お薦め度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
やがて来る闇組織の襲来に備えるために、娘に武術を教え続けた母親と、多感な娘の逃避行を描いたインドネシア産の全編バトルアクション作品！！
作品紹介
2015年2月7日公開
今回ご紹介するのは、娘を守るために母親が闇組織と戦いを繰り広げるレディースアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
武術インストラクターであるサラ（ドミニク・ディヨセ）は、毎日嫌がる娘マルシャ（ベリンダ・カメシ）に武術の訓練を施していた。
多感な時期の訓練の毎日に、嫌気をさしたマルシャだったが、ある日突然何者かによって自宅を襲撃された事で、今までの日常は一変し、
母と二人での逃亡生活に突入する事になるのだった！？
（ザ・レイド）などで活気づいたインドネシア製作の格闘アクションありのレディースアクション作品です。
主演はモデルから俳優に転身した経歴を持つドミニク・ディヨセ、共演はハリウッドで活躍するサラ・カーターこと、サラ・サンガン・カーターです。
本作以外では、香港出身のコーリー・ユエン監督がハリウッドで製作し、ケイン・コスギも出演していた（デッド・オア・アライブ）や、人気シリーズ（ファイナルデスティネーション）シリーズの第2弾（デッドコースター）などに出演していました。
ですので、本作はインドネシア映画ではありますが、ハリウッド女優が結構重要な役で出演している作品という事で、
アメリカ版ポスターでは、主役を差し置いて（というか主役は全く写真さえ乗せる事なく）、サラ・カーターの単独主演作品のイメージで売られています。
確かに重要な役ではありますが、役柄的には守護者ではなく、守護させるような事をする側の人間なのですが、、。
という事で、ハリウッド女優が参加している作品なので、国際的なマーケットを狙った作品となっています。
そのため、インドネシア国外の人が鑑賞しても万国共通で楽しめるように、説明は極端に少なくし、アクションメインで展開するような構成になっています。
ただ、この説明を省いた演出ですが、本作の場合、展開やアクションを盛り上げるために必要な最低限の説明さえ省いてしまっているので、
終始、母親が何故戦っているのか？何故闇組織に追われているのか？などの理由がずっと分からず、その説明不足に対する多感な娘のいら立ちが、
観ているこちらにも伝わってきて、やがてそのいらだっている娘自身を観ている事自体にいらだちを覚えるようになってしまいます。
正直、大体の事は予測できるような展開ではありますが、それでも説明を適度に挿入してもらえないと、戦う理由がはっきりしないので、
アクション自体にもいまいち感情移入することができないままに、一応説明のある後半までずっとその状態が続いてしまいます。
そのため、いくら危機の連続になっても、どうしても主人公親子を応援するような気持ちになれないままに鑑賞している時間が長いために、
物凄いバトルが繰り広げられているにも関わらず、ハラハラドキドキ感が薄く、終始他人事のように感じてしまいますので、アクション映画にとっては、ちょっと残念な部分となっています。
そのアクションですが、モデル出身の主演女優、という事で武術的なアクションができないのは分かりますが、それを誤魔化すためのカメラワークが、
90年代にジェリー・ブラッカイマー作品で流行っていたようなブレブレのカメラワークにプラスして、引いたり寄ったりの繰り返しを適当に入れる手法で、
アクションシーンになるたびに、登場人物たちが、何をしているのか全く分からなくなります。
それ以外のアクションでも、この手法が積極的に取り入れられていますので、作品全体の70％ぐらいがアクション、というようなアクションメインの本作で、
そのほとんどが何をやっているのか分からないブレブレ画面を見続ける、というなかなか、ある意味本作のアクションシーンを観る行為自体が、アクション体験をしているような、
体力（視力）を必要とする作品となっています。
そのアクション自体も、格闘アクションは意外に少な目で、マシンガンを乱射するような無茶口茶なガンバトルが中心となっています。
香港映画風に二丁拳銃で撃ち合うようなカッコ良いタイプのガンバトルではなく、マシンガンをただ乱射する、というようなアクションです。
そんなアクションが長時間続いた中、結構活躍していた登場人物が離脱していってしまいますが、結構キャラ立ちしそうな美女ばかりでしたので、
この辺のあっさり感も、非常に勿体ないですね。
という事で、面白くなりそうな設定と美女率の高さがレディースアクションの傑作になりそうながらも、結果的に画面酔いと、目の疲れのみが残ってしまう作品ではありますが、
一応、ケラン・ランツ、ミッキー・ローク主演でインドネシアで製作された（パーフェクトヒート）のアクションスタッフが製作したアクションシーンですので、
そちらがお気に入りの方やアクション好きの方など、一度ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
2014年製作 インドネシア製作 レディースアクション
監督・脚本 ヘルフィ・カルディット
出演 ドミニク・ディヨンセ、サラ・サンガン・カーター、ティオ・パクサデウォ、ベリンダ・カメシ
その他のレディースアクション作品
POV撮影の上手さと、ダニエル・チャクランの女ドラゴンぶりが痛快な（ノックアウト）はこちら
↓ランキングに参加しています。宜しければ下記をクリックお願い致します↓