タイタニック2012(TITANIC II) 86分
おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
作品紹介
衛星放送放映題 タイタニック2
今回ご紹介する作品は、タイタニック号の悲劇から100年後に復活するタイタニック2号の悲劇を描いた作品です。
それでは、まずはあらすじから、
タイタニック号沈没事故から100年後の2012年、タイタニック2号と名付けられた豪華客船が出航した。
しかし、その頃、カナダ北部で巨大な氷河の崩落が発生し、その影響で史上最大の大津波が発生する。
現場に居合わせた沿岸警備隊のメイン大佐は、娘も乗船するタイタニック2号に緊急警報を伝えるが、既にタイタニック号は大津波の影響圏内へと入っていた!?
監督・脚本・主演とマルチに活躍しているのは、(トランスモーファーリターンズ)や(地球が静止した日)等のアサイラム作品に多く参加しているシェーン・ヴァンダイクで、
本作では成功し過ぎてタイタニック2号を作ってしまうイヤミ富豪から、一転してヒーローへと格上げになる主人公を良い所取りで演じています。
ヒロイン役は、アサイラム作品(紀元前1億年)や声優としても活躍しているマリー・ウェストブルックで、
本作では看護師として乗船しているという特性も活かした活躍も見せています。
ヒロインの父親を演じているのは、(ウィラード)等の名優ブルース・デヴィソンで、説得力のある演技が、
いかにもアサイラム作品な低予算世界観の中で重厚な説得力を与えています。
というスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、タイタニック号沈没事故(というより本作では処女航海からという考え方)から100年後の2012年4月、
設計士のヘイデンによって新造されたタイタニック2号が出航する事になり、豪華なゲストや乗客等多数の人々が乗船するが、
順調に見えた航海は、地球の温暖化によるカナダ北部の氷河の崩落によって、大西洋一帯に巨大な氷河を含む津波が押し寄せた事によって、
初代のタイタニック同様に悲劇の道を辿る、、、、というのが本筋となっています。
ただ、大筋的には勿論、名作(タイタニック)にあやかった物語ですが、実際の見せ場としてはパニックドラマや、犠牲の愛の物語というよりも、
(ポセイドンアドベンチャー)のようなパニックアクション系の展開で、沈没し続けている豪華客船の中を、
生き残りの乗客たちが、安全地帯を目指してひたすら船内を進む、という部分が見せ場となっています。
とは言っても、そこはアサイラム作品ですので、当然の低予算のために、個性的な乗客などをキャスティングできるはずもなく、
イヤミ役で登場したシェーン・ヴァンダイクが、事故発生後に急に主人公兼ヒーロー(兼監督・脚本)に昇格し、全ての役目を一人で担っていく、
という感じで、客観的な視点が一つもないレベルのワンマンぶりを発揮していきます。
見方を変えると、
シェーン・ヴァンダイクのシェーン・ヴァンダイクによる、シェーン・ヴァンダイクのための映画
という感じでしょうか。
この辺が流石のアサイラムクオリティですが、ここに外部からの助っ人であるヒロインの父親ブルース・ディヴィソンが登場する事で、内部のワンマンぶりだけではなく
外側からの演技によって、なんとかバランスを保ち、緊迫感を盛り上げていっています。
で、ヒーローが極まって、冒頭のイヤミとは同一人物とは思えないぐらいに犠牲の心まで芽生えたロン毛ヴァンダイクは、ヒロインを救うため、自分自身は、、、
というのが(ポセイドンアドベンチャー2012)(タイタニック2012)のクライマックスとなっていきます。
因みに、本作が米国で公開された2010年はタイタニック号沈没事故が起きた調度100年後、、、、、
ではなく98年後で、日本では調度100年後の2012年にリリースされました。
日本でのリリースが調度100年後、アメリカでの公開が98年後という謎のズレが生じていますが、実は作品内の年代の設定が公開時期の2010年設定ではなく、
2012年という2年後の近未来に設定する事で、早めに公開される本国アメリカと、その後に公開されるアメリカ以外の各国でのDVDリリース時期とのタイムラグを埋める、
というアサイラム作品としては意外にしっかりとした戦略で製作された作品となっています。
内容も、勿論有名作にあやかりまくりの作品で、イヤミとヒーローが同一人物という違和感はありますが、
意外とテンポの良いアクションとツボを心得た演出で、アサイラム作品でも多数製作されているB級パニック作品としては、意外に楽しみ易い作品となっています。
ただ、本作、12年後の2022年にまさかの続編が製作されます、、。
しかも、オカルトホラー作品として、、、。
作品情報
2010年製作 アメリカ製作 パニックサスペンス
監督・脚本 シェーン・ヴァンダイク
出演 シェーン・ヴァンダイク、マリー・ウェストブルック、ブルース・ディヴィソン、ブルック・バーンズ
シン・タイタニック(TITANIC RISES/TITANIC666)91分
おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
作品紹介
日本劇場未公開
という事で、前作から12年後に、まさかの復活を果たしたタイタニック3号が、今度はオカルトパニックとして生まれ変わります。
まずは、そのあらすじから、
2022年、タイタニック号沈没事故から110年後、最新設備を整えたタイタニック3号が完成した。
豪華客船として多くの乗客が乗船し、処女航海に出航するが、かつての遭難現場に近づいた時、突然システムは停止し、制御を失ってしまう。
さらに、コントロールを失い危険な海域を進むタイタニック3号に不気味な怪奇現象が発生し始める!?
