【セガール百裂拳! 其の三十】ハード・トゥ・キル(HARD TO KILL)95分

投稿者: | 2023年5月28日

おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

悪漢に襲撃され重傷を負った刑事が、7年の眠りから覚め、再び巨悪に立ち向かう、弱弱しいセガールも楽しめる主演第二弾!!

作品紹介

1990年11月17日公開

今回ご紹介する作品は、スティーヴン・セガールの主演第二弾のアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

ある上院議員の殺人依頼現場を撮影した刑事メイソン・ストームは、その後、その議員による証拠隠滅のために自宅を襲撃され、

家族を殺害され、自身も瀕死の重症を負って昏睡状態に陥ってしまう。

それから7年、突如として目覚めたメイソンだったが、その知らせを聞いた議員によってまたしても命を狙われるのだった!?

スティーヴン・セガールが(刑事ニコ法の死角)(詳しくはこちら)に続いて主演した刑事アクション作品です。

この時期のセガール作品としては珍しくセガールが製作に関与していない作品で、ゲスト扱いの(エグゼクティブディジョン)(詳しくはこちら)を除いては、

その後2001年製作の(沈黙のテロリスト)(詳しくはこちら)や同年製作の(DENGEKI電撃)(詳しくはこちら)まで、

出演のみの作品は登場しませんので、俳優に集中した貴重なセガールが観れる作品となっています。

という寄り、本作はまだまだセガールがデビュー間もない模索期なので、色々試すのは分かりますが、

2001年製作の2本のみが製作に参加していませんので、逆に何があったんだ?という感じですが、内容に関しては本作含めて、

やっぱりいつものセガール作品とほとんど変わりの無い安定感を感じる作品となっています。

いつも通り

ただ、本作の特徴としては、大枠としては、セガールが悪党相手に過剰な攻撃を加えるいつものポリスアクションではあるのですが、

冒頭で、巨悪の犯罪の取引現場を撮影し、証拠を掴んだセガールが、その場は逃げきるものの、その後悪党組織の報復にあい、

妻子を殺害されてしまった上に、自身も長い昏睡状態に陥る程の重症を負わされる、というピンチに陥る必死なセガールの姿を鑑賞できる貴重な作品となっています。

ただ、その昏睡状態の描き方がちょっと特徴的で、銃弾を何発も受けて、病院に運ばれ死亡が確認され、相棒の刑事等からは落胆され、

仲の悪かった刑事からは、悪態を付けられ、そんな仲悪刑事と相棒刑事のしんみりしたひと悶着を少し挟んで、仲悪刑事が帰った直ぐ後に、

医師が相棒刑事の所にやって来て、

『生き返りました』

という感じで、まるでコントのようなフリと落ちが効いている分かり易いダイハードなセガールらしい

医師が死亡確認→医師が生き返り確認→今髄状態(7年間)、

という状況説明となっています。

で、そこから昏睡状態のまま7年間が過ぎていきますが、7年後のビジュアルがまた特徴的で、患者名が【ジョンドー】(名無しの権兵衛)と付けられていたり、

髪の毛はボサボサロン毛で、髭は賢者風に伸びきっている、という病院で看護を受けているとは思えないような扱いとなっています。

7年間も髭を伸ばし続けた事はありませんが、あんな感じになるのでしょうか、、。

スティーヴン・セガールと、、、
賢者の石

そんな、どこかの洞窟で冬眠していたような風貌のセガールの意識が戻った、という事で、情報を仕入れた悪漢組織の殺し屋が、

早速セガールを亡き者にしようと再び襲ってくるのですが、ここの展開もセガール作品としては異色で、

力がでまへん、、

7年間の眠りから目覚めたばかりなので、ベッドから起きか上がれないセガールが、異動ベッドに寝そべった状態で、

悪漢の襲来に気付いて、その辺のモップ等の棒で壁を押して異動ベッドごと自身を移動させて難を逃れようとする、

といういつものセガール百烈拳だけではどうしようもできないピンチに対応しようとしている必死なセガールの姿を観ることができます。

ただ、腕の力だけは結構回復していますね、、、。

セガール最大級のピンチ

勿論、そこに看護師のサポート等も加わってなんとか病院から抜け出す、という展開になっていくのですが、

セガール作品において、セガール自身が悪漢よりも非力な状態のピンチ、というシチュエーション自体が、

その後の作品では、ほとんどありませんので、セガールの必死な表情も含めて、極めて貴重なシーンとなっています。

この辺はセガールが製作に関与していない、出演者だけに徹している作品だからこその展開かもしれません。

で、そんなセガールのピンチを救うのは、本作の共演がきっかけで、その後セガールとゴールインして、その後リスタートする事になる(ウーマン・イン・・レッド)や

ときめきサイエンス)等のケリー・ルブロックで、やたらとセガールを世話してくれる看護師を好演しています。

ケリー・ルブロック

後、どうでも良い事ですが、後の夫婦なので、ラブシーンにもいつも以上に力が入っているような気もします、、。

で、そんなルブロックの献身的なサポートで、悪漢で有力者の現議員に家族の復讐をするためにセガールの猛特訓が開始されます。

因みに、この悪党議員を演じているのが、本作の直後に(ダイハード2)や(トレスパス)、(ビルとテッドの地獄旅行)の死神役などで、

