【シリーズ作 カンフー映画】カンフートラベラー(功夫机器侠KUNG FU TRAVELER)シリーズ

投稿者: | 2021年7月17日

カンフートラベラー南拳 (功夫机器侠之南拳KUNG FU TRAVELER)100分

お薦め度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

作品紹介

2018年1月13日公開

今回ご紹介するのは、エイリアンと戦うための技を習得するために、過去にタイムスリップして達人から技を伝授してもらう、というSFカンフーアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

エイリアンの侵略を受けている2147年の地球。

人類の最後の砦として戦闘を繰り広げていた中国軍は、銃火器が無力化された事で、さらなる劣勢を強いられていた。

そんな時、接近戦に持ち込めば、かつて中国で伝えられたカンフー技を使用する事で、エイリアンに対して致命的なダメージをあたえる事ができる、と判明する。

そこで、中国軍は技術の粋を集め、武術を習得させるためのロボットを開発し、過去にタイムスリップさせて伝説の達人に弟子入りさせる計画を推し進めるのだった!?

重要な任務を遂行する二人(というか一人と一体)

本作は、中国最大級の動画配信サイト【アイ・チーイー】が、製作した映画作品という事で、自社の動画サイトのみで限定配信公開された作品です。

他の作品との比較ができないので、判断しにくいですが、一応初週で、2000万以上視聴を記録した、という事ですので、大ヒットした作品となっています。

同時期に続編も製作されていましたので、一応シリーズ両方とも大ヒットしたシリーズとなっています。

主演を務めるのは、(マトリックス)でキアヌー・リーブスのアクション指導を担当し、そのお礼としてキアヌー・リーブス初監督作(ファイティングタイガー)で突然主演デビューし、

その後(トリプルスレット)(詳しくはこちら)でも主演の一人として活躍しているタイガー・チェンです。

トリプルスレット)では、トニー・ジャー、イコ・ウワイシスなど既に人気のスターに交じってタイガー・チェンだけ、誰?という感じでしたが、

アクション自体は他の二人ほどではないにしても、結構目立っていました。

そこで、タイガー・チェン単独主演の本作シリーズですが、本作の設定は、2147年という近未来、エイリアンの侵略を受けている人類は、総攻撃を開始するも、ことごとく、打ち負かされ、武器は無効化されてしまったので、

銃火器を使用しない素手での戦闘に活路を見出し、その奥義を極めるために、清朝の時代にロボットを送り込んで、必殺の南拳を学ばせる、というかなり漫画チックな設定となっています。

清朝で南拳の奥義を習得する任務を背負ったロボット

勿論タイムスリップして南拳の達人に弟子入りするロボット役が、タイガー・チェンで、基本的にはロボットですので、感情がない、と言う設定ないという設定になっています。

演技力の乏しさはその設定で補填できるので、あとはアクションをメインで見せていくだけ、という武術指導がメインだったタイガー・チェンの経歴をも補えるような設定になっています。