監督は、(オーシャンズ・ウォー)や(オペレーションダンケルク)等のアサイラム作品を多く監督しているニック・ライオンで、
本作でも、少し観てアサイラム作品と分かるクオリティで、オカルト世界観を描いています。
主演の女性船長役には、(レプリコーン6)等のキーラ・シャープが扮し、どう見てもコスプレにしか見えない制服で、トンデモ事件に対処していきます。
で、イヤミ役を演じているのは、(ザ・カー ロード・トゥ・リベンジ)(詳しくはこちら)等のジェイミー・バンバーで、
イヤミとして登場しながら、一応反省して改心する役柄を演じています。
で、タイタニック3号の警備主任役で、(ダンボ)等のジョセフ・ギャットが登場し、前半と後半で立ち位置の変わる役柄を演じています。
で、タイタニック3号に密航する女性役で、(トゥヘル)等のリディア・ハーストが登場し、一人で物語を搔き回していきます。
で、やたらとスマホで配信しまくるインフルエンサー役で、(沈黙のSHINGEKI進撃)(詳しくはこちら)等のアンナリン・マッコードが登場し、ゴーストに遭遇していきます。
そんなスタッフ・キャストが結集して製作されたシリーズ第二弾である本作の物語は、10年前に出航して沈没したタイタニック2号、、、、
ではなく、110年前のオリジナルのタイタニック号沈没の瞬間から始まります。
で、逃げ惑う人たちや、多くの犠牲者、わずかな生存者の過去のシーンが少しだけ描かれ、今度は10年前のタイタニック2号沈没事件、、、、
は描かれずに、直接本作のメインの時代背景となる2022年へと飛んでしまいます、、、。
その後も、タイタニック2号については一切触れることなく、110年前の事件のみが言及されますので、要するに本作は(タイタニック2012)のその後の物語という感じではなく、
タイタニック号沈没事故の110年後に出航する、タイタニック2号とは無関係のタイタニック3号の物語を新たに描いた作品となっています。
シリーズ作ではあるけれども続編にあらず、という感じでしょうか、、、。
その辺の曖昧さも含めて、流石のアサイラムクオリティで、物語を継承していないので、やりたい放題という感じで、
一応(ポセイドンアドベンチャー)的なパニック作品だった前作を、まさかのオカルトホラー作品にジャンル変更するという奔放ぶりで、
沈没した海域に到達するや否や、魔法少女のオカルトマジックによって、海底に眠る船長や乗客の霊が復活し、現在の乗客に襲い掛かるというトンデモオカルトホラーへと様変わりしています。
とは言え、乗客とゴーストの数が全く合いません(客10:霊1ぐらい)ので、ゴーストに襲われるのは数名(もしかするともっと襲われているのかもしれませんが、画面には登場しません、、、)で、
目立つキャラクターだけが襲われます。
それというのも、魔法少女は、110年前に犠牲になった乗客の子孫のようで、主に、この少女が遭遇した船員や乗客のみが襲われていきます。
で、さらにゴーストに乗り移られた魔法少女が、今度は(Xmen)のジーングレイのようにダークサイドに落ちたようで、
ゴーストパワーを身に着けて、片手を上げて、対象物に向ければゴーストスーパーパワーで色んな能力を発揮する、
という、どんどんと(タイタニック)の世界観から遠く離れたサイキックアクションが繰り広げられていきます。
しかも、暴走ゴーストによって、人々が犠牲になる際の描写は、かなりのあっさり感で、まるで主人公のように活躍しそうだったキャラクターをも瞬殺してしまいます。
で、サクサクと退場者が出て、ゴースト被害が吹き荒れる中、主人公である館長キーシャ・シャープのみがゴーストの存在を信じない、
という鈍感、というか、その頑固に信じない性格そのものが、対処を遅らせ最後の困難となってタイタニック3号を襲います。
勿論最終的にゴーストの存在を信じる事にはなりますが、その頃には時すでに遅く、タイタニック3号は氷山へとまっしぐらに突進していきます。
タイタニック事故のその後を描いたシリーズという事で、恐らく結果は2作目も3作目も決まっている、という感じですが、
本作は、ジャンルがオカルトホラー作品ですので、全てが終了した後にも、安心したと思ったら、、、、
というあるあるのオチがついていますので、もしかするとさらに10年後か8年後ぐらいに、本作の続編のような、続編ではないようなシリーズ第四弾が製作されるのかもしれません。
という事で、(タイタニック2012)と(シン・タイタニック)は一応シリーズ物ではありますが、全く物語は継承していませんので、
どちらかと言えば、意外にパニックものとして楽しめる(タイタニック2012)のみのご鑑賞をお勧めします。
(シン・タイタニック)の方は、シリーズ物としても、オカルトホラーとしても消化不良感しか残りませんので、、、。
でも、キャストに関しては、断然(シン・タイタニック)の方がグッとくるのですが、、、。
作品情報
2022年製作 アメリカ製作 オカルトパニックホラー
監督 ニック・ライオン
出演 キーシャ・シャープ、リディア・ハースト、ジョセフ・ガット、ジェイミー・バンバー、アナリン・マコード
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