ワンダーウーマン1984(WONDER WOMAN 1984)151分

投稿者: | 2020年12月27日

お薦め度 ★★★★★★★★☆☆

前作の足りなかった要素を十分補いつつ、孤独に戦い続けてきた主人公の一つだけのわがままが切なく、儚い、レディースアクションの新機軸!!

作品紹介

2020年12月18日公開

今回ご紹介するのは、アメコミDCコミックスのヒーローが活躍するSFアクションの第二弾です。

それでは、まずはあらすじから、

1984年、スミソニアン博物館で働く考古学者ダイアナ(ガル・ガドット)にはもう一つの顔があった。

それは、強大な力を持つ最強の戦士【ワンダーウーマン】として、人々の平和のために人知れず戦っていたのだった。

そんなある日、博物館から未知なる力を持つ石が、何者かによって持ち出された。

それを機に、世の中の均衡は乱れ、世界中が混乱に満ちようとしていた

石の危険性に気づいたダイアナは、石を求めて捜索を開始するのだった!?

颯爽と登場して、悪党を速攻で退治していく84年のワンダーウーマン

DCコミック原作のスーパーヒーローの映像化第二弾です。

本格的な活躍でいえば、その前の(バットマンVSスーパーマン)、(ジャスティスリーグ)を入れると4作目、という事になります。

バットマンVSスーパーマン)で美味しいお助けキャラとして初お目見えして以来、

前作では、本格的な主人公として初めて描かれた作品でしたので、少女時代から、アマゾン族として育ち、成長して、強大な力を手に入れて、

外から来た男性と知り合い、やがて旅立って大活躍していくまでが描かれていました。

女性が主人公の物語を女性監督が、女性目線のヒーローとして細かく描かれていました。

ただ、個人的には、少女時代から、始まっているのに、なんだか急に成長して大人になったころには、ほとんど強くなってしまっていたので、

ワンダーウーマンがいかにして強くなたのか?などの一番見たかった部分が残念ながら、省かれていましたので、若干不満の残る展開となっていました。

また、一応外の世界からやってきたクリス・パインと恋仲になりますが、男性をみるのも初めてで、

恋をするという事も初めて、というより、恋自体がようやく少し理解できている、ぐらいの展開でしたので、

後半の盛り上がるべきはずのシーンでも、いまいちぐっとくるところまでいけないようなラストとなっていました。

そこで、今回の作品ですが、

まさかの回想シーンとして、もう一度少女時代を描き直す、という前作の続きというより、もう一度(ワンダーウーマン)という物語を描き直すという丁寧な表現がされています。

一応、前作でアマゾン族はナチスと戦いを繰り広げて、相当なダメージを受けて主要なキャラクターも犠牲になってしまっているので、

おそらく、そういう悲劇が起こる以前の時期の回想シーンと思われますが、前作に登場したアマゾン族が再び登場し、少女時代の主人公の類まれなる才能と幼さゆえの慢心による挫折など、

後に最強戦士となるための修行時代が、しっかりと描かれています。

個人的には、もう、この最初の15分ほどの少女時代のシーンですでに前作よりも楽しめてしまいました。

冒頭の大活躍の少女時代

そこから始まって、1984年に時代を移しますが、

本作で描かれている84年は、衣装などだけで、コスプレ的にごまかしているタイプの表現だけではなく、

しっかりと、セットや、ロケーションなど、全体の雰囲気として違和感がないように84年感を表現しています。

クリス・パインのファッションも80年代風

ですので、その時代を生きた人間としては、なんとなく懐かしさを感じれる表現となっていました。

監督自身がその時代が好きで、良い面も悪い面も、前面に出ていたのが84年という時代で、

そこにワンダーウーマンが登場したら、面白くなる、という発想で本作の設定を思いついた、との事ですので、

恐らく、この時代に特に思い入れがあるのだろうと思われます。

前作から年代的には70年ぐらいたっていますが、歳はとりません。

で、前作で少し消化不良気味だった、クリス・パインとのラブロマンスですが、

本作では、前作で悲しいことになったクリス・パインがまさかの復活を遂げています。

詳しくは割愛しますが、コミック的でありながらも、一応納得はできる復活劇となっています。

で、そのクリス・パインと再びラブラブな時期に突入し、加えて過去の人間と現代(84年ですが)の世界とのカルチャーギャップコメディなども含めつつ、

後半になって、二人は大きな決断を迫られる事になります。

二人、というよりダイアナの決断です。

そこで、その重大な決断とダイアナの想いが板挟みとなります。

ずっと孤独に戦い続けてきたヒーローのたったひとつのわがまま。

物語展開的にも、もうそれしかないのですが、しかし、そこに至る物語が丁寧に積み上げられていますので、ラストの切なさは、

孤独に戦うヒーローものから生まれる切なさが一挙に凝縮されたようなクライマックスで、そこに珍しい女性ヒーローとしての女性目線の切なさも加わり、

尋常じゃない切ない盛り上がりを見せるラストとなっています。

まさに一作目で観たかったけれど、観れなかった本当の(ワンダーウーマン)という物語が、本作でやっと始まった、といった感じではないでしょうか。

ロマンチックな名場面も多いです。

また、主役二人の関係も切ないですが、敵役のチーターと実業家マックスの存在も、

アメコミのヴィラン特有の切ない暴走といった感じで、しっかりと感情移入してしまうようなドラマが展開されます。

巨大な力を持った石に振り回された末に、結果的に悪の道を突き進んでしまう、という、本来持っている愛の深さゆえの絶望感が上手く物語に溶け込んでいました。

特に、マックス演じるペドロ・パスカル自分の身の丈以上に頑張ろうとした挙句に、制御しきれなくなる後半の展開は、

むしろマックスの方を応援したくなるぐらいの名演技で、制御できなくなる自分自身と純粋な子供の願いとの間で揺れ動く

その切なさと、儚さに胸がぐっときてしまいます。

また、スタッフ側では、今回より参加の音楽担当の名匠ハンス・ジマーの名曲の数々も、物語をかなり効果的に盛り上げていました。

DCコミックシリーズでは(ダークナイト)シリーズもハンス・ジマーでしたので非常に相性が良いと思われます。

というように、明らかに前作よりもすべてにおいてパワーアップしている本作は、日本以外の地域では12月25日より配信もされているようで、

ちょっとディズニーの(ムーラン)を思わせる公開のされ方ですが、

日本では配信は無いようなので、その1週間前に予定より繰り上げてしっかり劇場で無事公開されました。

という事で、本作は前作以上に完成度の高いヒーロー作品となっていますので、大作映画の少ない昨今、映画館で鑑賞してみてはいかがでしょうか。

あと、おまけ的ではありますが、サプライズもありますので、

実際に鑑賞して確かめてみてください。

ファン感涙間違い無し、ですよ。

今回の宿敵、チーターの、まだ人間っぽい時期のバトル。後半にもっと動物度が増します。

作品情報

2020年製作 アメリカ製作 SFアクション

監督・製作・脚本・原案 パディ・ジェンキンス 制作 ザック・スナイダー、ガル・ガドット 音楽 ハンス・ジマー

出演 ガル・ガドット、クリス・パイン、クリスティン・ウィグ、ペドロ・パスカル、ロビン・ライト、コニー・ニールセン

今回の宿敵の二人。でも、なんだか切ない二人、、。

その他のヒーローが活躍する作品

同じDCコミックの世界観のヴィラン側のヒロインが活躍する(ハーレイクインの華麗なる覚醒)はこちら

アメコミ原作の不死身のヴィン・ディーゼルが活躍するSFアクション(ブラッドショット)はこちら

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