おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
フィルマーク社系列のIFDフィルムズが製作し、リチャード・ハリソンが出演した台湾映画の黒社会ものに、新規撮影の忍者パートを挿入したニコイチ忍者映画!!
作品紹介
日本劇場未公開
フィルマーク社系列会社による、お馴染みのニコイチ忍者作品です。
それでは、まずはあらすじから、
裏の世界の実力者ポールは、目障りなライバル、ゴードンと、その相棒である黒社会組織のボス、ロナルドの抹殺指令を出した。
直ぐにロナルドは暗殺され、組織の跡目争いが繰り広げられるが、娘のフィニックスがボスの座を継ぐことになるのだった。
さらにポールは、ゴードンの暗殺も成功させるために忍者暗殺部隊を集めて、ゴードン抹殺計画を実行に移す!?
お馴染み権利を購入した旧作に新規撮影の忍者映像を加えて別作品に仕立てあげて新作として公開してしまうニコイチ映画で有名なフィルマーク社系列のIFD製作によるニコイチ作品です。
監督はお馴染み、ほとんどのフィルマーク社、IFD作品に関わっているゴッド・フリーホーですが、
当然オリジナル部分は別人が監督していますので、新規撮影パートを監督しているのか、撮影した映像を一つの作品に強引にまとめ上げる役目なのか、良く分かりませんが、
一応、表記上は、ゴッド・フリーホー監督作品となっています。
主演は、ニコイチ忍者映画ではお馴染みの(空飛ぶ戦闘艦)や(カンフー東方見聞録)、(魔界SFX軍団死霊の忍者)(詳しくはこちら)等、
多くの娯楽作品で活躍しているリチャード・ハリソンで、本作でも安定の忍者役をこなしています。
敵役となる忍者のボスには(クラッシュofザ忍者)(詳しくはこちら)ではスタローンを意識した偽コブラを演じ、
ジャンクロード・ヴァンダムの(ブラッドスポーツ)や(ブルージーンコップ)(ヘル)等多くの有名作品で活躍しているパウロ・トーチャ(ブルース・スタリオン)で、
本作では、悪役としてリチャード・ハリソンと対決していきます。
で、オリジナル部分の主役である黒社会の女ボスを演じているのは、フォン・チェン主演の(人偷人)や、チェン・カンタイ主演の(上海大亨)等に出演しているリリー・ランで、
セクシーさと強さを兼ね備えたヒロインを好演しています。
で、オリジナル部分の準主役とも言える黒社会の組織員役には、(炎の大捜査線)や(天空伝説ハンサムシビリング)(詳しくはこちら)、
近年でも(コールドウォー香港警察墜ちた正義)等に出演しているチャン・クオチューが登場し、ガンマンのようにガンアクションをキメていきます。
で、オリジナル部分の組織を裏切る役柄で、ラウ・カーリョン監督の(マジッククンフー神打拳)や、ティ・ロン主演の(カンフーエンペラー)(詳しくはこちら)等の、
カンフー作品に多く出演しているシー・チョンティエンが登場し、物語を引っかき回していきます。
オリジナルの主人公が属する黒社社会組織のライバル組織のボス役で、ジャッキー・チェンの(少林寺木人拳)や(蛇鶴八拳)、(霊幻追鬼)等に出演しているミャオ・ティエンが登場し、
非道の限りを尽くして主人公達を追い詰めていきます。
で、新規撮影部分のお約束的なキャスティングで、(バカ拳)(詳しくはこちら)や(真説少林寺)(詳しくはこちら)等のスン・コクミンや、
(続・少林寺三十六房)、(少林寺英雄伝)等のカンフー作品で知られるチャン・タオが登場し、どちらも一瞬ではありますが、作品を盛り上げています。
そんなお馴染みのフィルマーク社系列スタッフ・キャストが今回忍者映画に仕立てあげた作品のオリジナルは、
台湾の黒社会映画(黑圈套DARK TRAP)という作品で、勿論忍者等は一切関係なく、黒社会組織内の権力争いとライバル組織との抗争が描かれています。
その黒社会ものを忍者映画に改変するために、物語は、まずはどこかの特別な部屋に集まった各国の影の実力者(多分)たちが、
『上海は最高だぜ!昨晩も楽しませてもらったぜ!』
の台詞一発で、薄暗い部屋に居ながらにして、作品の舞台(オリジナルの舞台)が上海であることをサラっと説明していきます。
で、談笑しながら、店を略奪された、というような会話を交わしているので、色んな資産を持ち、覇権争いをしている影の権力者であることが、サラっと示されます。
