おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
何者かに奪われた謎の極秘フィルムを巡ってCIA、KGB、忍者、警察、等色々な組織がバトルを繰り広げるフィルマーク社製のニコイチ忍者アクション!!オリジナル部分にはアレックス・マンとケント・チェンが出てます!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、ニコイチ映画で有名なフィルマーク社による極秘フィルム争奪戦を描いた忍者作品です。
それでは、まずはあらすじから、
白忍者が、ある極秘フィルムを黒社会のボス、スマートに届けるように部下の黒忍者に指令を出す。
しかし、その道中で、組織員の裏切りによってフィルムは何者かに奪われてしまう。
そこで、フィルムを奪還するためにCIAは敏腕捜査官トミーを現地に派遣するが、そんなトミーに忍者軍団が襲い掛かるのだった!?
既に公開済みの作品の権利を買い取って、その映像に独自で撮影した忍者アクションシーンを勝手に加えて再編集し、
1本の別作品に仕立てあげる、という悪名高きニコイチ映画を量産していたフィルマーク社製作のニコイチ忍者作品です。
製作は例によって、(ギャンブルキョンシー霊幻襲撃)(詳しくはこちら)や、(クラッシュ・of・ザ・忍者)(詳しくはこちら)等のトーマス・タンで、
監督はティム・アシュビーという人物になっていますが、海外のどこのデータベースでもそういう名前の監督は確認できませんでしたので、
恐らくいつも存在するゴッド・フリーホーの変名か、一部の資料では(イーグルマスター決死拳)の師匠役等で、
独立製作会社製作のカンフーアクション作品等に多く出演しているトミー・チェン(チェン・ケイイン)監督作品となっている表記もありますので、どちらかの変名ではないかと思われます。
というより、フィルマーク社作品、どの部分を担当したスタッフを監督と呼ぶのか?も良く分かりませんんで、下手したら新規撮影パートを撮影した人物も、
その映像が本作に使用されている事も把握していない、という事もあり得るのではないでしょうか。
ただ、作品ごとのクオリティは、ほとんど一定していますので、たまたま内容が理解できるように編集できたか、できていないのに強引に押し切ったか、どちらかですので、
正直、誰が監督していても、誰が新規撮影パートに出演していようと面白さにはほとんど関係ない、というのがフィルマーク社作品の特徴となっています。
新規撮影パートの宿敵白忍者を演じているのは、ジャッキー・チェン主演の(サンダーアーム龍兄虎弟)や(プロジェクトイーグル)、チョウ・ユンファ主演の(男たちの挽歌2)、
ムーン・リー主演の(キラーエンジェル)(詳しくはこちら)等、香港映画の欧米人枠で活躍していたウェイン・アーチャーで、
大して台詞は多くはありませんが、少ない出番でも演技派ではない、という事だけははっきりと分かります。
で、新規撮影パートの主人公であるCIAエージェントで忍者にもなる役のケリー・スティーヴというキャストですが、こちらもいくら調べてもフィルモグラフィーが発見できませんでしたので、
恐らく本作での演技を見ていると、俳優としての目立った活動はしていなかったのではないかと思われます。
感情を込めて演技を披露している、というより、その場で監督が言った言葉通りに身体を動かしているだけ、という感じです。
ただ、もしかするとフィルマーク社のどれかの作品には、別名やクレジット無しでの出演はしているかもしれません。
で、本作のキャスティングで一番ややこしいのは、新規撮影パートとオリジナルパートの両方の境界線を無くすために、
両方の作品にキャスティングされ、同一人物を演じている人物が二人存在している事で、しかも、微妙に見かけが違うので、余計にややこしくなっています。
一人は、新規撮影パートの主人公、CIAのトミーの親友であり、オリジナル部分で刑事役を演じている(嵐を呼ぶドラゴン)や(武道大連合 復讐のドラゴン)(詳しくはこちら)、(奇蹟ミラクル)等古くから香港映画で脇役として活躍するアラン・チャンで、
ご丁寧に同じデザインの衣装を身にまとって両方のパートに登場し、強引に境界線を無くしていきます。
