【カンフー映画】魔界天書(奇門天書/陰忌KUNG FU FROM BEYOND THE GRAVE)89分

投稿者: | 2023年12月1日

おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

イケメンカンフースター、ビリー・チョン演じる青年が、父の復讐のために幽霊を操る力を持つ魔界天書を用いて悪漢ロー・リエと激突するオカルトカンフー作品!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、第二のジャッキーとして売り出されたビリー・チョン主演のオカルトカンフー作品です。

それでは、まずはあらすじから、

カンフーの修行に明け暮れる青年シンは、ある日亡き父の亡霊に遭遇し、自身の命を奪った悪党フーへの復讐を頼まれる。

父の声を頼りに旅に出たシンは、フーへ復讐しようとするが、その右腕である悪道士の妖術によって阻まれてしまう。

そこで、偶然手に入れた妖術の指南書【奇門天書】に従って妖術を習得したシンは、再びフーの下へと向かうのだった!?

ビリー・チョンロー・リエが激突するオカルトカンフー作品です。

監督はチン・ガーロ主演の(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ天地激震)や、(少林英雄之方世玉洪熙官)等のリー・チウで、

カンフー作品とオカルトホラーの融合、という独特の世界観を創り出しています。

リー・チウ

主人公を演じているのは、(カンフー風林火山)(詳しくはこちら)や、(エグゼキューショナー)(詳しくはこちら)、(ドラゴンカンフー水晶拳)(詳しくはこちら)等の

ビリー・チョンで、暗い物語ながらも、明るいキャラクターで、キレのあるアクションを披露しています。

ビリー・チョン
ビリー・チョン(悪漢探偵V)より

敵役となるのは、(ラストミッション)(詳しくはこちら)、(ガッツフィスト魔宮拳)(詳しくはこちら)等、

多くの香港アクション作品で活躍しているロー・リエで、自身が不死身の身体を得るために他人の命を犠牲にしまくる悪党を演じています。

ロー・リエ
ロー・リエ

で、ロー・リエの右腕として一番活躍している悪道士役で、サモ・ハン、トン・ワイ主演の(燃えよデブゴン9プロジェクトD)(詳しくはこちら)や、

Mr.ノーボディー)(詳しくはこちら)等のソン・カムロイが登場し、

いつもは、ちょっとした役柄が多いですが、本作では珍しくクライマックス以外は、ほとんどボスのように活躍しています。

ソン・カムロイ
ソン・カムロイ

で、主人公を助け、中盤以降は相棒の様になっていく役柄で、(激突!魔拳塾)(詳しくはこちら)や、

忍者VS阿羅漢)(詳しくはこちら)等のアラン・ツイが登場し、キレのあるアクションを披露しています。

アラン・ツイ
アラン・ツイ

そんなカンフー映画熟練のスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、ある村に住む青年ビリー・チョンが、

父親の幽霊と遭遇し、自身を死に至らしめた悪党(ロー・リエ)を倒して仇を討って欲しいと頼まれるところから始まります。

ビリー『誰だっ?』
父『俺だぁぁぁ』

で、その悪党であるロー・リエは、部下であり魔術師てあるソン・カムロイの妖術を使って不死身の身体を手に入れようとしていて、

その術には、まぐわい中の若き男女の心臓が必要で、そのために部下に命じて多くの命を奪ってきた程の大悪党で、

その中にビリー・チョウの父親も混ざっているという事は、恐らく、怪しい呪術のために大量虐殺を繰り返している、というトンデモ級の大悪党となっています。

で、ロー・リエを探して旅出たビリー・チョンは、森を歩いていたら、偶然ソン・カムロイとその兄弟子の戦いの直後に遭遇し、

ソン・カムロイの汚い戦法で戦いに敗れた兄弟子道士の亡骸を、土に埋めてやろうとその道士が持っていた剣を手にすると、

柄の部分から、まさかの【魔界天書】が飛び出してきます。

ゲッツ!!

いきなりの偶然ですが、【魔界天書】をゲットしたビリーは、とりあえず先を急ぎますので、ロー・リエの館に向かい、そこで強引に押し入ります。

幽霊の父親に復讐を頼まれる、というかなり暗い流れでの戦いですが、ビリー自体には悲壮感は全く無く、

いつものビリー主演痛快カンフー映画のノリで、悪党部下たちをノシていきますが、最終的に登場したソン・カムロイが、他の作品では見た事がないぐらいに強敵で、

カンフーで太刀打ちできずに、突然現れた善人アラン・ツイに助けてもらい、なんとか逃げ延びます。

で、魔術まで使うカンフーの達人ソン・カム・ロイに立ち向かうには、、、、、

という事で、自分には必要ないと思い、道士の亡骸と一緒に埋めていた【魔界天書】を掘り起こして、ビリーも妖術を会得、現れたキョンシー幽霊たちを率いて、

ロー・リエソン・カムロイ軍団相手に戦いを挑んでいく、というのが大筋となっていきます。

独学で頑張るビリー
キョンシーアーミー登場

一応おどろおどろしい雰囲気のオカルトっぽい描写はありますが、そこはビリー・チョン作品ですので、

メインはあくまでカンフーアクションで、幽霊も登場しますが、結局はカンフー勝負で白黒つける、という戦いがメインになっていきます。

サモ・ハンの傑作(妖術秘伝鬼打鬼)等のような、本格的な妖術合戦に本格的なカンフーが融合されるような豪華な展開にはならないのが逆に本作の特徴となっています。

しかも、ロー・リエは、不死身の身体が欲しくて、悪事を重ねていますが、結局ほとんど不死身になることはなく、

ラスボスとしても、なんとなく対ビリー・チョンとしては役不足で、最終的にはビリーにではなく、これまで自身が手命を奪ってきた人々の幽霊に襲われる、

という物語的にはスッキリしますが、カンフーアクションとしてはいまいち消化不良のまま終幕となってしまいます。

ただ、カンフーアクションとしては、そのロー・リエVSビリー・チョン戦の前に繰り広げられるビリー・チョンアラン・ツイVSソン・カムロイ戦が意外に熱く、

本作の武術指導家が2人揃ってのアクションですので、素晴らしいアクションの連続となっています。

正直、この戦いがラストバトルだった方が、盛り上がったまま終幕を迎えられたのではないでしょうか。

また、中盤で、ソン・カムロイの妖術で、どこからともなく登場する雰囲気のあるドラキュラと幽霊たちの、カオス感漂う戦いも見逃せないポイントとなっています。

ドラ『シャーーーーー』
ゴースツ『えっ!?外国人?』
ビリー『知るかっ!!』
ドラ『シャ、、、』

という事で、オカルト+カンフーという独特な世界観の作品ながらも、やはりメインとなるビリー・チョンのキレのあるカンフーアクションを堪能できる作品となっていますので、

香港映画好き、カンフー映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

1982年製作 香港製作 ホラーカンフーアクション

監督 リー・チウ 武術指導 アラン・ツイ、ソン・カムロイ

出演 ビリー・チョン、ロー・リエ、ソン・カムロイ、アラン・ツイ

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