で、どうも、その場を取り仕切っているのが偽スタローンなパウロ・トーチャで、その集まりに送れてリチャード・ハリソンも入ってきます。
で、ハリソンは銀行を経営し、さらに黒社会組織も率いているようで、そこに集まった人々よりも、ちょっと上から物を言います。
そんな中で、賭けトランプが始まります。
ルールは良く分かりませんが、とりあえずリチャード・ハリソンが独り勝ちで、遅れてきたくせに、眠いので先に帰宅すると言い出します。
で、そんな自分勝手なリチャードにふて腐れた偽スタローンは、
偽スタ『次の勝負も勝てると思うなよ。』
と、ちょっとした憎まれ口をたたきますが、リチャードは、ほぼスルーして家に帰っていきます。
で、リチャード退席後、偽スタローンは、
偽スタ『許せねぇな!痛い目に合わせてやる!』
偽スタ『あいつの相棒のロナルドを始末させろっ!』
と、
まさかのリチャードとその相棒の抹殺命令をサラっと出します。
恐らく、それまでにもいろいろあった上での、抹殺命令という流れだとは思いますが、そこは全く描かれないので、
見ているだけでは、
トランプに負けた腹いせに、抹殺命令を出しているように見えます。
という事で、オリジナル部分に突入してきます。
パウロに命令を受けた(事になっている)ミャオ・ティエンは、部下に命じてリチャードの相棒(という事になっている)且つ、黒社会のボスであるロナルドを暗殺します。
で、その暗殺にはロナルドの部下でもあるシー・チョンティエンが次のボスの座を狙ってライバル組織のボスであるミャオ・ティエンと結託して暗殺し、
ボスの座を得ようとするものの、そこに颯爽とロナルドの娘であるリリー・ランが帰国し、組織のボスの座を継ぐことになります。
で、そのボス業務を腹心の部下であり、実は恋愛感情もあるドラゴンことチャン・クオチューに手伝ってもらい、組織を再建していきます。
で、その新しいボスを継いだリリーと、内部の裏切り者シー・チョンティエン、そしてライバル組織のボス、ミャオ・ティエンが激しい火花を散らしていく、
というのが、オリジナル部分のメイン展開となっていきます。
例によって、忍者アクションが割り込む隙なんて少しもありませんが、合間にチャン・クオチューにリチャードが、リリーを頼むと言っているシーンや、
お馴染みの電話で、パウロがミャオ・ティエンに電話しているシーンをでっち上げて、二つの世界を強引に繋いでいきます。
その合間に、パウロがリチャードに放った忍者暗殺者とリチャード忍者の対決を描き、結局キレたリチャードが、
今度は、逆にパウロの忍者軍団を一人づつ暗殺していく、という一対一の忍者対決シーンが、思い出したように挿入されていきます。
今回の対決シーンも、どこかで見た事のある派手な吹き矢が登場したり、
真剣勝負が始まると思ったら急に銃で撃ってみたり、
飛び出し警棒の、伸び縮みで倒してみたり、
という感じで面白対決が描かれますが、チャン・タオとスン・コクミンのオマケのような登場から分かるように、
アクションに関しては、いつもよりは少し大人し目で、それぞれの対決も短めで、クライマックスのリチャードとパウロの大ボス対決も、
割とあっさり目に決着がついてしまい、さっさといつもの赤い画面に白文字で、【THE END】となってしまうのが少し残念です。
恐らく、オリジナルのパートの取れ高が良かったのではないでしょうか。
だったら、そのまま黒社会物語を最初から最後まで流した方が早いような、、、。
という事で、忍者映画との融合度合いは低いですが、オリジナルの黒社会展開は、結構楽しめる内容となっていますので、
変わった映画好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1986年製作 香港製作 忍者ノワールアクション
監督・脚本 ゴッド・フリーホー 製作 ジョセフ・ライ
出演 リチャード・ハリソン、パウロ・トーチャ(ブルース・スタリオン)、メルヴィン・ピッチャー、リリー・ラン、チャン・クオチュー、シー・チョンティエン、ミャオ・ティエン、チャン・タオ、スン・コクミン
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