ラスト・エクソシズム(THE LAST EXORCISM)87分
お薦め度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
作品紹介
2011年10月8日公開
今回ご紹介するのは、(ホステル)シリーズのイーライ・ロス製作によるPOV撮影のオカルトホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
2009年10月、ルイジアナ州バトンルージュの農場で1本の取材テープが発見される。
このテープに映っていたのは、悪魔祓いで有名な専門家、マーカス牧師が、自ら悪魔祓いは演出によるショーであり、
悪魔はこの世に存在しない、と証明するためのテープだった。
しかし、このテープは後半思いもよらない展開となっていた、、、!?
イーライ・ロスが製作を担当し、(エクソシスト)系のオカルトホラーをPOV撮影で映像化したリアルなホラー作品です。
やはり作品の売りである、オカルトものをPOVで、という部分に本作一番の特徴があります。
また、主人公の設定が悪魔祓いで有名だけれども、本人は完全に悪魔の存在を信じておらず、悪魔祓いの儀式は、色々なトリックを使ったショーである、という意見を持っていて、
自分自身がインチキをして有名になっているので、悪魔の存在に対して人一倍懐疑的な意見を持っている、という一番説得力のある、設定となっています。
これは、上手く考えられた設定で、信じていなければいないほど、後半になって、いよいよ悪魔憑きとしか考えられないような状況になった時の説得力は半端ないです。
また、POV撮影の必要性も、インチキ神父本人が、自分自身のインチキトリックを行っているところを撮影し、
新たな人気を得るために、依頼のあったお祓いに撮影隊を同行させる、という設定になっていて、こちらも、上手く考えられています。
物語的には、後半やっぱり、この神父が悪魔に立ち向かっていくことになるのですが、ちょっとPOVものにありがちな、
ごちゃごちゃっと、パニックになって何が映っているのかよくわからないうちに終わっていましますが、
リアルなオカルトっぽさはしっかり出ていましたので、終盤まで楽しめる作品となっています。
あと、エクソシスト系の作品で重要な部分は、取り憑かれる被害者役の演技力が一番大事かと思われます。
(エクソシスト)のリンダ・ブレアや(エミリー・ローズ)のジェニファー・カーペンター、(死霊館)でのリリ・テイラーなんかも非常に印象的でした。
で、本作のアシュリー・ベルですが、ぱっと見幼くも見えるし、結構しっかりしているようにも見える、なんともいえない独特の雰囲気をもっており、
本作のような悪魔に取り憑かれているのか、心が病んでいるのか、どちらか分からない、という難しい役柄を完璧に演じ切っていました。
とにかく、合間に見せるカメラを瞬きせずにじっと見据える眼が、非常に怖いんです。
もう、取り憑かれているにせよ、心を病んでいるにせよ、どちらにしても怖い。
顔立ちが整っていて透明感や清潔感があるがために、逆に生活感が薄く、奥に何が潜んでいるのかわからないような、ちょっと近寄りがたい、怖さが宿っている感じが表現されていました。
話題となった海老ぞりも結構驚きますが、それよりも、やはりこの表情の演技の怖さが、そのまま本作の怖さに直結しているのではないでしょうか。
エクソシストものをPOVで、というありそうで無かったシンプルな発想の作品ではありますが、このアシュリー・ベルの演技を観るだけでも価値はあると思われます。
それと、アシュリー・ベルのお兄さん役でその後多くの作品のバイ・プレイヤーとして大活躍しているケイレブ・ランドリー・ジョーンズが印象的な役柄で見だっているのも注目です。
作品情報
2010年製作 アメリカ製作 POVオカルトホラー
監督 ダニエル・スタム 製作 イーライ・ロス
出演 パトリック・ファビアン、アシュリー・ベル、アイリス・バー、ルイス・ハーサム、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
ラスト・エクソシズム2 悪魔の寵愛(THE LAST EXORCISM PART2)89分
お薦め度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
作品紹介
前作の直後からの続編です。
それでは、あらすじから、
前作の惨劇から生き残ったネルは、療養施設で保護され、当時の記憶は次第に薄れて、新たな生活を始めていた。
そんな幸せな毎日を過ごす中、友人たちが、ネルが依然カルト教団に捕らえられていた時の儀式の映像をネットで発見する。
それと同時に、過去の忌まわしい記憶が脳裏によみがえり、どこからともなくネルを呼ぶ声が聞こえるようになるのだった、、、!?
というわけで、前作の直後からの続編となります。
主演はそのまま、前作のネル役アシュリー・ベルです。
しかし、まさか、まさかの前作のPOV撮影は廃止され、普通のオカルトホラー作品となってしまっています。
ゾンビ映画の傑作(REC)シリーズもpart3以降POV撮影を止めてしまっていましたが、この選択はどうなのでしょうか。
POVで撮影するための説得力のある理由が見つからないのは分かりますが、やはりPOVだからこそ感じていた恐怖が本シリーズの魅力でしたので、
普通の撮影方法で撮影された普通のオカルトホラーとなると、正直恐怖感は全く感じなくなってしまいました。
前作ではあれだけ怖かったアシュリー・ベルも、演技力は素晴らしいですが、カットを割って、劇的な音楽を添えられた見せ方では、
普通のホラーキャラクターの一部という感じで前作の魅力には遠く及びませんでした。
物語展開的にも、新鮮味はなく、予想通りの展開の連続といった感じになっています。
(REC)シリーズはpart3でPOVを止めると同時に登場人物も変更して、仕切り直していました(part4は元の物語に戻っていましたが)ので、違和感自体は少なかったのですが、
本作は、同じ製作者が制作しているシリーズで、同じ出演者が主役を演じている前作の直後から始まる物語なのに、
撮影の仕方次第で、こんなにも印象が変わってしまう、というある意味見本となるようなシリーズとなっているのではないでしょうか。
その割に、前作からの海老ぞりや、気に入っていたブーツのエピソードなど前作からの引きもちょこっと入っていたりします。
そんな細かいエピソードよりも、無理矢理のこじつけでも良いのでPOV撮影で通して欲しかったですね、、。
という事で、
(ラストエクソシズム)シリーズは物語が繋がっているので、1と2と連続して鑑賞していただきたいところですが、
2は作品の見せ方自体が完全に変更となっているため、統一感は少なく、作品としての良さも損なわれているため、
どちらかだけ、という事でしたら、1のみの鑑賞をお勧めします。
作品情報
2013年製作 アメリカ製作 オカルトホラー
監督・脚本 エド・ガス・ドネリー 制作 イーライ・ロス
出演 アシュリー・ベル、ジュリア・ガーナー、スペンサー・トリート・クラーク、ルイス・ハーサム
その他のオカルトホラー作品
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