もう一人は、流れ的には主役級に登場シーンが多く、組織や警察に追われる、という常に誰かに追われている役柄で、
こちらも(醉殺拳スーパーフィスト)や、(必殺のダブルドラゴン)(詳しくはこちら)等の様々な香港映画で、脇役として活躍しているチャン・ラウが、
こちらも同じデザインのボーダーのシャツ等着用して登場しますが、ヘアスタイルがオリジナルのパーマに対して、新規撮影部分は横わけのストレート、
という詰めの甘いフィルマーククオリティで、別作品の異世界を往ったり来たりします。
それにしても、この二人は、どういう気持ちで、ニコイチ映画の二個目の作品に出演したのでしょうか、、、。
別作品ではあるので、別人役なのに、違和感が無いように同じ人物のように演じるという、、、。
で、オリジナル部分の一応主演を演じているのは、こちらは非常に豪華で、超絶アクション(群狼大戦)(詳しくはこちら)や、ジョイ・ウォン主演の(ミッシングマン)(詳しくはこちら)等、
幅広い演技が定評のアレックス・マンで、まだまだ若い時代の本作では、モジャモジャ系の時代を感じさせるヘアスタイルで、組織の一員として刺客と戦う青年を演じています。
で、その事件を捜査している刑事役で、(吸血奇伝)(詳しくはこちら)や、(ハートビート100)(詳しくはこちら)等のケント・チェンが出演し、
いつものように、ちょっとお笑い風味をまぜながら刑事役を演じています。
オリジナル部分のヒロイン役は、チョウ・ユンファがブレイクするきっかけとなったテレビシリーズ(上海灘)や、
ホイ3兄弟の(ミスター・ブー)(詳しくはこちら)等に出演しているアンジー・チウで、ニコイチあるあるですが、後半おもむろに登場して、
犯罪組織に潜入し、しかもやっつけてしまう、という主人公のような活躍を見せます。
そんな、オリジナルの方のキャストが豪華なために一瞬豪華キャスティング作品にも思える本作の物語は、
例によって、悪の忍者軍団の集会が、天気の良い日の見晴らしの良い公園で開かれているシーンから始まります。
で、白忍者(名前はイリヤドルフ)であるボスが、
ルー・ウォンという黒社会の構成員に、別の構成員であるゴードンという人物に機密フィルムをスマートというボスまで届けるように命じろ、と黒忍者に命令します
白忍者→黒忍者→ルー・ウォン→ゴードン→スマート(ボス)、、、
開始早々にいきなり始まる伝言・配達ゲームに、どう考えても、白が直接フィルムをボスであるスマートに渡すのが一番スマートですが、
そうすると始まって2分程で物語が終わってしまうので、とりあえず、周りくどく伝言・配達ゲームを進めていきます。
実際に工作員として現場で動く黒忍者は、それほど物語に絡むのではなく、伝言ゲームトップバッターのチャン・ラウ(横わけVer.)に、
スッと近づいて、壁際の人通りに邪魔にならない場所まで引き寄せ、耳元で『ゴードンを使え』と囁いた後には、スッと姿を消し、あとは、関係者がフィルムを巡って奪い合いを繰り広げている間、
そのシーンごとに数名の忍者が草葉の陰からジッと様子を伺う、というシーンを繰り返し挿入する事で、二つの世界を融合、、、、、、している感じでやっていきます。
で、ルー・ウォンから始まった配達・伝言ゲーム、非常に回りくどく、その分リスクや危険も伴いますが、
案の定、2人目のアレックス・マン演じるゴードンの順番で、格闘の末にはっきりと荷物を盗まれてしまいます。
で、ゴードンはボスのスマートに届けるはずの機密フィルムを無くしてしまったので、今度はゴードンがフィルムを奪った濡れ衣を着せられて追われる身となってしまいます。
ただ、その機密フィルムは実は、トップバッターのルー・ウォンが同じく構成員のオーガと結託して組織を裏切ってパクッていた、
という事実が結構早めに分かってしまっていますので、裏切り者の犯人探しなどのサスペンスも一切なく、
しかも、ルー・ウォン自身も機密フィルムを盗んだ疑いを早い段階からかけられて、追われる身となっていますので、
常に二人の人物が組織から追われているシーンが登場する、という例によってややこしい展開となっています。
