おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
昆虫型エイリアンに支配された地球を舞台に、人類の希望となるミッションに挑んだチームの活躍を描くSFアクション!!



作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、エイリアンと戦いながら目的地を目指すSFバトルアクション作品です。
それでは、あまずはあらすじから、
突然来襲したエイリアンの侵略によって地上は占領され、人々は地下での生活を余儀なくされた。
それから20年、侵略されてしまった地上を取り戻すため人類は究極の電磁兵器を完成させ、反撃するために、ある作戦を決行する。
決死隊が作戦遂行のために荒廃した地上を進む中、ジャンク屋モーフェイと遭遇するのだった!?

(三国志 黄巾の乱)のフイ・ユ監督によるSFバトルアクション作品です。
日本版のジャケットデザインからはディザスターもののイメージを想像しますが、実際は、エイリアンに侵略されて、
生き残った人々が地下に逃げて、そこでたったの20年間の間に、まさかの(ブレードランナー)や(フィフスエレメント)のような地下都市を創り出す、
というエイリアンの侵略よりも、物凄いペースの復旧力を見せる未来世界が舞台のSF作品となっています。



痴情が侵略されて地下に逃げ込む、という状況から始めてたったの20年でここまでの完璧な地下世界を構築するなんて、
流石に非現実的ですが、逆に言うと、本作は、その荒唐無稽な世界観を受け入れられるかどうか、で作品自体を楽しめるかどうか、が違ってくる作品となっています。

主人公は荒廃した地上(バグズ型エイリアンが支配中)に、時々、隙を見てリサイクル利用できる物品を探しに行く、
というジャンク屋的な商売をしつつ、借金取りのおじさんと、丁々発止をやる毎日で、そこに相棒であるヒロインも含めて、
なんだかんだと3人で物資を求めて地上世界へと出ていく事になります。


で、そこで、バグズエイリアン(呼び名がクン、という名前で、観始めの頃は、ずっとクソだと思っていました、、)と戦いつつ、
ある任務中の特殊部隊チームと出会います。



で、一応、政府組織の軍人のようなチームですので、そのままエイリアンに襲われる危険のある民間人を放っておくわけにもいかずに、
特殊部隊チームと主人公周りの3人が、行動を共にする事になります。

要するに(リスタートアース)(詳しくはこちら)のようなディザスター要素後の世界観での目的地までの旅、つまりロードムービーとなっていきます。
で、その旅を続ける内に、主人公達と特殊部隊員達の友情も芽生え、感動の犠牲などもありつつ、まさかの主人公と偶然出会ったはずの特殊部隊員との過去の出来事のドラマも掘り下げていきます。

という感じで、盛りだくさんではあるのですが、少々盛り込み過ぎで、それぞれの要素を深く掘り下げられるところまでは行っていませんので、
旅の仲間と出会って、悲しい別れが何度も描かれるような物語ですが、それぞれの散り際の感情移入度が低く、しかも、その悲しい(感動させたい)表現自体が割としつこく続きますので、
どういう性格かも知らない人たちが、悲しそうにしている場面をずっと冷静に見続ける事になります。

色々盛り込んでいって、他の作品のような型に捕らわれない展開を描くのは、ほとんどの作品が、いずれかの過去作の雛型にハマっている作品ばかり、
という今の中国映画界では、それだけで価値があることですが、それぞれの要因が、薄めにしか機能していないために、作品全体を通して少々ドラマ部分が薄味となっています。




ただ、それぞれのアクションシーンの演出等、ポイントポイントでは、凄く楽しめる要素のある作品ですので、
メイン展開には直接関係の無い前半の(フィフスエレメント)が好きでしょうがないパートは諦めて、
中盤以降のエイリアンバトルの旅パートに絞って、活躍するそれぞれの隊員のドラマ等が荒廃した世界を舞台に描かれていれば、
シンプルに感情移入できる物語になったと思われるのですが、どうでしょうか。



と言いつつも、本作の良さは、この色々などこかの作品で見た事のあるような娯楽要素を、詰め込でいる、というところにあるとも思えますので、
ある程度はごちゃごちゃ感があった方が良いのかもしれません。
作品自体のごちゃごちゃ感=混沌とした世界を表現、とも解釈できそうですので。

因みに、この世界観で、主人公は最終的に、孫悟空になって筋斗雲的な乗り物に乗って如意棒持って特攻します。

そんな娯楽要素満載(過ぎる)物語の主人公を演じているのは、歌手としても活躍し、ドラマや映画での活躍が増えてきているフレッシュなイケメン、リウ・ジェンユー、


そしてその主人公を支える活発なヒロインを演じているのは、こちらもフレッシュなワン・ズージア、


そして、特捜隊の本部長を演じているのは、(リスタートアース)でも同じようにリーダー役を演じていた(天山回廊)(詳しくはこちら)等、
古くからカンフーアクション作品等で活躍しているベテラン、ユーロン・グアン、
とフレッシュな若手と円熟味のあるレジェンドが揃った話題のキャスティングとなっています。


さらに、主人公達が実際に戦う事になるエイリアンバグズの造形が意外に良く、(スターシップトゥルーパーズ)のバグズに80年代ぐらいのモンスター感を融合させたようなデザインが、
なかなかに憎たらしいけども、ほんの少し愛嬌を感じさせます。


という事で、色々詰め込み過ぎな内容ではありますが、テンポ良く物語が進みますので、娯楽として鑑賞しやすい作品となっていますので、
中国映画好きの方や、SFアクション好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。



作品情報
2021年製作 中国製作 SFアクション
監督 フイ・ユ
出演 リン・シャオスー、ジャン・チャオ、リウ・ジェンユー、ユーロン・グアン


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