カンフー映画としてのおすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ブルース・リー主演(死亡遊戯)の完成・公開前に急遽製作し、日本でも劇場公開された、そっくりさん俳優ブルース・リィ(ホー・チョンドー)のデビュー作となったスカスカストーリーのぬるま湯カンフーアクション!!
作品紹介
1977年9月10日公開
今回ご紹介する作品は、ブルース・リー主演の(死亡遊戯)を、公開前に最速で頂いた偽ブルース・リー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
未完成のままとなっていたブルース・リー主演の(死亡遊戯)を完成させるため、台湾の映画会社が、新体操選手で、
カンフーの達人であるチョウをスカウトし、その演技の参考となるようにブルース・リー主演作品を上映する。
それは、ブルース・リーが犯罪組織の争いに巻き込まれ、攫われた恋人を救出するために、組織の凄腕の殺し屋と激闘を繰り広げる、という内容の作品だった!?
監督は、本作に出演も果たしている(風塵六傑)や(唐山截拳道)等のリン・ピンで、本家を想像で補った物語を演出しています。
主人公の青年役で、本作がデビュー作となる(ブルースリー物語)(詳しくはこちら)や(酔殺拳スーパーフィスト)等の
ブルース・リィ(ホー・チョンドー)が登場し、華麗、、、とまではいかないながらも激闘を披露しています。
で、ラスボスとなるマフィアのボス役で、(ドラゴン修行房)(詳しくはこちら)や(ドラゴンカンフー龍虎八拳)(詳しくはこちら)等の
ルン・フェイが登場し、ムチを使ったアクションで、主人公を追い詰めます。
で、強敵の一人役で、(少林寺列伝)や(続・少林寺列伝)等のツァイ・ホンが登場し、主人公と激闘を展開します。
そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、体操の選手であり、武道家でもある青年リーが、ある映画会社の監督にスカウトされ、
ブルース・リー亡き後、撮影途中で未完のままになっている(死亡遊戯)という映画を引き継いで撮影し、完成させるために出演契約を結ぶところから始まります。
で、出演を決めたリーは、演技の参考のために、映画会社の試写室でブルース・リーが出演している作品を観始める、、、、、
、、、、という流れで、映画内映画が始まります。
で、その映画内映画にブルース・リーとして出演しているのが、またブルース・リィで、そこからオリジナルの物語が始まっていきます。
で、その映画内映画ですが、いきなり何者かが夜道を歩いていて、その何者かのすぐ後ろを、別の何者かが後をつけ、
おもむろにナイフを取り出して、追われる何者かの腹部を刺してしまいます。
で、その現場に偶然居合わせたブルースは、暴漢を追っ払います。
で、刺された方の男は、自分の命がもうすぐ尽きると悟ったのか、初対面のブルースに自身のカバンを預けて、自宅にいる妻に渡して欲しいと懇願します。
ブルースが、何者かの説明もありませんので、登場した3人、全員正体不明ですが、とりあえずブルースなので、言付け通りに知らない人の奥さんを訪ねてカバンを渡します。
それで任務終了かと思いきや、その妻は、今度は息子に本を届けて欲しい、と言い出すので、こちらも安請け合いし、
本が入った小さめの段ボール箱を小脇に抱えて、知らない人の妻の息子を求めてブルースは夜道を再び歩き始めます。
しかし、歩き始めて直ぐに、何者かに付けられている事に気付いたブルースは、壁に隠れてやり過ごし、公園を通って逃げようとしますが、
公園で謎の青シャツが待ち伏せしていて、へらへら笑いながらブルースに襲い掛かります。
しかし、ブルースが強い、、、というより青シャツが弱すぎるので、あっという間に撃退し、、、、
、、、ますが、急に怖くなったので、とりあえず届けるのを一時中断して、兄と同居してる自宅へと帰宅します。
で、兄に相談したところ、それは危険なので、届けるのはやめた方が良い、という事なので、届ける事は止めて、、、、、
とりあえず、箱を開けて中身を確認します。
すると、中から大量の札束が出てきましたので、これはヤバい、という事で、警察に通報しようとすると、
また、何者かが、今度は自宅へと押し入ろうとしてきます。
で、危険を感じたブルースは、現金を兄に預けて裏口から兄を逃がし、自身は悪漢を撃退していきます。
その後、警察に向かったと思われた兄は、とりあえず恋人の部屋を訪れ、現金の事をペラペラと話し、恋人の部屋のクローゼットの上の段に隠してもらい、、、、、、、
、、、、、、、甘い夜を過ごします。
で、激闘明けの翌日にブルースが警察に確認してみると、大金は警察には届いておらず、兄と恋人、現金は行方不明という状況になり、ブルースは途方に暮れてしまいます。
