【中国映画】ザ・モンスターハンター 魔界都市(MONSTER HUNTER)77分

投稿者: | 2021年7月29日

お薦め度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

宇宙からやってきた生物と融合した人間相手に戦いを繰り広げる怪物ハンターの活躍を描いた純中国製SFアクション!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、上海を舞台に異次元から現れた怪物とハンターの戦いを描いたアクションサスペンス作品です。

それでは、まずはあらすじから、

五行思想を司るモンスターハンターである、ユ・ウェンは、モンスターを追いかけて、あるパーティ会場の奇術イベントにたどり着く。

そこで、奇術師に化けていたモンスターを追い詰め撃退するが、そのモンスターが自身の過去に関係する人物である事に気づく。

捜査を進めるうちに、モンスターたちの暗躍は、その裏にある大物組織が存在している事が分かり、五行の技を駆使して戦いを挑む決意をする!?

モンスターを探すイケメン

中国製作の最近の流れの一つである、一つの物語を70分ぐらいに小分けして連続で製作する、というまるでテレビドラマシリーズのような作品の中の1作です。

ですので、本作も物語は完結しておらず、まだまだこれから!という場面で次回に強引に続く、という終わり方をしています。

毎回思いますが、終幕時点で70分ちょっとなので、あと30分あれば、物語完結まで絶対描くことできると思われますが、そうしないのが今の中国映画ですね、、、。

唐人街探偵)のパンフレットにも記載されていましたが、今現在の中国映画界では、中国政府の検閲の影響で、現代を舞台にした探偵を主人公とした物語でさえも許可が下りないそうです。

探偵自体が違法な存在にあたる、という事で、警察の権威を失墜させる害悪的な存在という判断がされるそうで、今そういう題材の作品を製作しようとすると、

海外で活躍する探偵(唐人街探偵は基本的に毎回海外で活躍します)か、時代劇の中で活躍する探偵にするか、どちらかしか許可が下りないそうです。

そんな状況なので、似たような題材も多くなり、さらに、当たり障りのないような内容の作品だけが製作されていく、という状況のようです。

そういう状況ですので、本作のような作品の存在は、もろに影響下にある作品といえるかもしれません。

娯楽性はあるにはありますが、とにかく終始盛り上がりをあえて抑えているかのような、薄い印象の残る作品となっています。

物語としては、民国時代の上海に突然異次元から未知の生物(怪物)が人間界を乗っ取るために人間の体と合体て攻めてくるが、そんな存在に対して五行を司る呪術師が立ち向かう、

という物語で、その怪物たちに操られた人間が犯した殺人などを、人間側のズッコケ捜査官と一緒に捜査していく、という大筋になっています。

内容も撮影に使われているセットもチン・シユウホウ主演の(呪術大戦)(詳しくはこちら)にそっくりですので、何らかの影響にある作品ではないかと思われます。

勿論、物語的には全く無関係ですが。

で、メインの見どころはタイトルにもなっている通り、モンスターをハントするシーンのはずですが、前半の出だしではそれなりのバトルがあったもものの、

本題に入り始めると、アクションよりもミステリー色の方が強まってしまい、ほとんど怪物を探すための推理シーンが、メインとなってしまいます。

たまにアクションになったりもしますが、前半のアクションとは比べ物にならないくらいにシンプルなアクションですので、

アクション自体は大きく分けて、前半とラストの2回だけ、と言っても良いぐらいになっています。

そのアクションもカット割りの多用と、スローの多用で、なんとなくリズム感がなく、ワイヤーを使ったアクションも吊られている感の強い動きとなっていて、

主人公の強さがあまり伝わってこないアクションとなっています。

イケメンアクション

ただ、主演のイケメン俳優をカッコ良く魅せるアクションにはなっていますので、強さは全く伝わりませんが、カッコ良さは伝わります

で、おそらく、本作最大の問題点は、その独自の世界観やルールを全て登場人物の台詞だけで説明している点にあると思われます。

怪物と戦ってピンチになっても、何がどうピンチなのか分からない。

怪物を退治するために効果的な何かをしているっぽいけれど、どういう効果があるのか分からない。

怪物が苦しんでいるけれど、何故苦しんでいるのか分からない。

怪物は異次元から攻めてきてるっぽいけれど、そもそも、その始まりが描かれていないので、何をしているのか良く分からない。

主人公以外のモンスターハンターも存在しているような台詞があるけれど、一人も登場しないので、どういう存在なのかが分からない。

主人公の存在自体がバックグラウンドが無さ過ぎて、私事で戦っているだけのようにしか見えない。

など、アクションやミステリーを進めていくシーンになっても、その独特の世界観の説明なしに、どんどん物語を進めてしまいますので、

常に見ている側は、主人公達に何が起こっているのか、分からない状態が多く、結果的に感情移入できずに緊迫感が伝わらないままに77分という短い時間が過ぎてしまう

という、恐らくモンスターバトルアクション作品を期待して鑑賞し始めた人にとっては、常にノリ切れない作品ではないかと思われます。

何かの気配を感じるイケメン

確実に続編は製作されると思われますが、その作品が日本でリリースされるかどうかは、ちょっと怪しいので、物語を完結まで楽しみたい方は気長に待つしかなさそうですね、、。

という事で、主人公のイケメンっぷりを堪能する事に関しては良作だと思われますので、そういった作品がお好きな方など、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

それにしても、セットは豪華ですが、箱庭感が高い作品ですね。

イケメンコスプレもあり

作品情報

2020年製作 中国製作 SFアクション

監督 ワン・ハオ

出演 シュー・アンシ、マー・リー、ワン・チュンシ

書物を開くイケメン

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