おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
ニンジャ映画にオカルト要素を融合させ、ニンジャゴーストに憑依されたクノイチと全米ブレイク後のショー・コスギが激突する人気シリーズ第三弾!!
作品紹介
1987年3月14日公開
旧VHS題 ニンジャ/転生ノ章
今回ご紹介する作品は、ショー・コスギ出演のニンジャシリーズの第三弾で、日本ではVHSが先に発売され、その後映画館で劇場公開された作品です。
それでは、まずはあらすじから、
電話回線の技師で、エアロビクスのインストラクター、クリスティは、ある日、警察に追われ負傷し、絶命寸前の忍者と出会い、謎の日本刀を受け取ってしまう。
しかし、その日本刀には絶命したその忍者の悪霊が取り憑き、次第にクリスティの精神は操られ、忍者を死に追いやった警察官たちへの復讐を開始する。
そこへ、悪霊忍者に恨みを持つ善の忍者ヤマダが現れ、クリスティの凶行を制止するのだった!?
当時全米ブレイク中のショー・コスギが出演したニンジャシリーズの第三弾です。
製作は、メナハム・ゴーラン、ヨーラン・グローバスコンビ率いるキャノングループで、本作を含む忍者シリーズ(燃えよニンジャ)や、(ニンジャII修羅の章)、
チャールズ・ブロンソン主演の(狼よさらば)シリーズの続編(スーパーマグナム)や(バトルガンM16)、
(スペースバンパイア)等の面白B級作品を多数製作しています。
監督は、(サイボーグコップ)シリーズや(アメリカン忍者)シリーズ等、B級アクション専門監督とも言えるサム・ファーステンバーグで、
本作でも、忍者とオカルトの融合というトンデモな世界観をしっかりと娯楽映画としてまとめ上げています。
主演は、勿論我らが日本が誇るハリウッドスター、ショー・コスギで、(燃えよニンジャ)の出演から既に人気に火が付き、
シリーズ三作目となる本作ではゲスト的な出演にも関わらず、クレジット表記がトップ、という当時の人気ぶりを伺える登場の仕方となっています。
本作以降は(デス・オブ・ザ・ニンジャ)やジャン・クロード・ヴァンダム共演の(ブラックイーグル)(詳しくはこちら)、
そして日本とアメリカ合作の大作(兜)と大活躍していく事になります。
で、本作の物語上の主役となる電気技師兼エアロビクスインストラクターを演じているのは、本作と同じヨーラン・グローバスとメナハム・ゴーラン製作の(ブレイクダンス)と
(ブレイクダンス2)で主演しているルシンダ・ディッキーで、その身体能力の高さを活かしたアクションもしっかりと披露しています。
で、ヒロインと恋仲になっていき、事件に巻き込まれていく警察官役で、テレビドラマシリーズ(我が家は11人)等の、ジョーダン・ベネットが出演し、
特に活躍はしませんが、恋人のオカルトぶりに恐れ慄いていきます。
で、出番は少な目ですが、途中のオカルト展開のお祓い師役で、(エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス)(詳しくはこちら)や、
(ジッターズ)(詳しくはこちら)等で、まだまだ大活躍中のジェームズ・ホンが登場し、ユニークなシーンを盛り上げていきます。
そんなスタッフ・キャストが集結した本作の物語は、割といきなり本題に入って行く導入で、ある正体不明の忍者が、
ゴルフプレイ中のある要人を暗殺し、さらにその部下たちも殺害し、逮捕のために追ってきた警察隊もかなり返り討ちにしながらも、
多勢に無勢で、ついに瀕死の重症を負って、それでもなんとか逃げ延び、悶絶しているところに偶然通りかかった電話回線の整備士であり、
エアロビクスのインストラクターという異色の掛け持ち職業のルシンダ・ディッキー演じるクリスティに、
その忍者が所持していた呪われた日本刀を差し出し、なんとなく受け取ってしまうと、少しづつルシンダの様子がおかしくなっていく、という感じで、本題へと突入していきます。
で、一応、大殺戮事件を起こした犯人である忍者が最後に接触した事件の目撃者という事で、ルシンダが、警察に事情聴取されますが、
そこにモブキャラのように存在していた警察官の一人役のジョーダン・ベネットがナンパ攻勢をかけ、なんとなくルシンダと恋仲になっていき、
段々とおかしくなっていくルシンダの姿に戸惑っていく、という展開になっていきます。
物語の本題としては、この忍者の怨念に憑依され、支配されていくルシンダの(悪の忍者)を死へと追い込んだ警察官たちへの復讐劇と、
段々様子がおかしくなる恋人に驚きながらも、祈祷師等の元で悪霊払い等でなんとかルシンダを元に戻そうとするモブカレ、ジョーダン・ベネットの苦悩を軸に、
そこに、その諸悪の根源である悪の忍者に父を殺された正義の忍者、ショー・コスギの復讐物語が重なる形で、中盤以降大激突展開へと突入していきます。
ただ、この二つの物語、ルシンダの中の怨霊忍者が覚醒して、警察に戦いを挑んでいる最中に、バトルの合間にひょっこり現れたたショー・コスギといきなり合流する、
というショー・コスギ目線側の描写はほとんど描かれませんので、別々の物語が一つに繋がる時のカタルシスはほとんど感じられない、
突然クライマックスに突入していくような展開となっていきます。
色々とツッコミどころは満載ではありますが、冒頭のいきなりアクション全開シーンから、怨念忍者に取り憑かれたエアロビクノイチと、眼帯忍者との格闘アクション、
という物語展開だけでも、実に娯楽要素に溢れた80年代のB級アクションの王道作品となっています。
残念なのは、ルシンダ・ディッキーのアクションも結構ありますが、クライマックスの見せ場に関しては、
割と早めに憑依が解けてしまって、悪霊忍者が、自身の肉体(絶命してからかなり経過しているので、早い話がゾンビ忍者です)に憑依し、
元の姿でクライマックスバトルを戦い抜く、という一番の見せ場を他人に持っていかれてしまうのが、
ルシンダ・ディッキーも身軽なアクションをこなしているだけに少々残念な展開となっています。
ただ、それによって武術アクションができる者同士のガチンコラストバトルは実現していますので、それはそれで盛り上がるラストバトルとなっています。
最終的に、主人公のルシンダは観ているだけの観客になってしまい、中盤までほとんど登場しないショー・コスギと、
冒頭で絶命して悪霊になった忍者の一騎打ち、という冷静に見ると少々ブレた展開ではありますが、登場時間が短い割にはショー・コスギアクションもしっかりと堪能でき、
さらに当時のキャノングループの一押しアイドルだったルシンダ・ディッキーのセクシーな魅力も一杯に詰め込み、
さらに、オカルト要素まで詰め込んでしまう、という良い意味での80年代作品のごった煮感を堪能できる作品となっていますので、
B級アクション好きの方や、80年代作品好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1984年製作 アメリカ製作 アクション
監督 サム・ファーステンバーグ 製作 メナハム・ゴーラン、ヨーラン・グローバス
出演 ルシンダ・ディッキー、ショー・コスギ、ジョーダン・ベネット、ジェームズ・ホン
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