漫画チックな設定ではありますが、この設定が意外に物語展開に効いていて、感情のないロボットが、カンフーの奥義を極めようとすると、

どうしても、その武術の精神面での境地に達する事ができません。

で、いくら鍛錬を積んでも、奥義の境地に到達できない。

そこで、実はこのロボットに密かに備わっていた、感情抑制プログラムを開放します。

そこから、感情の全く無かったロボットが、徐々に喜怒哀楽に目覚めてく、というなかなか燃える展開となっていきます。

おしいのは、その設定の面白さに、タイガー・チェンの演技力が追い付いていない、というか、微妙な感情表現が伝わってきにくいので、

結局、それほど感情が溢れてきているようには見えない、のが残念でした。

その分、ヒロイン役のワン・チーの切ない恋心が浮かび上がってきていましたので、タイガー・チェンに足りない部分はワン・チーが補っている、

というようなバランスになってるのではないでしょうか。

ワン・チーの叶わぬ恋が切ない、、。

このロボットであるタイガー・チェンと技術者であるワン・チーがコンビを組んで、清朝にタイムスリップして、なんとか南拳の達人に技を教わろうとするのですが、

これが、達人には出会えたものの、なかなか教えてくれません。

一応、その師匠の弟子の練習風景を見る、という形で修行は始まりますが、この辺の修行シーンがあまり挿入されずに、

ロボットはいつの間にか、なんとなく強くなっていきます。

この辺りの描写は、やはり現代の作品といった感じで、昔からのカンフー映画ファンは、その修行シーンにこそ魅力を感じると思いますので、

やはり、師匠にちょっといじめられる、ぐらいのしごかれるシーンは見たかったですね。

まぁ、ロボットなんですが、、。

こういうシーンがもっと観たいですね

という事で、なんだかんだとやっている内に、登場人物の一人が、殺戮を始めます。

いきなりの登場で、いきなりの問題行動ですが、やはり、この人物にはある問題があり、未来からやってきたロボットにも深く関わりのある存在という事が分かります。

一応、激闘の末にその人物との決着も付き、データは未来に送られる、というところで、本作は終幕となります。

お楽しみの予告編もラストに流れ、次回作は北腿である、という事が分かります。南拳北腿ですね。

終わってみれば、冒頭の数分以降はほとんど時代劇カンフー映画と変わりませんので、エイリアンとカンフー対決するようなシーンはほとんどありませんが、

その分時代劇カンフーアクションシーンは結構ある作品になっています。

アクション指導を担当したのは、(ジョンウィック)シリーズや(アトミックブロンド)などを担当した話題のアクションチーム(87イレブン)という事で、

結構期待していたのですが、正直カメラのカット割りと、アングルを頻繁に変えるという、あまり動けないキャストがメインのときに多く見られるようなアクションシーンが目立ちましたので、

タイガー・チェンの実力が伝わってくるようなアクションではなかったのがちょっと残念なところです。

87イレブンのアクションには注目ですが、、、

作品情報

2017年製作 中国製作 SFカンフーアクション

監督 チャン・シエンフォン

出演 タイガー・チェン、ワン・チー、イエ・ユンフェイ

こういうSFチックなシーンは冒頭の数分のみです

カンフートラベラー北腿 (功夫机器侠北腿KUNG FU TRAVELER2)95分

お薦め度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

作品紹介

日本劇場未公開

という事で、前後編的な物語の後編となります。なぜか、日本では1作目のみ(未体験ゾーンの映画たち2018)で公開され、続編の方はDVDリリースのみでした。

というより本国で、ネット配信限定の作品を日本のみ、1作目だけ劇場公開した、といった感じでしょうか。

それでは、まずはあらすじから、

ロボットの活躍で、人類はエイリアンに対して反撃の狼煙を上げたが、それでも十分な戦闘能力を得られたわけではなかったので、

さらに強力な武術をロボット兵士に覚えさせるために、再び清朝時代に学習ロボットを送り込み、今度は足技を習得するように指令を出す。

重要な任務を背負ったロボット2号は、前回の任務で現地に留まっている技術者と合流して、達人に出仕入れしようとするが、

時空移動時のトラブルが原因で、現地に到着したロボット2号には、重要な記憶が無くなっていたのだった!?

