おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
戦艦から列車に舞台を変更し、テロリストに無敵の戦いを挑むセガール主演の沈黙シリーズ唯一の正統続編!!
作品紹介
1996年1月20日公開
今回ご紹介する作品は、スティーヴン・セガールの出世作(沈黙の戦艦)の唯一の正統続編です。
それでは、まずはあらすじから、
ロッキー山脈を走り抜ける豪華列車がテロリストによって占拠された。
たまたま姪と共に乗車していた元海兵隊のエリート、ケイシー・ライバックは、人質に取られた姪と乗客を救出するために、
難を逃れた乗務員と共に反撃を開始する!?
スティーヴン・セガール主演の大ヒット作品(沈黙の戦艦)の唯一の正統続編です。
時期的には、セガール唯一の監督主演作品で、ゴールデンラズベリー賞を受賞した(沈黙の要塞)(詳しくはこちら)の翌年に製作された作品で、
本作の後にはゲスト出演した大作(エグゼクティブデシジョン)(詳しくはこちら)、(グリマーマン)(詳しくはこちら)へと続く、
まだまだ、セガール人気も持続中の時期の作品となっています。
因みに、本作の正式日本劇場公開タイトルは、一応(沈黙シリーズ第3弾/暴走特急)という、色々とブレている時期で、
そこまで沈黙を意識するなら(沈黙の特急)や(沈黙の列車)で良いような気もしますが、この時期のメインの配給元はセガール作品の邦題を模索していた時期で、
(DENGEKI電撃)(詳しくはこちら)等のアルファベット+漢字というパターンも生み出されましたが、
それも飽きてしまったのか、結局(沈黙)シリーズに落ち着いていきました。
配給、販売元も、恐らくどこかの時期で、『沈黙と付ければあとは何を付けても同じ』と判断したのだと思われます。
監督は(ヤングガン2)、(フリージャック)、(ラストアウトロー)(フォートレス2)等の娯楽作品で有名なジョフ・マーフィで、
セガールの現場に対しては、色々と不満もあるようで、セガールの鶴の一声で、脚本がどんどん変わっていくという事が多々あったようです。
そんなどんどん変更されてしまった脚本を担当しているのは、その後(クローバーフィールド)でブレイクし、
(猿の惑星)の新シリーズや(ザ・バットマン)等、恐らく二度とセガール作品とは関わらないぐらいに有名監督となったマット・リーヴスで、
(ダイハード)のような死にそうになりながらも、決して死なない泥臭い人間味あふれるヒーローアクションの脚本を書いたはずが、
まさかの、ほとんどピンチに陥ることもない上から目線の大男アクションへと変貌する、というこちらも想定通りにはいかない作品へとなってしまったようです。
という感じで、一枚岩の状態で出来上がった作品、というわけではありませんが、内容的にはこれがセガール作品の中で観比べると、
やはり多くの人が関わっている作品ですので、後のセガールのワンマンが暴走する作品群とは大きく違い、
すべてが強引すぎる漫画みたいな設定ながらも、しっかりと娯楽アクション作品として楽しめる作品となっています。
ストーリーはいつものように至ってシンプルで、テロリストによって占拠され、衛星兵器乗っ取りの拠点とされた大陸横断鉄道の列車に、
そこに偶然居合わせた、元海兵隊のエリート、ケイシー・ライバックが、他の乗客と共に人質に取られた姪を救出するために、
難を逃れた列車の乗務員と共に戦いを挑む、という非常に分かり易い内容となっています。
ただ、名作(沈黙の戦艦)の続編として観ると、同じような物語ながらも、やはり、縮小感は否めず、大きな戦艦が舞台で、ゲイリー・ビジーやトミーリー・ジョーンズという名優を相手に、
のびのびとアクションを繰り広げていた前作と違い、本作では狭い列車内限定で、敵のテロリストにも強敵となるような武術派も少なく、
騒動を起こすマッドな元CIA局員を、全くそうは見えないエリック・ボゴシアンが演じていて、明るい善人にしか見えませんので、
トミーリー・ジョーンズのような迫力不足で、テロリストに列車を乗っ取られて、衛星兵器で多くの人命の命運が握られているような緊迫感は薄めとなっています。
一応(ツインピークス)や(壁の中に誰かがいる)等で有名なエヴァレット・マッギルが敵役として登場しますが、
特にアクション派というわけでもなく、ゴツい体型の二人が戦えるスペースも無い所でのアクションですので、
基本的にテロリストとのバトルは、セガールが忍び寄って首の骨をへし折ったり、腕を反対側に向けきったり、
という感じのステルスアクションがメインで、格闘に入ると数秒で決着がつくような対決がメインとなっています。
ですので、それほど格闘シーンが多くなくても、広めのスペースで派手にやっつけられた前作とはセガールアクションとしての魅力はやはり半減してしまっています。
ただ、常に舞台となる列車が動いているというそれだけでサスペンスが成り立つ状況と、ミサイルの発射のスイッチを(PCで)握られている、
というタイムリミットがある状況があるために、限定された時間と限定された空間、という二つの要素が物語の疾走感を高めていきます。
という事で、逆に言ってしまうとセガール作品としてはセガールの良さを十分引き出している作品とは言えないながらも、
アクション作品としては十分楽しめる娯楽作品となっている、と言えるのではないでしょうか。
で、本作、キャスト的にはあきらかに前作よりも魅力が欠けますが、その中の一人に後のスターが一人出演しています。
セガール演じる無敵のコック、ケイシー・ライバックの姪で、一緒に旅をする事になりながらも、速攻でテロリストに拉致されてしまうヒロイン役に、
後に(グレイズアナトミー)や(幸せになるための27のドレス)、(男と女の不都合な事実)、(キス&キル)、(ニューイヤーズイブ)等で、
主演女優として大ブレイクしていく事になるキャサリン・ハイグルで、まだまだあどけなさの残るティーンエイジャー役を、魅力一杯に演じています。
恐らく、最初で最後のセガール作品出演ではないでしょうか。
という事で、前作の完成度が高すぎたために、舞台を変えて製作したパワーダウン感は否めませんが、
それでも、アクション作品としては十分楽しめ、マット・リーヴスとキャサリン・ハイグルという後の大物が参加している貴重な作品となっていますので、
セガールファンの方や、アクション映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1995年製作 アメリカ製作 アクション
監督 ジョフ・マーフィ 製作 スティーヴン・セガール 脚本 マット・リーヴス
出演 スティーヴン・セガール、キャサリン・ハイグル、エリック・ボゴシアン、エヴェレット・マッギル、モリス・チェスナット
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