北斗の拳(FIST OF THE NORTHSTAR)92分

投稿者: | 2024年5月16日

おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

(ヘルレイザー2)のトニー・ランデルが監督し、(沈黙の追撃)のゲイリー・ダニエルズが主演した、格闘よりも朽ち果てる時のスプラッター描写の方が目立つ、監督の独自の視点で実写化された風変わりなバイオレンススプラッターアクション!!

作品紹介

1995年4月22日公開

今回ご紹介する作品は、週刊少年ジャンプの人気漫画を日本とハリウッドが合作で映像化したバイオレンスアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

南斗聖拳の達人・シンによって父を殺され、恋人のユリアまで攫われた北斗神拳の次期伝承者ケンシロウは、

シンが牛耳る南の方角へと急いでいたが、途中立ち寄った村が、シンの部下に荒らされている現状を知り村を救うために悪党達を一掃する。

そして、ケンシロウは村人たちの無念を晴らし、北斗と南斗の調和を取り戻すために、シンのもとへと向かうのだった!?

監督は、(ヘルレイザー2)や(ティックス)等のB級ホラー作品専門監督トニー・ランデルで、本作でもらしさの光るホラー風味な世界観を構築しています。

トニー・ランデル

主演のケンシロウ役には、(沈黙の追撃)(詳しくはこちら)や(ザ・ガーディアン狂暴の美学)(詳しくはこちら)等の

格闘アクションスター、ゲイリー・ダニエルズで、ケンシロウに似ているかどうかはさておき、キレのあるアクションを披露しています。

本作のゲイリー・ダニエルズ
ゲイリー・ダニエルズ

で、宿命のライバル、シン役で、(ソウ4)以降のシリーズや、(ミッドナイトメイズ)(詳しくはこちら)等の

コスタス・マンディロアが登場し、シンに似ているかどうかはさておき、ゴツめの体型で主人公を追い詰めていきます。

本作のコスタス・マンディロア
コスタス・マンディロア

で、ヒロインのユリア役で、日本から(代打教師 秋葉、真剣です!)や(ボクが病気になった理由)等の

鷲尾いさ子が登場し、可憐な魅力で物語世界を掘り下げていきます。

本作の鷲尾いさ子
鷲尾いさ子

で、本作においての父親兼リュウケン師匠役で、(時計じかけのオレンジ)や(サイレントヒル リベレーション)(詳しくはこちら)等の

マルコム・マクダウェルが登場し、リュウケンに似ているかどうかはさておき、ケンシロウを導いていきます。

本作のマルコム・マクダウェル
マルコム・マクダウェル

で、原作のジャギ的な要素を持つシンの部下役で、(レザボアドッグス)や(ラッシュアワー)等のクリス・ペンが登場し、

善人か悪人か良く分からない役柄を演じています。

本作のクリス・ペン
クリス・ペン

で、ケンシロウと旅を共にする事になる少年バット役で、(ジャーヘッド3)や(ブラッド&ボーン真拳闘魂)等の

ダンテ・バスコが登場し、暗い物語に陽気な要素を加えていきます。

本作のダンテ・バスコ
ダンテ・バスコ

で、シンの部下で、ちょっとだけ人情のある悪党ストーン役で、(クラッシュ・of・ザ忍者)(詳しくはこちら)や

プレデター2)等のパウロ・トーチャが登場し、意外に目立っていきます。

本作のパウロ・トーチャ
パウロ・トーチャ

そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、主人公ケンシロウの父である北斗神拳の伝承者リュウケンが、、、

南斗聖拳のシンに銃殺されるシーンから始まります。

始まって早々に、本作が原作とは別物である事がはっきりと分かる冒頭ですが、

ついでに、

拳法を描いた世界観の作品の、重要な技の伝承者が、ラスボスとなる悪党にいきなり銃で殺害される、

という事で、そもそも拳法をメインに据える、という大前提さえ守れない、超不安な出だしとなっています。

せめて、卑怯でもなんでも良いので、飛び道具以外の武器を使って欲しかったところですね、、。

という出だしは、ちょっと前の事のようで、今現在荒野を彷徨うケンシロウは、実力で勝ち取るのではなく、

父親が亡くなった、という、ぱっとしない理由で伝承者を引き継ぐことになります。

凛々しいですが、親の代を引き継ぐのを嫌がっています。

無口なので、理由が良く分かりませんが、どうも重荷になるのが嫌なのか、伝承者を引き継ぎたくないようで、なんとなく、伝承スルーしています。

そんな状況に、リュウケンは、死んでも死にきれないのか、度々夢の中に登場し、

墓場から蘇ったゾンビの姿

で登場したり、

Z父『ぐぉぉぉぉ』
ケン『えっ!?』
Z父『ケンシロウよ!』
Z父『受け、、、』
Z父『入れるの、、、、』
Z父『じゃーーーーー!』

旅の途中で出会った少女の身体に憑りついて、空中浮遊したりしながら、受け入れるように追い詰めていきます。

少女父『受け入れさない。』

で、そんな逃避しがちな内気なヒーロー、ケンシロウには、父親を銃殺されたガンマン・シンに、さらに恋人のユリアまで誘拐されてしまうという二重苦(父親の事はどう思っているのか分かりませんが、、)を負わされてしまい、

