カンフー映画としてのお薦め度 ★★★★★☆☆☆☆☆
ブルース・リーロスで急遽製作された継ぎはぎ作品だが、純粋にカンフー映画として鑑賞すればユエン・ウーピンのカンフーアクション満載の豪華超大作!!
作品紹介
1981年6月20日公開
今回ご紹介するのは、ブルース・リー亡き後に、未公開フィルムを繋いで製作されたカンフー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
友人チン・クー(ウォン・チェンリー)の葬儀に出席するため日本を訪れていたビリー・ロー(ブルース・リー)。
しかし、出席していた葬儀の最中にチンの棺を奪おうとした現れた謎の男たちを戦い、惜しくも命を落としてしまう。
訃報を聞いたビリーの弟ボビー(タン・ロン)は兄の死の謎を追い、敵を討つために単身日本へと旅立つのだった。
ブルース・リー主演とうたっておきながら実際は未公開フィルムを少しづつ継ぎはぎしただけの奇天烈作品ではあります。
しかし、本作は製作がちゃんとブルース・リーやジャッキー・チェンを売り出したゴールデンハーベスト社であり、監督や他のキャストも超一流どころが揃っている作品です。
ブルース・リーという部分を除けばカンフー映画として非常にハイレベルなアクションを楽しめる娯楽作品となっています。
ですのでこの際、韓国人俳優タン・ロン主演のカンフー映画として完全に割り切ってしまっての鑑賞をお勧めします。
よく目を凝らしてみるとユン・ピョウの切れ味鋭いアクションやユエン・シンイーの安定感のあるアクション、カサノバ・ウォンの打点の高いハイキックの炸裂するテコンドーアクションなど特筆すべきアクションが満載です。
突然の日本の銀座ロケやその後のチープなセット丸出しの街並み、まるでコントのようなライオンの着ぐるみとのバトルなどの奇天烈ぶりは逆にカンフーシーンの箸休め的に割り切ってしまうと意外と楽しめます。
幾多の偽ブルース・リーの中でも似ている部類に入るタン・ロンの前半部分のブルース・リーの代役、というかモノマネと後半部分から弟役として登場するタン・ロン独自のブルース・リーに寄せ気味の軽やかなアクションはそれだけで十分楽しめます。
それにしても、今の時代にブルース・リーに関する作品を製作すればある程度リスペクトと思われるのでしょうが、
この時代の作風では亡くなっている偉人を利用してギリギリまで儲けようとしている、と多くの人に思われたのではないでしょうか。
へたしたら製作している人たちも、「いや、こんなちょっとしかない未公開フィルムでブルース・リー主演作品一本製作しろ、てそりゃ無理でしょ。だいたいその手法は死亡遊戯で既にやったじゃないか。流石にもう無理。」て心の中で思いつつ、
ライオンの着ぐるみを着た俳優がガオーと唸りながら主演俳優と戦うシーンを演出していたのかもしれません。
そんなこと思いながら鑑賞すると少しは面白さも上がるかもしれません、、。
個人的には好きな作品です。
作品情報
1981年製作 香港製作 カンフーアクション
監督 ン・シーユン 製作 レイモンド・チョウ 武術指導 ユエン・ウーピン
出演 ブルース・リー、タン・ロン、ウォン・チェン・リー、リー・ホイサン、カサノバ・ウォン、ユエン・シンイー、ユン・ピョウ、ロイ・チャオ、加藤大樹
スタッフ・キャスト
監督はジャッキー・チェンの(酔拳)の製作や日本との合作(龍の忍者)など傑作カンフー映画の製作を多数生み出しているン・シーユン。
製作はジャッキー・チェン、ブルース・リーを見出した香港映画界の父レイモンド・チョウ。
主演は(ブルース・リー死亡遊戯)でもアクション代役を務めた韓国人アクション俳優タン・ロン。
共演は(酔拳)、(蛇拳)でのジャッキーとの激闘でブレイク後、多くの作品で悪役を演じていた韓国人スーパーキッカー、ウォン・チェンリー。
他にも(少林寺三十六房)などのリー・ホイサン。ウォン・チェンリーと同じく韓国人スーパーキッカー、カサノバ・ウォンや、ちょい役ですが(プロジェクトA)などジャッキー、サモハンとのゴールデントリオが人気だったユン・ピョウなども出演しています。
その他のカンフー作品
忍者ブームによって製作されたメジャーな会社のマニアックなアクション(少林拳対五遁忍術)はこちら
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テレビ放送を録画したやつを待ってます。どれだけカットされているか気になります。
この作品の劇中BGMがカッコ良くて気に入ってますが、テレビ放送吹替版とオリジナルでは所々違ってます。とくに主役のボビー・ロウが友人のチシーンで流れる曲が両方ともカッコイイです。あと、ヤン・スエさんもチラッと確認できます。
ろくさん、コメントありがとうございます!
テレビ放送版とオリジナル版でBGMが違うなんて知りませんでした!この時期の作品は、(死亡遊戯)もですが、カッコ良いBGMが流れる作品が多いですよね!内容もアクション満載で、少しずつ強敵と戦いながらウォン・チェンリーの待つ部屋まで進んで行くクライマックスが、非常にワクワクしながら鑑賞しました!映像やBGM等、バージョン違いを比較しながら鑑賞するのも面白いですね!