おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
邪悪な魔女を倒すため、仙女ジョイ・ウォンが1000年の時を越えて現代の香港にやって来る、グロリア・イップとジャッキー・チュン共演の、ほぼ現代を舞台にしたラブドラマメインの武侠ファンタジー！！
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、ジョイ・ウォンとグロリア・イップ、ジャッキー・チュンが共演したファンタジー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
千年前の中国、人間界を支配しようとする魔女は高名な道士の妨害に合い、苦戦していた。
そんな時、道士の弟子の仙女ヨンによって、魔女の力を封印する地獄魔玉が奪われてしまう。
ヨンは、魔女の力を封印するためのもう一つの魔玉、太陽神玉を手に入れるため、1000年の時を越えて現代の香港に降り立つのだった！？
（チャイニーズゴーストストーリー）でブレイク後のジョイ・ウォンが、香港四天王の一人、ジャッキー・チュンと、
（孔雀王アシュラ伝説）で人気上昇中だったグロリア・イップと共演したファンタジー作品です。
ジャッキー・チュンは説明不要の今も昔も大スターで、ジョイ・ウォンとは（チャイニーズゴーストストーリー2）や、
（チャイニーズレジェンド）等でも共演していて本作でも息の合ったところを見せてくれています。
今回は現代パートでの共演ですので、生粋の武侠作品のような剣士役ではありませんが、現代香港に活きる警察官としてカッコ良くキマッています。
注目は何と言ってもグロリア・イップの出演で、（孔雀王アシュラ伝説）以降、日本でもアイドルとして人気急上昇中でしたので、
そのグロリア・イップとジョイ・ウォンが共演しているファンタジー作品という事で、ゆうばり国際冒険ファンタスティック映画祭で上映後に
いよいよビデオ化という事で、期待に胸を膨らませていた事を記憶しています。
ビデオのジャケットもジョイ・ウォンとグロリア・イップが時代ものの衣装を着て、剣を手に持って稲光が煌めいている、
というファンタスティック感を煽るデザインが（チャイニーズゴーストストーリー）と（孔雀王）を融合させたようなイメージで、
どんな冒険武侠活劇がみれるのかと思っていたら、、、
まさかの時代もの設定は前半と後半の少しだけで合計10分程度、グロリア・イップもそのシーンにしか登場しないので、
結果的に数分しか画面に映らない、という予想を覆すような内容でした。
似たような設定は（ジョイ・ウォンの時空伝説）（詳しくはこちら）でも、ありましたが、そちらは中盤まではじっくりと武侠アクションとして物語が進み、
その後意表をついて現代にタイムススリップ、あとは現代でカルチャーギャップコメデイ等を展開しつつ、また過去に戻っていく、という物語でした。
そちらは、どちらかというとラム・チェンインが主演で、ジョイ・ウォンは一緒にタイムスリップするわけではなく、
現代にも登場するけれども、生まれ変わりとして登場する、という武侠と現代でジョイ・ウォンの別な見所を二つも見れる、というのが売りとなっていました。
そこで、本作ですが、本作は、中盤まで武侠をしっかり、などのバランス感覚は無く、前半と後半以外のほとんどが現代が舞台という事で、
基本的にはほぼ現代劇な物語となっています。
さらに、本作のジョイ・ウォンの人物設定は1000年前に生きていた仙女、という事で、人間とは違うレベルにいるためか、
カルチャーギャップの要素は完全に排除してしまって、たまたま出会った現代の香港警察警部であるジャッキー・チュンとの恋と妖魔を倒すという使命に揺れる仙女、
という部分にのみドラマの見せ場を絞った作品となっています。
要するに、時空を越えてやって来た仙女ジョイ・ウォンと現代の警察官ジャッキー・チュンの恋路を描く事をメインにした作品となっています。
それだけで、ドラマが成り立つのか？という感じですが、その隙間を埋めるようにジャッキー・チュンの警察の部下たちが、
中学生のりのギャグをかましまくる、という香港映画にありがちだった展開で、隙間を埋めていきます。
この警察チームコメディパートが意外に長く、やっている事が本当に中学生というか小学生の高学年ぐらいのやり取りの連続ですので、
余計に時間が長く感じてしまいます。
警察官設定なので、事件が起こればそれなりに見せ場になりそうですが、これが一切事件を捜査しませんので、
ただ、ひたすら小学生の休み時間のようなやり取りを見続ける事になります。
で、合間にジョイ・ウォンとジャッキー・チュンの恋路パートが入る事になります。
非常に間延びする展開ですが、部下の一人である（幽霊刑事）（詳しくはこちら）等のアンディ・ホイが、
上司であるジャッキー・チュンが悪い霊にとりつかれているのではないか？と心配して、道士である師匠に助けを求める展開になっていきます。
この道士役を演じているのが、まさかの（マッドモンキー猿拳）や（レディクンフー激闘拳）等のショウブラザース社作品で大活躍していたシャオ・ホウで、
その華麗な技のほんの少しだけを披露して、印象を残していきます。
ちょっとズッコケ気味のキャラクターですので、さらに中学生のクラスメイトが一人、増えたという感じでしょうか。
そんなこんなで、和気あいあいとやっている所に妖魔が登場、妖魔を倒す印を持っているジャッキー・チュンを亡き者にしようと戦いを挑んできます。
で、偶然クラス全員出席していましたので、ジャッキーを守れ！という事になりますが、妖魔の力は強く、
ここで、まさかのクラスメート全員が惨殺（腕をもがれたり、胸に鋭利な物を突きさされたりとグロめ）され、全滅、
さらにジャッキーも、、、
という、それまでの小学校、中学校の休み時間のような光景が一挙にバトルロワイヤル後の教室のような地獄絵図へと変化する、
という何故そうしようと思ったのか、全く理解できないようなクライマックスへと突入していきます。
あの楽しい（退屈な）日々はなんだったのでしょうか、、、。
で、なんだかんだと犠牲を残したまま、また1000年前にタイムスリップし、復活したグロリア・イップと共に妖魔をやっつける、
という展開になっていくのですが、その後の落ちも含めて、消化不良しか残らない結末となっています。
恐らく、ジョイ・ウォンとジャッキー・チュンの恋愛ドラマ、ぐらいしか企画が決まっていなくて、後から色々な要素を付け足していった、とかではないでしょうか。
勝手は邪推ですが、、、。
物語の内容、グロリア・イップの活躍（の少なさ）、アクション、どれもが期待通りとはいきませんでしたが、シャオ・ホウの登場や、
前半ほんの少しだけ登場するショウブラザースで活躍していたクー・フェンの師匠役が観れたのは、個人的には少し嬉しかったポイントでした。
あと、ついでにこの時期同じような役柄で人気だった、（妖魔大戦争シークレットマジック）（詳しくはこちら）ウォン・ヤッサンも一応ゲストで登場します。
という事で、ジャケットから抱くイメージと実際の内容の相違が激しい作品ですが、当時のジョイ・ウォンの人気ぶりは垣間見える作品となっていますので、
香港映画好きの方や、ジョイウォンファンの方などご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
因みにグロリア・イップは22歳で結婚し早々と引退してしまいましたが、近年バラエティなどで復活し、また元気に活躍しているようです。
作品情報
1990年製作 香港製作 武侠ファンタジー
監督 エルヴィン・チェン
出演 ジョイ・ウォン、ジャッキー・チュン、グロリア・イップ、シャオ・ホウ、アンディ・ホイ、クー・フェン、ウォン・ヤッサン
↓ランキングに参加しています。宜しければ下記をクリックお願い致します。↓