おすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
スティーヴン・セガールがアクション監督に香港からシャン・シンシンを招き、ジョン・ウーっぽいガンアクション満載で描く囚人潜入捜査官アクション!!
作品紹介
2003年5月10日公開
今回ご紹介する作品は、スティーヴン・セガールが囚人役を演じたアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ハイテク装備を搭載し、現代に蘇ったアルカトラズ刑務所に二人の男が収監されてきた。
一人は高級車泥棒のサーシャで、もう一人は相棒のニックだった。
そこへ、さらに金塊強盗犯で死刑囚のレスターが収監されてくるが、強奪した金塊の隠し場所は明らかになっていなかった。
そんなレスターの死刑当日、金塊の隠し場所を聞き出すために、ワンと名乗る男を中心とした武装集団が刑務所に侵入してくる。
そこで、サーシャとニックは刑務所の仲間と共に武器を取って迎え撃つのだった!?
スティーヴン・セガールがアクション監督に香港映画界よりシャン・シンシンを招いて製作したアクション作品です。
シャン・シンシン(ホン・ヤンヤン)は(黄河大侠)や(阿羅漢)等の武術映画に出演後、
(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ天地争覇)の鬼脚七役でブレイク、
その後、(金玉満堂)や(刀/ブレード)(詳しくはこちら)等のツイ・ハーク作品等で活躍し、その勢いで、
1997年製作、ツイ・ハーク監督のジャンクロード・ヴァンダム主演のハリウッド作品(ダブルチーム)や、同じく2001年製作のハリウッド製作三銃士映画(ヤングブラッド)へのアクション監督参加、
そして2002年製作の本作という感じで、ジョン・ウーやリンゴ・ラム、ツイ・ハーク、ユエン・ウーピン、ユエン・チュンヤンといった香港アクションの熟練監督の需要が急激に上がった時期に製作された作品となっています。
因みに、ジョン・ウー監督の(フェイスオフ)が1997年製作、(ミッションインポッシブル2)が2000年製作で、
かなり香港アクションがハリウッドの大きな波になっていた時期に製作された作品ですので、本作でのシャン・シンシン起用は、下手したら監督よりも重要な要素と言えそうです。
因みに監督のドン・マイケルポールは俳優出身で、監督転向後に本作を監督した後は、(トレマーズ)シリーズ5~7、(スコーピオンキング5)、(ジャーヘッド2)、(キンダーガートンコップ2)、
(山猫は眠らない5)、(レイクプラシッド4)という有名作品のビデオオリジナルシリーズ化後の何本目かの専門監督となったようで、
本作は、そんな監督が、自分の居場所がはっきりと分かる前の監督作品となっています。
監督の持ち味よりも、アクション監督の持ち味の方が濃く出たような作品で、そこに主演がセガールという事で、怪しい感じがしますが、
これが意外に上手く良い部分だけが出たような奇跡の化学反応で、既にもっさりした体型になってしまっているセガールが、
見た事もないような軽妙なイメージで、痛快なアクションを披露する作品となっています。
勿論スタントは多投していますが、意外にセガール自身も、それなりには動いていますので、全盛期程ではないにしても、
セガールアクションはしっかりと、堪能できるようになっています。
ただ、やっぱり勢い、というか、アクション監督に気を遣い過ぎたのか、ストーリー自体は結構な行き当たりバッタリ感で、
冒頭マフィア組織に潜入捜査をして相棒のジャ・ルールと(友は風の彼方に)系の潜入捜査官とマフィアの友情を演じていたかと思うと、
そのまま逮捕されて投獄され、獄中で潜入捜査の続きを行うのかと思いきや、囚人の一人が、金塊を強奪して逮捕され、
それだけの理由で何故か死刑が確定し、それでも、まだ金塊の隠し場所を白状しないので、
死刑執行直前に、外部からの武装集団が刑務所を襲撃して、その囚人を奪還しに襲ってくる、
という、
前半のドラマとは全く無関係のドラマで盛り上がっていきます。
全くの無関係です。
