おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
(イップマン)で有名な詠春拳の誕生秘話を、南少林寺を起源として3部作で描いたシリーズのドラマチックな展開を迎える第二弾!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、詠春拳の誕生秘話を描いたシリーズ第二弾です。
それでは、まずはあらすじから、
清朝時代、朝廷の迫害によって南少林寺の寺を追われた至善は、なんとか志を同じくする尼僧五枚と合流するが、
その時、野盗に襲われていた少女を助けた事で、崖下に落下し、大河に飲み込まれてしまう。
その後奇蹟的に旅芸人一座に命を救われた至善だったが、、、。
ブルース・リーや(イップマン)で有名な詠春拳の誕生秘話を描いた3部作の(南少林 詠春拳誕生)(詳しくはこちら)に続く第二弾です。
主人公の至善役は、前作同様に(黄飛鴻之王者無敵)等の動けるイケメン、シュー・チアンタオで、本作は、少しアクションが少な目ですが、
詠春拳の偉大なる創始者を好演しています。
で、至善を一途に思い続ける尼僧、五枚役で、こちらも前作同様に、テレビシリーズ(光阴里的故)等のチェン・イーリンが登場し、
あの機嫌の悪そうな態度で今回も怒っています。
で、強敵役も前作から続投で、(スレイヤー・オブ・ディザスター)(詳しくはこちら)等のファン・ウェイペンが登場し、
今回は外道一直線ではなく、後半で人間味が全開になって涙を誘います。
で、本作のほとんど主役と言ってもよいぐらいに活躍する旅芸人役で、(楊家将~烈士七兄弟の伝説~)等に出演しているリー・メイワイが登場し、
可憐な魅力で、作品世界を彩っていきます。
前作で、南少林寺自体は落ち伸びた数名の弟子たちを残してほぼ壊滅してしまい、南少林寺の精神を継承するための鉢と袈裟を預かった五枚と妹弟子は、
そのまま落ち伸びていた弟子達となんとか合流、しかも死んだと思っていた大好きな至善も生きているとわかり、
無事仏具を渡すものの、その時野党に襲われていた少女を助けた事で、至善は崖下の河に落ちて流されてしまい、
ついに再会したのに、数秒で永遠の別れに遭遇してしまう、という悲劇の二人としか思えない展開で、至善は姿を消してしまいます。
で、悲嘆にくれる五枚は、妹弟子と共に、至善の本当の死を確認するために川の下流を目指し度に出ます。
で、その時至善が、助けた少女が、その後、五枚の後について回って、弟子にして欲しいと懇願しますが、大好きな人が死ぬきっかけとなった少女を許すことができずに、
膝をついて弟子入りを懇願している少女を無視して立ち去る、
という、出家しているはずの身分とは思えないような人間臭さ全開で、とにかく至善のことだけを考えて旅を続けます。
で、一方、下流では、ある街の港村で、屋形船を率いて芸を見せている蘇三娘という女性スターの一行が今日も大人気で、芸を見せていますが、そこに至善が流れ着いてきます。
その一座は、非常にアットホームな一座で、蘇三娘を筆頭に、取り仕切る座長(でも雇人は蘇三娘)、料理人である二弟、そして二弟が大好きな小紅、
という感じで、良い雰囲気の一座で、勿論至善を介護してくれて、屋形船で看病してくれます。
で、暫く後に至善がついに目を覚まします。
二弟『お兄さん、気が付いたかい?』
至善『私は、、何をしていたんだ、、、ここはどこだ?』
二弟『ここは蘇三娘の船だよ。あなたは、河で流されていたんだ。覚えてないのかい?名前は何ていうんだい?』
至善『わ、、、私、、、のなまえ、、。』
という事で、大事な部分の記憶を失ってしまった至善のドラマである第二章の本題が始まっていきます。
第二章にして非常にドラマチックで、この記憶を失った至善と旅芸人一座のドラマ(それぞれのキャラクターが良い味出しています)と、
さらに蘇三娘との恋路(といっても、蘇三娘側の一方的な片思いを、至善が受け入れるかどうか、という感じですが)を軸に、
そこに、悪党達の蘇三娘への嫌がらせ、さらに、一作目からの悪党、至愚達による南少林寺の落ち伸び弟子たちの抹殺計画等が加わり、
非常にバランス良く物語が進んで行きます。
そこに、ついに五枚が合流し、一作目のヒロインと二作目のヒロインが対峙する、という三角関係的な要素も加わっていきます。
※↓ここから先は、物語展開に触れていますので、ご注意ください↓※
で、ドラマの見所としては、ちょっとご都合主義ではありますが、至善の記憶喪失は脳に存在する血栓が原因で、
針医師がその部分の血管を開けば、記憶は戻るかもしれないし、戻らないかもしれない、戻り方も、昔の記憶を全て失っているかもしれないし、
最近の記憶だけを失っているかもしれない、という物凄い状況になっていきます。
治療は必要だけれども、治療後には、もしかすると自分の記憶を全て失っている状態かもしれない、という状況に、
立場の違うヒロインが二人共陥る事になります。
要するに、治療後、至善は、どちらの事を記憶しているのか?という究極の選択(本当はもっと選択肢はありますが、、)となっていきます。
しかし、敵はすぐそこまでやって来ていて、治療の間時間を稼がなければいけない、という所で、あのアットホームな家族のような屋形船の仲間達が立ち上がり、
勿論、蘇三娘も立ち上がり、
そのすぐ後に五枚と妹弟子も立ち上がり、そしてちょこちょこと付いてきていた弟子入り志願の少女にをついに弟子と認め、
必ず戦って戻ってくるので、準備をして待っていなさいと命じます。
そのクライマックスバトルには、あの至愚も登場し、大バトルへと発展していきます。
で、五枚も蘇三娘も、二弟も、小紅も、決死の覚悟で、悪党相手に戦いを繰り広げるも、流石に強敵ぞろいで、
劣勢かと思われたその時、見覚えのある、あの詠春拳の使い手が登場する!!