その黒社会組織内での機密フィルムを中心とした内部抗争に、割り込む様にニューヨークの(NYシーンはまさかの風景写真かポスターをそのままカメラで撮影する、という凄まじさ)CIAが登場し、
機密フィルムを奪還するために腕利きの棒読みエージョント、トミーを派遣する事になります。
で、早速香港にやってきたトミーは親友であるアラン・チャン演じる刑事ボブと再会し、機密フィルム争いに関する情報を得て、
捜査、、、、をするわけでもなく、黄色上下のラフなトレーニングスタイルで、天気の良い公園をランニングし、鉄棒でぐるぐる周り、腕立て伏せをし、背面を鍛えている、、、、、、
所に忍者軍団の奇襲を受けたので、応戦するものの、流石に忍者が7人ぐらいいるので、圧倒されていたら、
たまたま通りがかったアラン・チャン刑事が銃を空中に向けて一発撃つと、速攻で逃げていく、という出来事に遭遇します。
まだトミーは何もせずに、口笛を吹きながら公園で遊んでいただけなのに、、。
で、このままだとやられてしまうので、アラン・チャンが、忍者に対抗するために忍者の弟子になって自身も忍者になる、という目には目を戦法を提案します。
で、
緑豊かで、噴水の綺麗な公園で、着物を着て、目の前にゴツイ刀を二本置いて、その横に【忍】と書かれた攻略本を置いて休憩しているマリオのような風貌の忍者師匠の下を訪ね、
弟子入りを志願するも、嫌だったようなので、速攻で断られてしまいます。
しかし、数秒の沈黙が流れた後に、気まずかったのか、沈黙を破るために
忍術の攻略本を貸してくれます。あげるのではなく、貸す、、、。
で、返さないといけないので、頑張って忍術を自主トレしたトミーは、、、、
勿論速攻で一流の忍者となって、忍者軍団に挑みます。
さらに、この忍者軍団はKGBに雇われているという事が後付けでさらっと説明されますので、まさかのCIA対KGBというワールドワイドな戦いを、、、
忍者対決に凝縮して置き換えて、どこかの貨物置場のような場所で、最終決戦に突入していきます。
オリジナルの物語の方はと言うと、結局ルー・ウォンとオーガはあっさりケント・チェン、アラン・チャンのバディ刑事に逮捕され、
もう一人の主人公であるアレックス・マンは、なんとなくフェイドアウトし、代わりに彼女役だったアンジー・チウが、
ボスの組織に潜入して、ボスの部下を死に追いやる、という余計なクライマックスを付け加えて、いよいよフィルマーク作品お約束の、忍者対決へと突入していきます。
で、フィルマーク作品、意外とラストの忍者バトルは、動けるスタントマンのキレのあるアクションが楽しめる場合もあるのですが、
本作のアクションに関しては、非常に緩めで、格闘そのものよりも、忍術で消えた相手忍者を、ゆっくりと歩きながら、キョロキョロ見渡してみたり、
相手もキョロキョロ見渡してみたり、近づいて交戦してもすぐまた姿を消してしまったり、という感じの間延びしたアクションで、
たまに交戦しても、キンキンと剣道のメンのように単調に攻撃してみたり、ガニ股ポーズで、キンキンとやってみたり、
という感じで、超絶とは程遠い戦いとなっています。
で、結局決着は、白が来るっとジャンプした所を、赤が下からサクッと切ってしまう、というあっさりした決着で、なんとなく決着がついてしまいます。
で、いよいよ、白忍者が、再度奪還していた機密フィルムを赤忍者が、こと切れた白忍者の懐から取り返すシーンで終幕を迎えます、、、
、、、、、、、、
内容は明らかにはなりませんが、、、
機密の、、、、
、、、、、、、、
、、、、、、、、
16ミリフィルムっ!!
という事で、かなりややこしい内容になっていますが、メモを取りながら鑑賞すれば、なんとなく内容がわからなくもない、作品となっていますので、
ニコイチ映画制覇中の方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1985年製作 香港製作 ニンジャアクション
監督 ティム・アシュビー 製作 トーマス・タン
出演 ケリー・スティーヴ、ウェイン・アーチャー、アラン・ヘミングス、リック・ウィルソン、アレックス・マン、ケント・チェン、アラン・チャン、アンジー・チウ、チャン・ラウ
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