お薦め度 ★★★★★★★★☆☆
ヒット作海底47m、まさかの第二弾は、海底に眠る古代地下遺跡洞窟を舞台に高校生4人組がサメと戦う設定が秀逸の冒険サメアパニックアドベンチャー!!
作品情報
2019年製作 イギリス製作 モンスターパニック
監督・脚本 ヨハネス・ロバーツ
出演 ソフィー・ネリッセ、コリーヌ・フォックス、ブリアンヌ・チュー、システィーン・スタローン
スタッフ・キャスト
監督・脚本のヨハネス・ロバーツは2010年製作の監督・脚本を手掛けた(Fエフ)がジョン・カーペンター監督の好評価を得て注目される。その後、2012年製作(ストレージ24)、2016年製作(アザーサイド死者の扉)などの娯楽作品で人気を集めている。
主演のソフィー・ネリッセは2013年製作の(やさしい本泥棒)の演技で好評を博し、続く2015年製作(ギリーは幸せになる)、2019年製作(クロース/孤独のボディーガード)と活躍の場を広げている。
女子高生の一人を演じているコニーヌ・フォックスはジェイミー・フォックスを父に持ち、19歳のときにモデル業を開始。本作で映画俳優デビューとなる。
女子高生の一人を演じているシスティーン・スタローンはシルベスター・スタローンを父に持ち、シャネルのファッションショーなどのモデル業で活躍、本作で女優デビューとなる。
あらすじ
いじめられっ子の女子高生ミア(ソフィー・ネリッセ)は、父親の再婚相手の娘サーシャ(コリーヌ・フォックス)との関係もぎくしゃくし、悶々とした日々を送っていた。
そんなある日、成り行きでサーシャの親友アレクサ(ブリアンヌ・チュー)とニコール(システィーン・スタローン)の3人とともにマヤ文明の遺跡が眠る海底洞窟へのケーブダイブに誘われる。
渋々参加したミアだったが、そこは古代より生息する巨大ホオジロザメの生息する危険地帯だった!?
感想
サメパニック映画(海底47m)まさかの続編です。
前作を鑑賞済みの方は分かると思いますが、まさかの続編です。
前作はそんな終わり方でした。
前作は海底47メートルのケージダイブ中に動けなくなった姉妹を襲うサメとの攻防が緊迫感のあるパニック作で、活発な妹と優柔不断な姉が、土壇場で姉の頑張りでピンチを脱出する、という成長物語にもなっていて、非常に楽しめる作品となっていました。
ラストの展開以外は、ですが、、。
このラストの展開があるので続編はまずないものと思っていました。
で、本作ですが、やはり物語的には全く前作とは無関係の作品でした。
ですので、前作を鑑賞していなくても本作だけで楽しめる内容となっています。
一応、監督の中で前回がケージダイブを扱った物語なので、今回は洞窟を舞台にしたケーブダイブだ、という発想だそうです。
なかなかのB級魂溢れる、良い意味で単純な発想で、非常に好感が持てますね。
で、その単純な発想から始まった本作ですが、これが、非常に良い意味でB級直球ド真ん中的な展開となっており、後半、物語が進むにつれて予想外の怒涛のアクションアドベンチャー的要素が濃厚になってきます。
本作で、秀逸なのは、まず、その設定です。
主人公は女子高生で、いじめられっ子です。
しかも、最近父の再婚相手と一緒に暮らし始めて、その娘も高校生で同じ学校に通っています。
この関係がまず、微妙で、両親からは、もっと仲良くしてあげなさい、と言われるような関係です。
この微妙な関係のまま、その親友二人とあまり仲良いわけではない主人公の合わせて4人で、まだ誰にも知られていないような古代マヤ文明の遺跡が残る海底洞窟にこっそりケーブダイブに出かけてしまいます。
この登場人物たちの微妙な関係が、後の命の危機に瀕して行くたびに、人間的な成長を伴って大きく変化していきます。
この辺は前作の人間的な成長物語になっていた部分を踏襲しています。
そして、サメ側の設定もアイデアの光る設定となっています。
まず、この舞台となる古代マヤ文明の遺跡が残る海底洞窟は、今現在、発掘作業が進められているような未開の部分が多い場所です。
実際何か分からない生き物がいてもおかしくない場所で、洞窟自体も全体像がまだ分かっていない段階の地域となっています。
そのため、ずっと人知れず生息していた巨大ホオジロザメが突然現れても違和感はありません。
さらに、そのホオジロザメは長い間海底で生息していたため、目が退化しており、盲目となっていて、それを補うために発達した、研ぎ澄まされた他の感覚で獲物を狙います。
ですので、ギリギリのところまで迫ってきているけれども、じっと動かなければやり過ごす事もできたりします。
この設定が非常にサスペンスを盛り上げており、例えば息を止めていればなんとかやり過ごせるキョンシーが登場した(霊幻道士)であったり、盲目の怖いおじさんの家に忍び込んで、自業自得的に酷い目に合う(ドント・ブリーズ)のような緊迫感のあるサスペンスシーンに、海底で酸素不足で早く動かなければいけない設定も加えて、怒涛の展開となって描かれます。
また本作は、そのサメとの攻防を繰り返しながら、閉じ込められた洞窟内を出口を求めて彷徨う、アドベンチャー的な側面ももっており、出口を求めて洞窟を進むうえでのサメ以外の色々な困難も立ちはだかってきます。
それまでのキャラクターの成長物語プラス、サメが迫り来る恐怖、酸素がなくなる恐怖、洞窟内で閉じ込められて出口を探すサスペンス、ラストの方では大潮の渦でさえ、命がけで乗り越えなければならない困難となるサスペンス、と次から次へと困難が立ち塞がり、怒涛の展開となります。
さらにまだラストへ向けて困難は降りかかりますが、それは前半からの伏線ともなっていて、非常に「待ってました」の展開となり、観ている側は、いつの間にか、完全に主人公達と共にサメと戦っていると思えるぐらいに感情移入してしまうようになっています。
というように、本作は、90分の上映時間、最後の最後までたっぷり楽しませてくれる娯楽作品となっていますので、機会がありましたら、是非ともご鑑賞いただきたい作品となっています。
それと、作品自体とはあまり関係ありませんが、本作はジェイミー・フォックスを父に持つコリーヌ・フォックスとシルベスター・スタローンを父に持つシスティーン・スタローンの二世俳優がダブル俳優デビューとなっています。
若干、奇をてらったキャスティングっぽいですが、今後の活躍を期待できそうな演技と存在感でしたので、これからの出演作はチェックしといた方が良さそうな感じでした。
因みに、今回の(海底47m古代マヤの死の迷宮)というタイトルは配給元が似たような内容の作品を勝手にシリーズもののようにつけた偽りの邦題ではなく、原題も47meters down uncagedとちゃんとあるのでれっきとしたシリーズ作ですが、47という数字は本編には一度も出てきませんでした。
実際物語的にも海中がメインではありますが、そんなに深い海底ではないと思います。
その辺の自分でつけた設定とタイトルなのにあえて無視する潔さも、B級野郎っぽくで良いですね。
その他のサメパニック作品
シリーズ第1弾(海底47m)はこちら
ジェイソン・ステイサムが巨大サメ、メガロドンと激突する(MEGザ・モンスター)はこちら
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