という感じで至善が復活します。
果たして、至善はどちらの記憶を残しているのか!?
という所が、本作の一番の盛り上がりとなっています。
第二弾にして非常にドラマチックで、物語展開としては非常に見ごたえもあり、登場人物達も非常に愛着がわくように描かれていて良いのですが、
残念ながら、一作目に結構存在していたカンフーアクションシーンが極めて少なく、カンフーアクションを期待している方にとっては、かなりの消化不良感を残す内容とはなっていますが、
一作目と通して前編後編として鑑賞してみると、結構まとまった印象の作品となるのではないでしょうか。
アクションの一作目、ドラマの二作目という感じでしょうか。
ただ、やっぱり一作目のからの流れが、一応本作で一旦完結する物語ではありますので、ラストバトルはもう少しアクション性があった方が、寄り物語自体も盛り上がったと思われますが、どうでしょうか。
ドラマ部分やキャラクター描写がしっかりしているだけに勿体ないですね。
因みに、一作目では外道の限りを尽くしていた至愚ですが、本作のクライマックスでは非常に人間臭い部分を見せて、
意外にもぐっとくる男泣きシーンを披露していますので、そちらの一作目からの因縁もしっかりと完結するようになっています。
キャラクターがブレているようにも見えますが、仏門から享楽に溺れ、そこから悪の道に入ってしまうものの、
生粋の悪には染まれ切れずに、自分の心の弱さを後悔する、一番人間臭い(五枚を除いて)役柄として後半になって非常に感情移入できてしまうキャラクターへと変貌していきます。
たしかに、ご都合主義の連続のような物語展開ですし、極度の視力の弱さながらも、至善に追影という技を教わることで、カンフーを習得していく二弟が、
その2分後ぐらいに、街で買い物していたら眼鏡を売っていて、視力問題があっという間に解決してしまう、
というようなツッコミ展開も多々ありますが、
全体を通して大河ドラマのようなしっかりしたドラマが描かれていきますので、詠春拳誕生秘話の中編としては申し分ない内容となっています。
完結編も存在する作品ですが、一応大きな流れとしては本作で完結はしていますので、もしかすると日本でのリリースは本作で終了となってしまうかもしれませんが、
恐らく内容的には、第三弾である(南少林永春拳之突破重围)が詠春拳誕生秘話としては一番重要ではないかと思われます。
少しだけご紹介すると、、、
三作目の舞台となる時代は変わり、(恐らく10年後ぐらい)、主人公も変わり、世代は交代していきます。
で、今度の主人公は、南少林寺の僧侶でもなく、怒りっぽい尼さんでもなく、旅芸人の花形スターでもなく、
普通のティーンネイジャー世代の少女です。
で、そんな少女が南少林寺の僧に名前を聞かれます。
層『あなたのお名前は?』
少女『詠春拳、、、』
少女『厳詠春(イム・エイシュン)』
あの、五枚の弟子の少女の成長した姿でした。
という事で、3部作通して鑑賞すると大河ドラマ、詠春拳誕生秘話が完結する内容となっていますので、是非とも完結編までリリースしてもらいたいですね。
因みに、厳詠春の活躍は、アカデミー賞女優ミシェル・ヨー主演の(レディファイター詠春拳伝説)(詳しくはこちら)で描かれていますので、
3部作リリース後には、そちらもセットでのご鑑賞をお勧めします。
作品情報
2022年製作 中国製作 カンフーアクション
監督 ファン・シウミン
出演 シュー・チアンタオ、チェン・イーリン、ファン・ウェイぺン、リー・メイワイ、クイ・ユ
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