ケルベロス 紅の狼(0 DOUTRINADOR/THE AWAKENER)108分

投稿者: | 2021年6月16日

お薦め度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

ブラジルの人気コミックのダークヒーローを映像化!!復讐に燃えるヒーローが腐敗した政治家を容赦なく殺害していく必殺!!仕事人なアクション作品!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、ブラジルの人気ヒーローコミックの映画化作品です。

それでは、まずはあらすじから、

国家特殊武装班に所属するミゲルは、娘とサッカーの試合を見に行くために路上を歩いているときに、何者かに銃で発砲され、娘が銃弾に撃たれてしまう。

さらに救急で運び込まれた病院は、設備が不十分で、十分な医療を受ける事が出来ずに、命を落としてしまう。

医療機関の設備の不備は、政界での汚職などで、資金が公共の施設まで十分に行き届いていない、というブラジル社会の闇の問題でもあった。

怒りが頂点に達したミゲルは、腐敗したブラジル社会の巨悪を裁くために、マスクを被り、暗殺者として闇夜に身を隠していく、、、!?

基本は鍛えた体ひとつで巨悪を倒す!!特殊能力とかは一切なし!!

ブラジル産のダークヒーローコミックの映像化作品です。

原作コミックはface bookで配信されていたようです。

どう考えても、そのビジュアルから押井守監督の(紅い眼)や(人狼)などのシリーズの影響を大きく受けているような気がしますが、

基本的には無関係の作品となっています。

それにしても、日本盤のDVDジャケットと邦題は、どう考えてもあやかっているようにしか見えませんが、、。

という事で、ブラジル独自のダークヒーローが活躍するアクション作品となっています。

原作は未読ですので、どこまで原作に忠実に映画化されているのかは判断できませんが、本作の内容としては、なかなかブラジル社会を辛辣に批判した物語となっています。

まず、主人公は国家特殊武装班に勤務し、離婚した奥さんと、小学生ぐらいの幼い娘がいます。

離婚はしているものの、険悪なムードではなく、今日も娘と一緒に二人でサッカースタジアムに試合を見に行く予定です。

で、スタジアムに向かう途中、渋滞で試合開始に遅れそうだったので、歩いてスタジアムに向かう事にします。

そこで、とんでもない事件が起こってしまいます。

スタジアムに向かうストリートはお祭り騒ぎ状態ですが、その喧騒の中、娘が銃で撃たれてしまうんです。

何故撃たれたのか?流れ弾か?狙撃されたのか?などは、何も把握できないままに病院につれていきます。

しかし、飛び込んだ病院では、政府からの医療費のカットなどが原因で十分な措置が行われずに、命を落としてしまいます。

この医療施設や公共機関の設備の不備などはブラジルでは問題になっているようで、その原因として、本作では政治腐敗が当然の事のように存在して、

横領や賄賂が政界で横行しているため、だと表現しています。

ブラジルの文化に疎いので、どこまでが確信を得て描かれているのかは、分かりませんが、そのままではないにしても、ある程度大なり小なり、そういった事は問題になっているのではないでしょうか。

そんな、状況のブラジルで、幼い娘を失った主人公の怒りは、頂点に達します。

娘がちゃんとした治療を受ける事が出来なかったのは、腐敗した政治家たちのせいだ、と。

かなり飛躍した考えですが、主人公の怒りの矛先は、完全に汚職の疑惑のある政治家たちに向けられます。

で、そのまま抗議デモに参加し、そこをガードしている警官隊ともみ合いになります。

騒動を鎮圧するために催涙ガスのようなものが警官隊よりまかれ、混沌とした状態で、警察官より暴力を受けた主人公が倒れたところに、偶然ガスマスクが落ちてきます

で、催涙ガスが煙る中、(啓発者)であるヒーローが誕生する、という流れとなっています。

暴動中にヒーロー爆誕!!

その後、ヒーローは、このマスクを被り、政治家たちを次々に有無を言わさず処刑していく、というハリウッド製のヒーローものではあまり見かけないような展開になっていきます。

ヒーローとして描かれてはいますが、やっている事は、政治家ばかりを狙う連続殺人です。

一応、物語上、政治家は分かり易く極端に腐敗している完全な悪人、という描かれ方ではありますが、ハリウッド作品などのように、強く懲らしめたり、汚職の事実を言い逃れができないように公表する、

程度の制裁ではなく、本作では完全に処刑します。

しかも、発端は娘の復讐、という個人的な恨みです。

さらに、その過程で、ラスボスを射殺するはずが、誤って無実の息子の方を誤射して殺してしまう、という大罪を犯してしまいますが、それほど気に病むことなく、物語は進んでいきます。

そこまで行ってしまうなら、正義を追求するあまり、行動がエスカレートして何が正義か分からなくなってしまい、結果的に自身が殺人鬼のようになってしまう

というような展開ですと、それはそれで良かったのですが、本作の場合、それでも正義のヒーローとして物語の終幕まで進んでしまいます。

見かけが意外にカッコ良いので、ダークヒーローとしても、申し分ないのですが、普段ハリウッドのヒーロー作品を見慣れている人にとっては、ちょっと違和感の残る作品と言えるかもしれません、

だいたい、娘が何故撃たれたのか?撃った犯人は誰なのか?

という肝心の部分は全く解明されていませんし、主人公は娘を直接殺した犯人を捜索しようともしませんでした。

その犯人を放っておいて、腐敗した政治家を裁く、という見当違いの方向に突き進んでしまっているので、なかなかカタルシスを感じるところまで行けないのが勿体ないですね。

撃った犯人を倒してから、そんな犯人を作り出した社会の悪を裁く、という展開でしたら良かったのですが、、。

という事で、ブラジル産の独特の内容と雰囲気の漂う作品となっていますので、一風変わったヒーローものを鑑賞してみたい、といった方向けの作品ですので、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

なんとなく、続編もありそうですよ。

相棒の警察官とも敵対することに、、

作品情報

2018年製作 ブラジル コミックアクション

監督 グスタヴォ・ボナフェ

出演 キコ・ピソラート、タイナ・メディナ、サミュエル・デ・アシス、マリリア・ガブリエラ

次々と悪人を血祭りにあげていくダークヒーロー

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