カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
名家乗っ取りを目論む悪党チェン・シンを倒すため、チベット密教寺で修行したアンジェラ・マオとディロン・タンが気功を使ったカンフーアクションで立ち向かう、ネパールロケの異国情緒あふれるリベンジカンフーアクション!!


作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、アンジェラ・マオとディロン・タンが、チェン・シンと戦うネパールロケのリベンジカンフーアクションです。
それでは、まずはあらすじから、
漢族の名家ツンの一人娘チンランは、チベット人の青年カオとの結婚が決まっていた。
しかし、カオの兄チェンは、ツン家の財宝目的に乗っ取りを狙っていたのだった。
やがてチェンの思惑通りに乗っ取り計画は進められ、チンランとその幼馴染のテンシャンは策略にはめられて傷を負ってしまう。
そして、復讐を誓った二人は、チベット僧の寺を訪ね、気功を使ったカンフーの修行を重ねていくのだった。

監督と出演も果たしているのは、(女活殺拳)や(鬼怒川)等、多くのアンジェラ・マオ作品を演出しているファン・フェンで、本作もアンジェラ・マオの魅力を引き出した物語を描いています。



そして勿論、主人公となる女性拳士役は、(ザ・トーナメント)や(迎春閣之風波)等のアンジェラ・マオで、しっかりとした存在感とアクションで、ドラマチックな物語を引っ張っていきます。



で、アンジェラの幼馴染で想いを寄せる青年役で、(少林門)や(カンフーエンペラー)(詳しくはこちら)等の
タン・トゥリャン(ディロン・タン)が登場し、華麗な足技で、アンジェラをサポートしていきます。



で、計略を巡らせるラスボス役で、(少林寺怒りの鉄拳)や(怒れるドラゴン不死身の四天王)等のチェン・シンが登場し、主人公達を追い詰めていきます。



で、その友人役で、(スカイホーク鷹拳)(詳しくはこちら)や(電光!飛竜拳)(詳しくはこちら)等で、
武術指導とスタントマン、脇役等で活躍していた時期のサモ・ハンキンポーが登場し、アクションシーンを盛り上げています。



で、アンジェラの婚約者役で、(家法)や(飛俠神刀)等のリン・ホンが登場し、ワケアリな結婚生活を送っていきます。



そんなスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、ヒマラヤのネパールの山間部を治める漢族名家ツンの一人娘チンラン(アンジェラ・マオ)が、
チベット人の青年カオと婚礼の約束を取り付けるため、その地帯一帯のお祭りに参加するシーンから始まります。


ツンとの顔合わせも終了し、あとは婚礼の儀式を待つばかりとなったカオとその兄チェンですが、ある夜チェンは、
いきなり弟(義弟)に襲い掛かり、虎爪拳で命を奪ってしまいます。

で、その後、義弟と入れ替わるように、瓜二つの男を替え玉として用意し、アンジェラとの婚礼に送り出します。

チェンの目的は、実は当初から弟の結婚などではなく、替え玉を使ってツン家に部下を潜り込み、ツン家の財産を全て奪ってしまうという事で、
まずは、仲間と共謀して義弟の命を奪い偽物と入れ替わる事で、第一段階を完了させます。

で、偽物と入れ替わっている事に全く気づかないアンジェラ含めたツン家の面々は、まんまとチェン・シンと偽義弟の策略にハマっていき始めます。


そして、チェンの名家乗っ取り大作戦は、第二段階に進んでいきます。
成りすまし偽義弟にチェンがわざと傷を負わせ、それをアンジェラによるDVと主張する、というセコい手法
を用いて、まずはアンジェラと父親ツンの絆を絶っていきます。


※↓ここから先は、物語展開に触れていますので、ご注意下さい↓※
そこまでなら、ただの財産泥棒ぐらいですが、非道なチェン・シンには、実はその先の計画があり、作戦が上手く行って喜んでいる偽義弟をナイフで刺して命を奪い、
さらに、その犯行を虎爪拳で身体の自由を奪ったアンジェラに擦り付け、既に孤立しかけていたアンジェラは、DVの果に夫を手にかけた殺人犯に仕立てあげられてしまいます。
酷いですね、、、流石チェン・シン。