ブレイクしていくとになるウィリアム・サドラーで、本作ではアクション映画の分かり易い悪党を好演しています。

後半はかなりセガール流で追い詰められるウィリアム・サドラー

で、アクション映画ではお馴染み、セガール作品では珍しい特訓シーンに入って行きますが、描かれ方としては伝統的なカンフー映画や、

ロッキー4炎の友情)のような山奥(といっても本作は裏山ぐらいの感じですが)で、

セガール、走ってます
走ってます

細身時代のセガールのいつものお気に入り、だるんだるんのタンクトップを着用して、

いつものように腕を振りながら走り込み、重そうな手刀の素振りを繰り返して、悪党退治に備えていきます。

ここまで訓練を真剣にしている、というシーンも(多少はありましたが)少なく、このシーンも後のセガール作品とは異色な魅力を放つシーンではありますが、

本作のセガール設定も、本来は強いという設定なので、他の特訓シーンの存在する作品とは違って、弱者が努力を重ねて成長していくのではなく、

強者が元来の力を取り戻しているだけ、という部分が、セガールらしさを醸し出しています。

本来なら、昏睡状態に入る前に強敵に倒されて、その強敵を倒すための必殺技も訓練する、という流れが自然だと思われますが、

セガールが0か10ぐらいから100ぐらいまで成長する物語は存在しませんので、そこはやはりこの時期で既にセガールらしさが出ている部分だと思われます。

個人的には、このセガールアクションを活かすような強敵が登場しないので、

散々武術的な訓練を重ねているのに、それを活かすシーンがなく、アクション自体は大味な喧嘩アクションになってしまっているのが残念です。

ただ、そういう部分も含めて、後のセガール作品のイメージがまだ固まっていない時期の、まだまだ模索期の第二回主演作品となっていますので、

セガールファンの方や、アクション映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

ヨシヨシ、、、

作品情報

1990年製作 アメリカ製作 アクション

監督 ブルース・マルムース

出演 スティーヴン・セガール、ケリー・ルブロック、ウィリアム・サドラー、フレデリック・コフィン、ボニー・バーローズ、ロバート・ラサード

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【セガール百裂拳! 其の三十】ハード・トゥ・キル(HARD TO KILL)95分」への2件のフィードバック

  1. S原

    まぁくさん、こんにちは。

    これ、当時観たはずなんですよ! レンタル店で高回転していたじゃないですか。(これと刑事ニコがすごかったはず) でも覚えていない・・・まあ、ほかのセガール映画もほとんど覚えてないのですが(笑)

    これは、セガール映画にしては珍しく普通に面白そうですね。というか、映画本編を観るよりも、まぁくさんのブログを読んでいるほうが楽しめるんでしょうね。
    でも『映画そのものよりも、紹介文(ブログ)のほうが面白い』というのは、我々のようなB級やZ級映画中心に紹介しているブログの理想形だと思いますねえ。さすがです!

    それにしても、長年寝ている間に「賢者風」になってしまうというのは素晴らしすぎます。頭を使ってないほうが、セガールは賢く見えるというアンチテーゼなんでしょうか(笑) 
    しかも、せっかく(見た目は)賢そうになったのに、るだるんだるんのタンクトップで辻褄を合わせるところが、セガールっぽくて良いですね。しかもタンクトップの横から乳首がチラリと見えているところが、なんともまた。

    後年の、セガール製作映画よりもやっぱりこういう感じの方が、映画としては面白そうですよね。もう自分の製作の「俺中心映画」しか作らないんですかねえ。味のある脇役なら、いまでも十分に通用すると思うんですが・・・ちょっと残念です。

    以上、「あなたの知らないワゴンセールの世界」のS原でした。

    返信
    1. まぁく 投稿作成者

      S原さん、こんにちは。いつもありがとうございます!
      この作品は、意外に貴重で、まだまだセガールが強権を発動する前の模索期の作品なので、それなりにピンチな状況のセガールや、必死に訓練するセガール、自分の鉄拳ではどうしようもない状況のセガール、看護師(後の奥さん)に手助けしてもらわないとやられてしまいそうになるセガール等、今観返すと意外に新鮮に映るようなシーンが色々と登場する作品となっています!
      だとしても、他の作品と比べて面白いのか?というと、決してそうではなく、珍しいシーンがあっても無くても、観終わった感想は他の作品とさほど変わらない、という所が、流石の安定のセガール作品となっています。
      といってもその後本当の沈黙シリーズ(沈黙の戦艦)や(暴走特急)等、しっかり楽しめる作品も登場しますので、そこはやっぱりスタッフの相性や、セガールの気持ち(やる気)次第という感じになるのでしょうか、、。
      もう、セガール作品の新作が製作されなくなって数年経ちますが、そろそろ、また脇役でも良いので、セガールの新作が観てみたいですね!

      返信

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