任務の話をしている時も何気に訓練に励むロボット2号

という事で、前回決死の覚悟で、タイガー・チェン演じるロボットが、南拳を習得し、その未来のロボット兵士に南拳の極意が継承され、

それで、エイリアンとのバトルも収束かと思われましたが、

これだけではたりない、という上官のまさかの一言で、再び技を習得させるために清朝時代にロボット2号をタイムスリップさせます。

前回は手技を中心にした南拳でしたので、今回は足技を中心とした北腿です。

そういえば、本作とは関係ありませんが、ウー・スー・ユエン監督によるカンフー映画の傑作(南拳北脚)という傑作シリーズも製作されました。

ずっと未公開のままなので、なんとかDVDリリースだけでも、、無理ですね。

という事で、本作は再び過去にタイムスリップして足技を習得していくわけですが、そのサポート役として前回清朝にタイムスリップしたままになっているワン・チーが、

合流して、また任務遂行のためにアシストしてくれます。

ですが、今回はタイムスリップ中のトラブルで、タイガー・チェンの記憶回路に異常があって、記憶喪失になってしまっているという状態で、現地に着いてしまいます。

ですので、今回のタイガー・チェンは前回のような感情のないロボットではなく、何故か小学生ぐらいの無邪気なキャラクターで活躍します。

記憶がなくなるのと、無邪気になるのは全く違う事のような気もしますが、そういう事をツッコミだすと、本作は物語自体が何一つ成立しませんので、

そこは何も考えずに身を委ねる、大人の鑑賞の仕方で乗りきるしかありません。

とは言っても、タイガー・チェンの表現力は変わらないので、1作目よりも無邪気な台詞が多い、ぐらいの違いがあるぐらいでしょうか。

無邪気なキャラクターを演じているタイガー・チェン以外の何物でもありません。

一応、時代的には前作から10年が経過しているようなので、ワン・チーの外見が全く変わらない、という事はこの際スルーして、

10年のうちに色々努力したのか、いつの間にか、軍関係の割と身分の高い職に就いています。

さらに自宅に詠春拳などのカンフーの訓練用具も常備しているようですので、おそらく武術の腕も上げているような時間経過となっています。

この設定が、一応後ほど物語に効いてきます。

弾丸を蹴り技で跳ね返す、という発想力

で、ワン・チーの口添えで、タイガー・チェンも軍関係の仕事に就き、その地区を管理する隊長と親しくなっていきます。

で、ワン・チータイガー・チェンに北腿を学ばせるために高名な足技の達人を隊長に紹介してもらえるようにお願いしますが、

隊長は、それなら道場破りをすれば良い、と言い出します。

そうやって経験を積むうちに、技は自然に身についてく、という極端な方法を紹介します。

というわけで、なんとなくタイガー・チェンの道場破りが始まります。

対決を繰り返すうちに足技の腕はメキメキと上がっていきますが、このままでは徳を得られない。

徳のない武術はただの暴力、という事で、だんだんと雲行きが怪しくなっていきます。

そんなころ、突然に、もう、本当に突然に路地を歩いているワン・チーが何か黒い煙のような存在に巻き込まれて、急に人相が悪くなります。

突然様子がおかしいワン・チー

そういえば、前作で同じようなシーンを観ました。

エイリアンです。

本作に登場するエイリアンは黒い霧のような状態になって人間に乗り移って、操ることができるんですね。

そんな重大過ぎる設定が、ここへきて初披露されますが、エイリアンに乗り移られたワン・チーは悪事を働きます。

ですが、そのまま悪の道に入っていくのかと思いきや、その煙はス~っと体から抜けていき、ワン・チーも正気に戻ります。

というか、時間を自由に行き来でき、人間へも自由に乗り移ることができるエイリアンに対して、もはや勝ち目はないような気もしますが、

そこはやはり大人の目線でスルーしていくしかありません。

という事で、妖しい展開になりながら、道場破りを繰り返し、物語は後半、その隊長が、ある歴史上重要な人物を殺す、殺さない、という重要な選択を迫られる展開になっていきます。

未来の出来事がわかるタイガー・チェンワン・チーは、隊長が、その人物を殺す事は歴史上の出来事なので、本来関わる事ができないが、

その人物が殺されてしまう事で、国力が低下し、やがて人類はエイリアンと戦うための力を失っていく出来事に発展するので、

もし、その人物が殺される事を防げば、未来で起こるエイリアンとの戦いにも人間側が勝っている別の未来が訪れるかもしれない。

でも、そうなると元々の時間軸から外れてしまった自分たち二人は消滅してしまうことになる。

物凄く極端な設定ですが、細かい事を全て無視すれば、なかなかに緊迫感のある切ない選択を迫られそうな良いシーンとなっています。

で、二人が取った選択肢は、、、というところが後半のクライマックスとなります。

この辺で、二人が前触れもなく、急接近していますが、おそらくラストだけは、こういった展開になる、と最初から決まっていたのはないでしょうか。

ロボットはともかく、人間であるワン・チーが、一方通行であるこのタイムスリップ任務に志願した時点で、本作のラストのような切ない結末は予想でき、

だからこそ、ワン・チーは、作品に登場している間ずっと切ない表情を浮かべていたのかと思います。

過去に戻った時点で、もう切ない存在、と言う事は決定していたんですね。

本作のタイガー・チェンのヘアスタイルは誰が決めたんでしょうか?

