【レア作カンフー映画】燃えよデブゴン(肥龍過江 ENTAR THE FAT DRAGON)96分

投稿者: | 2020年9月5日

カンフー映画としてのお薦め度 ★★★★★★☆☆☆☆

燃えよデブゴンの正真正銘オリジナル作品は、燃えよドラゴンのパロディ満載の現代アクションコメディ!!

作品紹介

1981年10月31日公開

今回ご紹介するのは、サモ・ハンキンポー主演(燃えよデブゴン)シリーズ第一弾、というより正真正銘、唯一無二のオリジナル作品です。

それでは、まずはあらすじから、

香港の田舎町で暮らすウォン・ロン(サモ・ハンキンポー)は人生経験のため、都会でレストランを経営する叔父のところへ出稼ぎにきていた。

そんなある日、店に来る悪質なチンピラの暴挙に怒りが爆発、敬愛するブルース・リーの教え通りに得意のカンフーで悪党を撃退する。

しかし、この争いがきっかけで、チンピラ軍団との戦いが勃発する。

争いはやがて、エスカレートしていき、事態は思わぬ方向へと向かっていくのだった、、。

完全にブルース・リー入っています。

燃えよデブゴン)とタイトルのついた作品は多数ありますが、実際は日本でテレビ放映時にかってにつけたタイトルで、実際は全て内容的には無関係のシリーズです。

例えていえばセガールの(沈黙)シリーズみたいな感じでしょうか。(沈黙の戦艦と暴走特急はちゃんとしたシリーズですが)

ですので、どの作品から観ても全く問題ありません。

ちゃんとした(燃えよドラゴン)のパロディ作は本作のみです。

(ちゃんとしたパロディというのもなんか変ですが、、)

厳密にいうと、パロディというより、ブルース・リーを敬愛し、師と仰ぐ腕っぷしの強い、田舎育ちの青年が主人公のカルチャーギャップアクションコメディ作品、といった感じでしょうか。

ですので、他の偽ブルース・リー作品や、ブルース・リー自体を笑いの種にしているのではなく、

あくまでブルース・リーになり切っている青年の活躍を、笑いを混ぜながらカッコいいブルース・リー風のアクションも見せていく、という内容になっています。

完全にブルース・リー入っているサモ・ハン

本作の作品世界は、他のほとんどのシリーズ作(一応便宜上シリーズ作と考えて)中、(燃えよデブゴン4ピックポケット!!)と本作の2作のみが現代劇となっています。

燃えよドラゴン)自体が現代劇なので、当然といえば当然なのですが、後のほとんどが時代劇カンフー作品ばかりなのでイメージ的になんとなく(燃えよデブゴン)=時代劇カンフー作品という感じになっています。

これは多分他のシリーズ作品のほとんどが、DVDリリースされていて、何度となく目に触れる事が多かったため、結果的に時代劇のイメージがついたと思われます。

それに比べて、オリジナルであるはずの本作は権利関係が難しいのか、何故か未だにVHSリリースのみです。

そのせいでVHS自体が非常にレアとなっており、数万円で取引されていたりします。

どこかのメーカーさんがなんとかリリースしてくれたら、結構売れる作品だと思うのですが、、。

そんなレアな本作ですが、内容としては、現代劇で、ブルースリー作品(特にドラゴン危機一髪あたり)にオマージュを捧げたような内容になっています。

偽ブルース・リー映画のエキストラに参加して我慢できなくて暴れるサモ・ハン

田舎から出てきた主人公が都会でカルチャーギャップの笑いを振りまきながら、

得意のカンフーで困っている身内を助け、悪党をやっつける、

というのが簡単な物語の流れとなっています。

そこに結構笑えるギャグ(例えるならマイケル・ホイのMR.BOOシリーズの笑いに近いと思います)を随所に入れながら、

ラスト前のこの自転車アクションシーンが笑えます。

要所でカンフーアクションを挟んでいき、後半で強敵が出現してラストバトル、という展開です。

アクション自体は、まさかの黒塗りメイクで黒人として強引に登場するリー・ホイサンとのバトル

メイクした香港人にしか見えません、、。
いつものカンフー技ではなく喧嘩アクションに近いバトル

サモ・ハン作品でお馴染みリョン・カーヤンとの型を決める従来の時代劇カンフースタイルのバトル

リョン・カーヤンはカンフー対決!
本作一番の大勝負です

外国人ボクサーとのボクシングスタイルでの現代風アクション、(ここのアクションはドラゴンへの道でのチャック・ノリスとのアクションを彷彿とさせます)

後のスパルタンXのジャッキーVSベニー・ユキーデ戦も彷彿とさせます

序盤と中盤にでてくる、お馴染みサモハンアクションチームメンバーによる対複数アクションなど、

序盤と中盤のサモ・ハンチームによる対複数戦。後のスターを探せ!
ユン・ピョウ発見!
チョン・ファ発見!
マーズも発見!あと、マン・ホイなども確認できます。

アクション面でも魅力は満載となっています。

何より、若々しくで愛嬌のあるサモハンのキャラクターが【デブゴン】という愛称にぴったりとはまっていて、見ていて非常に楽しい気分になります。

本作こそまさに、燃えよデブゴン!

その後に続くサモ・ハンカンフー映画の傑作群と比べれば、まだカンフーアクション自体が発展途上中といった感じで、

物足りない部分が少しあるかもしれませんが、本作のヒットがなければ、その後の傑作群もなかったかもしれませんので、

やはり本作はサモハン作品中でも非常に重要な作品であると思われます。

近年、ドニー・イェン主演でリメイク版が製作され、おそらく日本でも公開されると思いますので、そのタイミングでなんとかソフト化してもらえたら良いのですが、、。

こちらはドニー・イェンリメイク版

というわけで、レア作品なので鑑賞するのにハードル高いですが、輸入盤のDVDなどでは、それなりに手に入ったりもしますので、機会があればご鑑賞ください。

バイト中に酒に酔って暴れまくるサモ・ハン

作品情報

1978年製作 香港製作 カンフーアクション

監督・武術指導 サモ・ハンキンポー

出演 サモ・ハンキンポー、リョン・カーヤン、リー・ホイサン、ロイ・チャオ、フォン・ハックオン、マン・ホイ、ユン・ピョウ、マーズ、リク・チュセク

例によって悪役と言えばこの人フォン・ハックオンも出てます。

その他の燃えよデブゴンシリーズ

かつての英雄の復活劇(燃えよデブゴン正義への招待拳)はこちら

奇妙なカンフー対決が見もの(燃えよデブゴンカエル拳対カニ拳)はこちら

ドラマとカンフーの見事な融合(斗え!デブゴン/燃えよデブゴン地獄の危機一髪)はこちら

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珍しい実在の人物を描いた武侠アクション(デブゴンの太閤記/燃えよデブゴン出世拳)はこちら

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