で、罪を着せられたアンジェラですが、まだ、虎爪拳の効力によって話す事が自由にできずに、チェン・シンの思うがままに極悪人として裁かれ、
まさかの川流しの刑にまで処されてしまいます。

名家の娘としての幸せな日々から、あっという間に、地獄のような状況に陥ったアンジェラですが、このピンチを幼馴染の青年テンチャン(ディロン・タン)が救い、
チェンたちの目の届かない場所へと逃げ延びます。



実は、密かにアンジェラに想いを寄せていたディロンは、影からアンジェラの様子を伺っていたりしましたが、
チェンに目を付けられてしまい、速攻で叩きのめされる、という散々な目にあっていて、ディロンも目障りなヤツという事で追われる身となっていたのでした。


で、追われる身の二人は、チェンへの復讐のため、チベット密教の寺を訪問し、そこの住職に密教に伝わる気功を使ったカンフーの修行を重ね、
憎きチェンに再び戦いを挑む、、、、、、というのが、大体の大筋となっています。




1976年当時としては、珍しいネパールで大々的なロケが行われた異国情緒あふれるカンフーアクション作品です。

ただ、内容的には、名家乗っ取りを目論む悪党の悪党ぶりと、悲劇的な運命から復活し、悪党を成敗していくヒロインを描いた王道的なリベンジストーリーで、
そのドラマチックな展開に、アンジェラ・マオとディロン・タン、チェン・シン、サモ・ハンキンポー、ハン・インチェ等、



この時期のゴールデンハーベスト作品で大活躍していたアクションスターのカンフーアクションを随所に盛り込んだ、
豪華なドラマティックカンフー作品となっています。


他のアンジェラ・マオ作品に比べても物語自体がドラマチックな分、他のキャストが活躍するシーンが多く、若干アンジェラの活躍シーンが少な目ではありますが、
やはり、本作のような悲劇的な背景を背負った復讐劇にアンジェラのイメージがピッタリとハマりますので、
しっかりと感情移入できるヒロインとしての魅力を爆発させていきます。

また、お助けマン的な位置ながらも、ディロン・タンの素晴らしいアクションの数々は、アンジェラのハプキドー的な蹴り技と相性が良く、
ラストバトルでは、2人の足技が悪漢役のチェン・シンやコーリー・ユエン、サモ・ハンキンポー等を相手に見事に決まっていきます。



また、カンフー映画お馴染みの、修行シーンも、石を運んだり、気功を鍛えるために紙と蝋燭を使って訓練したり、
という感じで、ユニークな修行法が用意されていますので、ラストバトルへの期待も高まっていきます。

中盤あたりは、まるで悪党のチェン・シンの方が主人公かのように、悪行がメインで描かれていく展開が長いですが、
その引っ張った分だけ、クライマックでの主人公たちが繰り出す気功に重きを置いた蹴り技アクションと、チェン・シンの物凄い上半身を用いた虎爪拳の激突が非常に盛り上がり、
さらに、呼吸法の究極のような技も飛び出して、悪党の散り際をビシッと描いた名勝負となっています。


という事で、物語的にはちょっとブレる展開もありますが、全体を通してドラマチックなストーリーに、
痛快な足技がバシバシと決まる見所満載のカンフーアクションとなっていますので、香港映画好き、カンフー映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。





作品情報
1976年製作 香港製作 カンフーアクション
監督 ファン・フェン 製作 レイモンド・チョウ 脚本 ニー・クワン 武術指導 サモ・ハンキンポー、ハン・インチェ
出演 アンジェラ・マオ、タン・トゥリャン(ディロン・タン)、チェン・シン、リン・ホン、ハン・インチェ、クワン・シャン、リュー・チェンクー
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