ただ、本作は設定や物語展開もそうですが、大事な部分を端折って突然宇宙人に乗り移られたり、主人公の二人が急接近したり、

といった展開が多いので、いまいち、見ている側の感情が追い付けない、というか、本当は切なさいっぱいになるようなシーンでも、切なそうだな、という客観的な目線でしか見る事ができません。

この辺は、その漫画チックな設定が、面白そうになりそうで、なかなかそうはならない、という作品の根本にも直結しているようで、色々ともったいない作品となっています。

そんなちょっと残念なところもある本作ですが、アクション面では、いまいち乗り切れなかった前作とは違い、色々と見せ場のあるアクションとなっています。

これは、おそらく単純にタイガー・チェンが手技を中心とした南拳よりも足技を中心とした北腿のほうが得意という事に尽きるかと思われます。

(新少林寺)で、同じの見ましたね。もっとも本家は、こんなに吊られてる感はありませんでしたが、、。

魅せるアクションを多く繰り出せなかった前作は、割とカット割りや、ワイヤーワークで胡麻化すようなシーンが多かったようですが、

本作はアクションを綺麗に魅せる自信があるのか、結構引いたところで、カットを割らずに撮影しているアクションも多く、

割と打点の高い位置まで上がる蹴り技も連続で繰り出していましたので、ちゃんと強さの伝わるアクションシーンになっていました。

道場破りシーンなどもアクションの出来る者同士の対決、といった感じで良いのですが、一番の見どころは、なんといっても、

エイリアンに乗り移られたワン・チーとのカンフー対決です。

構えもしっかり決まりますね

しっかりと、型を決めつつ、アクロバティックな技も連続で繰り出していく、という対決は、まだラストバトルを残した状態ではありますが、

ほとんどクライマックスといっても良いぐらいの名勝負となっています。

タイガー・チェンも本作の方が決まります。

ワン・チーのしなやかながらも蹴り技は打点も高く、しかもその足を上げたままのポーズをキープできる脚力は、ワンチー主演でスピンオフが見たくなるぐらいの魅せるアクションで、

正直見栄えのしないタイガー・チェンよりも随分と目立っていました。

本作一番の見どころ、ワン・チーとのバトル!!この角度で足を制止できる脚力は凄い

惜しいのは、このバトルがラストバトルになれば良いところを、結局あっさりエイリアンがまたス~っと抜けていって、あっという間に正気に戻ってしまうので、

特に物語には重要なバトルにはなっていないところです。

結局、その後ある人物(バレバレですね)が実は、エイリアンに乗り移られていた、という事で、その人物とラストバトルを繰り広げる事になります。

その前に、散々引っ張っていた女ロシアドラゴンとのバトルがありますが、こちらは思っていた以上にあっさり目で、しかもカット割りが激しいので、

この女ロシアドラゴンが本当にアクションができるのかどうかも判断ができませんでした。

まぁ、エキシビジョンマッチぐらいの感じでしょうか。

ラスボス前の女ロシアドラゴン。ヘアスタイルがユニーク
散々引っ張って、あっさり倒される女ロシアドラゴン(無影脚?)

そしていよいよのラストバトルが、その人物がアクションができない、と言う事もあるようで、やたらと天井から見下ろすようなカットになったり、床から首の下までのカットになったりと、

要するに演じている者の顔が映らないカットばかりが目立つようになり、見たいアクションが全く見れない、というう残念な戦いとなっていました。

ラストバトルはまさかの天井からのカット

さらにラストでは、その人物の体から抜け出たエイリアンが本来の姿になってタイガー・チェンにシバかれる、という身もふたもないようなラストバトルで終幕となります。

結局ラストは、エイリアンに必殺の一撃!

というわけで、2作通して鑑賞すると、ツッコミところは満載で、タイガー・チェンの魅力はそれほど伝わってきませんが、

ワン・チーの魅力は後半にかけてしっかり伝わってきますので、本作鑑賞時はそういう目線で鑑賞すると、結構楽しめるシリーズになるのではないでしょうか。

今回のワン・チーはアクションの見どころ満載(イップマンの影響がかなり大きい詠春拳)

作品情報

2017年製作 中国製作 SFカンフーアクション

監督 チャン・シエンフォン

出演 タイガー・チェン、ワン・チー、ハン・ルイ

記憶が戻ってヘアスタイルを変えたタイガー・チェン

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