で、そんなブルースに、またしても謎の男たちが忍び寄り、現金も兄の行方も分からないままに謎の組織に追われる身となったブルースは、ついに、自身の恋人まで人質に取られてしまいます。
で、恋人を救い出すために、囚われている七重の塔に向かい、そこで待ち構えている七人の武道家たちと激闘を展開する、、、、、というのが、大体の大筋となっています。
ブルース・リー主演の(死亡遊戯)の存在を知った台湾の映画会社が、その完成前に急遽製作した作品というだけあって、
非常にペラペラのストーリーで、登場人物達が何者か?などの説明もなく突然本題に入っていきますので、
何が何だ分からない状態で、ブルースも主人公ながらも、知らない人達の御使いをこなしている内に、なんとなくマフィアと争う事になっていく、
という無茶苦茶な物語展開の作品となっています。
誰が何者かの説明もないままに、行方不明だったお兄さんは、ラストシーンで突然復活しますし、お兄さんの恋人は行方不明なのかどうかさえ分からずじまい、
さらに、あれだけ皆で取り合っていた現金は、だれが最後に取得したのかも分からずじまい、というとにかく急遽製作したのが見え見えの、
スカスカのスッカスカな物語となっています。
アクションに関しても、後のブルース・リィ主演作では、結構しっかりとしたカンフーアクションを披露しているものの、
本作の時点では非常にモタモタしたアクションで、ブルース・リーの成りきり度合いも低く、たまに鼻をこする仕草を思い出したようにする、
ぐらいで、本家に近づこうとする意志は全く見られないアクションの連続となっています。
ただ、一応、売りであるクライマックスのバラエティに富んだ強豪たちとのバトルは、アクションのレベルはさておき、
娯楽性だけは高めになっていますので、ハリボテみたいなセットをスルーすれば、意外に楽しめるラストバトルとなっています。
という事で、勿論本家や、他のカンフー作品と比べるような作品ではありませんが、香港・台湾映画界の当時の節操の無さを、そのまま映画として現したような作品となっていますので、
カンフー映画好きの方や、香港・台湾映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1975年製作 台湾製作 カンフーアクション
監督 リン・ピン
出演 ブルース・リィ(ホー・チョンドー)、ルン・フェイ、サン・マオ、ツァイ・ホン、リン・ピン
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まあくさん、やめてやめて、笑いすぎて苦しいーーー!
いやいや、これメチャクチャ面白そうですよ!(いろんな意味で)
記事最初の数枚の写真をみて「おお、意外に似てるかも?」と思った自分が恥ずかしい・・・
ブルース・リィが観ている「ブルース・リィが演じるブルース・リーの映画」の内容が、この映画の内容ということでしょうか?
最後に映画を観ているブルース・リィの場面にちゃんともどるのでしょうか?(たぶん戻らないんでしょうね)
うーん、現代のメタフィクションを先取りした斬新な設定ですねえ。
しかし、「塔を登っていったら、各階にらいろんなタイプの敵がいる」というのは、本当に中学生男子の心をつかむナイスな設定ですよねえ。
この映画でも、最後の塔の場面(だけ)はかなりイケそうですし。
そういえば、ぼくは子供の頃「死亡遊戯」だと思って「死亡の塔」を観たんですよ。
いまとなってはビターなメモリーですが、まあくさんの「死亡の塔」(過去記事)をみると意外に高評価でビックリしました。
でもブルース・リーを期待した子供にとってはガッカリでしたよ(涙)
まあ、よく考えれば本家「死亡遊戯」も結構無理がある映画だったような・・・いや好きなんですけどね、あの味(笑)
というわけで、「あなたの知らないワゴンセールの世界」のS原でした。
体調に気を付けて!
お互いに、誰も知らない(興味がない?)映画の紹介を細々と続けましょう~!!
S原さん、いつもコメントありがとうございます!(新・死亡遊戯)は、なかなか独特の世界観の作品ですよ!本家(死亡遊戯)の完成が遅れていた事を良い事に、台湾の映画会社が勝手に内容を想像して予想で製作してしまう、という今では考えられないような経緯で製作された作品で、まさかの本家公開前に(新)とタイトルに付けてさっさと公開する、という本来絶対に存在できないような作品となっています!勿論、そんな映画の完成度が高いはずも無く、さっき考えたようなストーリーとぬるいアクションが脱力感を誘います!勿論、最終的に映画内映画が終了して、元の現実世界に戻るような描写も一切無く、悪党を倒して終わり、という最後までまとまりの無い作品となっています!これを鑑賞するなら(死亡の塔)を見直した方が百倍楽しめますよ!(死亡の塔)はブルース・リー映画としては勿論残念な感じですが、普通のカンフー映画と考えると凄いキャストの素晴らしいアクションが満載です!