セガールの潜入捜査とこの囚人の金塊事件は全く無関係なので、セガールとは関係ありません。
でも、セガールですので、初めからそのテロ行為を防ぐために潜入していたかのように刑務所の囚人を率いて武装集団と戦いを繰り広げていきます。
で、戦いの最中、潜入相手だったジャ・ルールに詰め寄られて、セガールはあっさりと自身の身分を白状してしまいます。
そっちがメインなのに、、、。
で、無関係の戦いは、何故か刑務所内に存在する武器庫から物凄い銃火器を手にした囚人と武装集団との間で盛り上がり、
アクション自体はシャン・シンシンの横っ飛び二丁拳銃アクションで、非常にヒロイックに繰り広げられ、刑務所内が戦場のようになっていきます。
ただ、そういう注文が出ていたのか、シャン・シンシンの人の好さが出たのか、ジョン・ウースタイルのアクションではあっても、
ジョン・ウーが銃弾と血糊と銃の煙が舞い散るバイオレンスな滅びの美学であるのに対して、シャン・シンシンアクションは、要所を除いて
どれだけマシンガンを近距離で乱射しても、何故か絶対に敵には当たらない
という、安全第一なガンアクションとなっています。
撃っているだけです。
なんとなく微妙に人数が減っているようにも見えますが、もともと物凄く囚人数が少ないので、減っているのか減っていないのかどうかよくわかりません。
で、クライマックスの、もう誰かが撃たれないと話が進まない、という段階まできて、やっと一人がばたりと倒れる、
という感じの、子供が鑑賞しても安心なファミリー向けのアクションとなっています。
ただ、やっぱりアクション自体はカッコ良く表現されていますので、弾は当たらなくても全体的にはヒロイックなガンアクションとなっています。
残念なのは、武装集団の一人にへそ出しルックのレディ・ドラゴン、ニア・ピープルズが交じっていて、
見かけだけのキャスティングかと思えば、実際に結構回し蹴り等をビシッと決める格闘アクションを披露してしますので、
もう少しアクション面での活躍が見たいところでした。
てっきりセガールとの激突がクライマックスかと思いきや、直接対決はジャ・ルールとの激突のみでセガールとの格闘が無いのが残念でした。
セガールが女子と戦うというのは、無いですね、、。
ニア・ピープルズ、(ザ・デプス)(詳しくはこちら)の前半の学者役が有名かもしれませんが、本作のような魅せるアクションも期待させるようなキレがありましたが、
残念ならがその後は、テレビシリーズやビデオオリジナル作品等に活動の場を映したようで、華麗なアクションを披露する機会に恵まれなかったのは残念です。
という感じで、ストーリーは、かなり行き当たりバッタリですが、まだまだ痛快なアクションを披露できた時期のセガールと、
レディドラゴンの活躍も楽しめる作品となっていますので、セガールファンの方や、アクション映画好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
細かい事を考えなければ、十分楽しめますよ。
あと、(ヒドゥン)(詳しくはこちら)で、エイリアンに乗っ取られる役や(マニアックコップ2)等のホラー、サスペンス系娯楽作品に良く出演していたクローディア・クリスチャンが、
女捜査官役で、勢いよく登場するのも見所となっています。
因みに、本作(奪還2.0)という正統続編が存在しますが、正統は正統ながらも、セガールは登場せず、本作に端役で登場するクルプト演じるトゥイッチというキャラクターが準主役に昇格して、
新たにビル・ゴールドバーグを主演に沿える、という
嘘みたいな正統続編
ですので、どうしても、という方は、合わせてのご鑑賞をお勧めします。
作品情報
2002年製作 アメリカ製作 アクション
監督・脚本 ドン・マイケル・ポール 製作 スティーヴン・セガール アクション監督 ホン・ヤンヤン
出演 スティーヴン・セガール、モリス・チェスナット、ジャ・ルール、ニア・ピープルズ、トニー・ブラナ、クルプト、ブルース・ウェイツ、モニーク
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