お薦め度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
悪魔と音楽の関係をミステリアスな謎解きで味付けした良質なゴシックホラー!!
作品紹介
2020年1月3日公開
今回ご紹介するのは、悪魔信仰と音楽の関係を描いたホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
バイオリニストとして成功しているローズ(フレイヤ・ティングリー)は、ある日、疎遠となっていた父の死を知る。
父は高名な作曲家マーロウ(ルトガー・ハウアー)で、彼が残した財産と屋敷、そして未発表だった【ソナタ54】という楽譜を相続する。
相続した屋敷に住み始めたローズだったが、その夜より、何者かの気配を感じるようになる、、、!?
相続した高名な作曲家の遺作に記載されている記号の謎を解いていく内に、恐るべき悪魔信仰の儀式にたどり着いてしまう、
という、ヨーロッパが舞台のゴシックホラーテイストのホラー作品です。
作曲家役でルトガー・ハウアーが出演しています。
出演シーンこそ少ないものの、作品全体を通して存在感が常に漂っていますので、今更ながら、その存在感の凄さに驚かされます。
物語の大筋としては、遺産として相続した屋敷と遺作の楽譜の謎解きがメインとなっていて、マネージャーのおじさんが助手的に謎解きの手伝いをしてくれます。
主人公が屋敷で怪奇現象に悩まされつつ、マネージャーが実際に調べ物をして物語を進める形で展開していき、案の定、マネージャーがだんだんと危ない道に踏み込んでいく、、
という展開となっています。
本作はホラー作品ですが、基本的にはそれほどグロいシーンなどはほとんどなく、どちらかというとミステリーに近い内容となっています。
メインは楽譜に遺された謎の記号の謎解きで、だんだんと謎が明らかになるにつれて、作曲家マーロウの恐ろしさが、明らかになっていきます。
後半のクライマックスは勿論、悪魔との対峙、という事になるのですが、ここに至って少々失速してしまいます。
そこまでの謎解きと、マネージャーの危うさが非常に丁寧に描かれていたので、ちょっと残念です。
あと、結構大きな雰囲気のある屋敷が舞台となっていて、景色も良く、ゴシックホラー雰囲気満点ですので、余計に後半の知り切れトンボ感は勿体ないですね。
それと、満を持して登場する悪魔が、結構CGバリバリのSF作品に登場しそうな分かり易く、はっきりとした悪魔だったのも、ちょっと残念です。
あと、クライマックスの悪魔登場時にいよいよマーロウが遺した完成版【ソナタ54】を演奏する事になりますが、
楽器はバイオリン一つだけなのに、ピアノや機械で加工した音が付け加えられている演奏、
つまり、バイオリンを中心にした普通に複数の演奏者たちが演奏した曲が流れているのは、流石にズルいのではないでしょうか。
音楽で悪魔的な部分を表現するのは難しいとは思いますが、本作のようにクライマックスで重要な鍵となるような曲は、
作品のメインでもありますので、そこだけはもうちょっと、どうにかならなかったものかと、思いますが、、。
そこに至る盛り上げ方が非常に秀逸だったので、勿体ないですね、、。
というわけで、クライマックスはさておき、作品全体を通してヨーロッパが舞台の雰囲気のあるゴシックホラーとなっていますので、
そういった作品がお好きな方でしたら、十分楽しめる作品となっていますので、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
良い雰囲気はしっかり味わえますよ。
作品情報
2018年製作 フランス・イギリス・ロシア・ラトビア製作 オカルトホラー
監督・脚本 アンドリュー・デズモンド
出演 フレイヤ・ティングリー、ルトガー・ハウアー、シモン・アブカリアン、ジェームズ・フォークナー
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