取り戻すために、シンが帝国を築いている南に、ゆっくりゆっくり向かっていきます。

そんなのんびり旅の最中に立ち寄った村で、ケンシロウは、シンの部下たちが村人に暴行を加え、略奪の限りを尽くしている状況を目の当たりにします。

そこで、得意の北斗神拳で、悪党をグロくやっつけてしまいます。

女性『きゃぁー!助けてー!』
ケン『手を放せ。』
悪党A『あべしっ!!』
ケン『あたたたたたたたたた!』
ケン『ほわったぁー!!』
ケン(くるり)
悪党B『はぁ!?なにコレ?』
ケン『お前はもう、死んでいる。』
悪党B『ひでぶっ!!』

で、そこで少女リンとお調子者の少年バットと出会い、その格闘スキルを目の当たりにしたバットとリンはケンシロウに村に残ってもらうように頼みますが、

ケンシロウには先を急がないといけない理由がありますので、そのまま村をゆっくり後にします。

リンとバット『村に残ってくれよ!』
ケン『俺は、ゆっくり南に向かっている。』

しかし、その後、引き戻しに行ったバットと入れ違いで、シンの親衛隊が、大量殺戮モードに入ってしまい、

村人たちが、かなり犠牲になってしまいます。

で、思いとどまって村に戻って来たケンシロウは、あまりの非道さに、立ち上がり、悪漢達を倒し、シンのアジトへと向かい、シンに戦いを挑む、、、、というのが、大体の大筋となっています。

村人を救うために旅を一時中断する、という選択を取ったはずですが、なんとなく寄り道していたら、目的地であるシンのもとに辿り着いている、という展開も含めて振り返ると、

冒頭の一瞬から、『あっ!違うなっ!?』とすぐ理解できてしまうような漫画の映像化作品で、はっきり言って、ツッコミ所は作品全体を包むレベルで存在します。

違う
違う

ただこの状態だとしても、もう少し格闘アクションスター(当時は売り出し中)、ゲイリー・ダニエルズ主演のアクション作品として、

しっかりとしたアクションシーンが連続で存在する、格闘アクションとしての完成度を保っていれば、恐らくそんなには非難される事はなかったかもしれません。

要するに、一番のツッコミ所は、格闘アクションとして全然パッとしない、という所で、バキバキに筋肉が仕上がっていて、

キレのある動きも自在にできるゲイリー・ダニエルズのアクションスキルを、これでもか、というぐらい封印したようなアクションシーンの数々が、

他の格闘系アクションスター、ジャンクロード・バンダムスティーブン・セガール、ドルフ・ラングレンのような魅せるアクション演出ができなかった点が、一番残念な点だと思われます。

勿論、ゲイリー・ダニエルズ、外見などの雰囲気の地味さもありますが、アクションのキレは抜群なので、

漫画原作のイメージと重なればもっとヒロイックな演出は出来たと思われますが、全然ヒーローには見えません。

戦いの
合間に入る
キョンシー呼び出しそうな動きが、
カッコつけてるけど、一番カッコ悪い

これは、恐らく、監督のトニー・ランデルの作品自体の間違った捉え方が原因かと思われます。

要するに、トニー監督は、本作を、荒れた時代に少しでも光を見出そうと、それぞれの正義を背負って覇権を争った拳士たちの熱い戦いを描いた物語ではなく、

自分の大好きなB級ホラージャンル寄りの、

格闘後にやっつけた相手が、派手にグロく朽ち果てる、バイオレンススプラッターアクション

と捉えたのだと思われます。

超個人的な邪推ですが、監督は恐らく、原作第一巻の 

だけを見て、後は、誰かにストーリーを教えてもらった、とかではないでしょうか、、、。

そう考えると、シンが銃でリュウケンを殺害したり、リュウケンが色んな人(ゾンビ含む)に乗り移って、ケンシロウを追い詰めたり、

ゲイリーの格闘アクションシーンが細切れで何をやっているのか分からなかったり、その癖に『ひでぶっ!』シーンは、妙に強調されていたり、

という感じで、

物語を読まずに、絵だけを見て、上っ面だけをフィーリングで映像化したような作品

になったのだと思われます。

恐らくトニーの興味は、原作や、ゲイリー、格闘等には一切無く、特殊メイクのアナログスプラッターのみにあると思われます。

なので、本作に対して原作愛が無いとか、予算が無くてずっとセット撮影なので、箱庭感がハンパないとか、ケンシロウの衣装がツーサイズぐらい大きい、とかいう以前に、

監督が個人的にやりたい事と、それ以外の全員が望んでいる事が、あまりにもかけ離れている

ので、トニーが監督した時点で溝は絶対に埋まらない、作品なのだったと思われます。

とは言え、ほとんどB級ホラー専門監督のような存在だったトニーが、自ら進んで本作の企画を持ち込むとは思えないので、

恐らく色んな大人の事情があって監督に選ばれたのだと思われますが、そのままB級ホラーを撮影し続けていれば、もしかするともっと、そのジャンルの大監督に、、、、

、、、、、と思いきや、その後はファミリー向けテレビ映画(スーパードッグマーフィー)等で活躍しているようですので、ホラー描写的な作品は、本作でやり切ったのかもしれません、、、。

懲りたのかもしれませんが、、、。

2018年製作

という事で、ツッコみ所満載で、原作としても、格闘アクションとしても、コレジャナイ感が凄い作品ではありますが、

DVDには、神谷明バージョンの日本語吹替も収録されていたりしますので、B級作品ファンの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

唯一カッコ良い、バイクにまたがるシーン。でも、セットなのでまたがるだけ、、、

作品情報

1995年製作 アメリカ・日本 格闘アクション

監督 トニー・ランデル

出演 ケイリー・ダニエルズ、鷲尾いさ子、コスタス・マンデロア、マイケル・マクダウェル、クリス・ペン、パウロ・トーチャ、ダンテ・バスコ

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