロー・ガーリョンで、
分かり易く英雄的な父親を演じて無敵のヒーローぶりを発揮しています。
そして、父親とはちょっと微妙な関係の娘役を演じているのは、テレビドラマを中心に活躍し、映画作品では、(闺蜜的正确打开方式)等に出演しているピンイン・リャオ、
頼りない男と思いきや、後半意外に活躍する娘の彼氏役で、武侠ドラマシリーズ(上古情歌)で人気のワン・ピンシャン、
主人公達と一緒に島を彷徨う妊婦役で、(ムーラン 戦場の花)(詳しくはこちら)のムーラン役、フー・シェアール、
そして、中国作品、特にモンスターパニック系作品に必ず登場する外道系キャラクターで、(モンスターハンターズ)(詳しくはこちら)や、
(ダンジョン・オブ・ドラゴン)(詳しくはこちら)等のホー・チーウェイが出演し、ドラマを盛り上げていきます。
因みに、(モンスターハンターズ)では本作のフー・シェアールと再共演を果たしています。
そんなベテラン香港スターを筆頭に若手のスタッフ・キャストが結集した本作は、意表をついて1945年から始まります。
で、戦時中、核廃棄物を積んだままの輸送機が、ある海域(ドラゴントライアングルという凄いネーミングの海域)の上空を飛んだ時に、
見た事も無いようなゴツイ鳥にぶつかり、そのまま墜落した場所が、謎の巨鰐島で、その島に2人のパイロットが不時着するものの、、、、
という事で、時代は変わって現代、調度同じ空域を飛行中の旅客機が、同じように、ゴツイ鳥に接触し、
機体の前方部分が吹っ飛んでしまいますが、後部の乗客は10名ほど無事で、巨鰐島に上陸する、という流れで本題に入ってきます。
ここまでで約9分で、航空機が墜落するシーンがいきなり2回も描かれる、という勢いですが、
1945年のパイロットの一人はパラシュートで落下する際に、海水の上に着水しようとしたら、物凄いサイズのクロコダイルにパクつかれる、(未着陸)
という見せ場も含めて、いきなりの盛り上がりで掴み的にはOKという感じですが、これが、後ほど設定が少しづつ説明されていく度に、
少しづつ、この掴みのシーンもおかしな感じになっていきます。
因みに、海にクロコダイル?という感じですが、アリゲーターは海に出れないそうですが、クロコダイルは海水を輩出する機能が備わっているので、
海にも出れるそうで、南米コスタリカ等では、クロコダイルが原因でサーフィン大会が中止になる、等の問題も起こっているそうです。
で、不時着した乗客たちは、勿論個性的で、主人公は元軍人で、娘を心配しつつも口うるさく、
恐らく何かの事情で仕事を優先してしまったがために娘とも疎遠で、ちょっと微妙な関係にある、というなかなかのドラマを背負ったキャラクターで、
娘はそんな父親に反抗しつつも、実は愛に飢えていて、彼氏と共にその飛行機に乗ったら、たまたま別に乗っていた父親と顔を合わせてしまった、という状況になっています。
しかも、その飛行機が巨鰐島に墜落する、という物凄い奇跡の連鎖です、、。
で、彼氏は素直な性格ながらも、突然彼女の父親に初対面で出くわして戸惑っていつつ、なんとか気に入られたいと思っている好青年、という主人公3人に、
お腹に子供を身ごもっている若い夫婦、SNSで惨状の中の自分を自撮りしつつけるホットパンツ女子、息子に会うためにプレセントを買って乗り込んでいた教師、
そして、勿論自分の事しか考えていない外道枠の若社長(多分)、
という感じで、お馴染みの枠にピタッとハマった個性的なキャラクター(太めキャラだけ不在)が生き残って、水も食料もないので、とりあえず島の中に分け入っていきます。
で、ある程度進むと1945年の生き残りが建てた小屋を発見するのですが(本人は亡くなってしまっています)、
そこにはノート(日記?)があり、戦時中に核廃棄物を輸送して、そのまま不時着しているので、その影響で島の生物が巨大化してしまった、という結論に達します。
そうなってくると、あれ?1945年に既に、うようよと元気に生きていた巨大な生物たちは、いったい何故巨大化したの?という感じですが、
本作、非常にサラっと上手く設定説明はしてくれるのですが、ほとんどが登場人物の台詞での説明のみで、
主人公のロー・ガーリョンの元軍人設定も、ロー・ガーリョンが肩に傷を負った時に、
小屋にあった弾丸の中から火薬を取り出して傷口に振りかけて、火を付けて燃やして傷口をふさぐ、というランボー( 若旦那『あの人は、きっと元軍人だな』 という台詞一発で、元軍人のていで物語が進んでみたり、 核燃料に関しても、小屋にあったノートをパラパラと流し読みして、 生き残り『核燃料を運んでいたのか。だから生物が巨大化したんだな。』 という台詞一発で、核→ミュータント化、という流れになっていきます。 ですので、実際に生物が核の影響を受けて巨大化、狂暴化しているシーンや、ロー・ガーリョンが戦場で戦っているシーン、あるいは軍服を着ている過去のシーンなども存在しません。 非常に登場人物のキャラクターや状況説明などはスムーズで感情移入しやすいのですが、決定的な事を描いているシーンがほとんどありませんので、なんとなくずっとふわっとした流れとなっています。 物語進行も、浜辺で救助を待つことなく、結構無目的に森を彷徨っていたのに、偶然小屋を発見したので、そこから墜落した飛行機があるはず、となって、 そこに行けば、無線機があるので、見つけたら助かるはず、という感じでふわっと動いていたら、なんとなくゴールに着いた、という感じの流れになっていきます。 ただ、本作、2020年製作という事で、まだまだ類似の作品が大量生産されだした、ぐらいの時期に製作された作品ですので、 外道キャラクターの外道ぶりが、それなりに大人し目で(他人を犠牲にして生き残る、という最低な行動はとりますが)、 しかも、何故か心臓移植を受けるために飛行機に乗っていた、という同情させる余地まで残すぐらいの外道色の薄さですので、 後ほど大量に製作される事になる外道ぶりが見せ場になるような展開にはならないのが救いとなっています。 いつも思うのですが、中国映画、この外道が外道街道を突き進めば、その分物語が盛り上がると捉えているようですが、 個人的には、そんな外道が、最後の最後に良心を取り戻したり、外道のまま死にたくないので、最後の最後に他人の犠牲になって命を落とす、 という方向への予想の裏切りの方が、物語的にはグッとくると思うのですが、どうでしょうか。 という事で、最初から最後まで、ロー・ガーリョンが元軍人に見える事は一瞬もありませんが、分かり易いヒーローが、 期待通りに活躍するモンスターパニック作品となっていますので、パニック映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。 因みに、サブタイトルに(巨獣大決戦)とありますが、巨獣同士は戦いません。 作品情報 2020年製作 中国製作 モンスターパニック 監督 シシン・ユエ、チャオ・ジンイー 出演 ロー・ガーリョン、ピンイン・リャオ、ワン・ピンシャン、フー・シェアール、ホー・チーウェイ ↓ランキングに参加しています。もし、宜しければ下記をクリックお願い致します↓
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