【推薦!香港映画】神探大戦(神探大戦DETECTIVE VS. SLEUTHS)101分

投稿者: | 2024年6月13日

おすすめ度 ★★★★★★★★☆☆

ジョニー・トー、ワイ・カーファイ共同監督の(MAD探偵 7人の容疑者)に登場した神探を、再びラウ・チンワンが演じ、凶悪事件を次々と解決するアップテンポで規模の大きいミステリーアクション!!TWINSのシャーリーン・チョイも出てます!

作品紹介

2024年2月23日公開

今回ご紹介する作品は、(MAD探偵 7人の容疑者)の姉妹編とも言えるミステリーアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

ある夜、3人の人物が生きたまま焼かれるという事件が発生した。

しかし、被害者達は、20年前に発生した未解決殺人事件の容疑者となった男達で、今回の事件も、その未解決事件の犯行を真似たものだった。

そして、その事件現場には(神探)というメッセージが残されていた。

かつて天才的な閃きと推理力を持ち(神探)と呼ばれながらも、精神異常を理由に警察を解雇された元刑事レイは、再び行動を開始し、事件解決に奔走する!?

監督は、前作(MAD探偵 7人の容疑者)(詳しくはこちら)を盟友ジョニー・トーと共同監督し、チョウ・ユンファ主演の(大陸英雄伝)等も監督しているワイ・カーファイで、

前作の設定をさらに発展させたミステリーアクション大作を演出しています。

ワイ・カーファイ

主人公の神探役を演じているのは、前作でも同役を演じ、ワイ・カーファイ作品には(ヒーロー・ネバーダイ)や(ロンゲストナイト)等にも出演している

ラウ・チンワンで、前作の特徴的なキャラクターをさらに推し進めたような名演を披露しています。

本作のラウ・チンワン
ラウ・チンワン

で、成り行きでバディとなっていく女性刑事役で、アイドルユニットTWINSとしても活躍し、(ツインズエフェクト)や

アンディ・ラウ、トニー・レオン共演の新作(金手指)等のシャーリーン・チョイが登場し、事件の被害者且つ捜査する側、

という珍しい役柄を、シリアスな演技で好演しています。

本作のシャーリーン・チョイ
シャーリーン・チョイ

で、阿SA(シャーリーンの愛称)の夫であり、香港警察の特捜部を率いている刑事役で、ジェット・リー主演の(白蛇伝説)や(ドラゴンコップ)等の

レイモンド・ラムが登場し、ラウ・チンワンを追い詰めていきます。

本作のレイモンド・ラム
レイモンド・ラム

で、香港警察の幹部役で、(ファイヤーライン)や(愛に目覚めて)(詳しくはこちら)等のジョニー・トー組みの作品で、

ラウ・チンワンとも共演の多いカルメン・リーが登場し、立場的にラウ・チンワンを追い詰めていきます。

本作のカルメン・リー
カルメン・リー

そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、過去に発生した事件として、連続誘拐殺人事件の犯人と警察の攻防と、

警察官が警察官に襲われるも、容疑者、被疑者が全員死亡する、というショッキングな事件(魔警事件)が、足早に描かれるシーンから始まります。

で、(魔警事件)の方は、容疑者が身内という事で、警察も記者会見で、捜査の結果を発表し、一人の警察官が、2人の警察官を連続で射殺した過程(推理ですが、、)を発表します。

しかし、その記者会見場に突然、警察を精神異常という理由で解雇された元刑事であるレイ(ラウ・チンワン)が登場し、

警察官の一人を押さえつけて銃を奪い、実際に起きた出来事の一部始終を再現しますが、当然取り押さえられて拘束されてしまいます。

実は、現場には、もう一人の人物、つまり真犯人が存在して、一人の警察官を押さえつけて、その背後から二人の警察官を先に射殺し、その後に押さえつけていた警察官も射殺した、

という突飛な真相で、勿論物的証拠は無いので、誰にも相手にされませんが、記者が集まっていますので話題にはなり、さらに連行される際に

レイ『俺には見える!俺は神探(神の捜査官)だーー!!。

と絶叫しながら連行されてしまいますので、

一躍全国的な、本来とはちょっと別な意味での

元あぶない刑事

として話題をさらう事になります。

で、そこから14年の年月が経過し、本作の本編へと突入していく事になります。

その頃、巷では3人の未解決事件の元容疑者が、生きたまま焼き殺される、という事件が発生し、その殺害の方法も以前発生した未解決事件を再現していて、

さらに、現場にその未解決事件や、その他の数々の未解決事件の事件番号と(神探)の文字を証拠として残していく、

というある意味、非常にメッセージ性のある犯行が行われます。

で、(神探)という言葉から、速攻で、レイが容疑者にあがりますが、レイ自身は、その異常な行動や言動によって、

世間の誰からも相手にされなくなってしまい、娘にも愛想をつかされ、ほぼ路上生活のような状況になってしまっています。

ただ、レイはその後も未解決事件を次々と独自の推理で、犯人まで示していて常に訴えかけてはいますので、今回の事件も積極的に関わっていきます。

で、その色んな意味で真実が見えてしまう能力で、今回行われている未解決事件の容疑者が逆に被害者として殺害されるという変わった事件も、

全ての被害者(つまり過去の事件の加害者たち)は、既にレイによって過去に犯人だと特定されている、という事が判明し、今度は逆にレイが第一容疑者として追われる身となってしまいます。

しかし、レイの周りが全員敵かと言うと、そうでもなく、警察内部にも、もしかするとレイは精神異常者ではなく、本当にレイにしか見えない形で、真実が見えているのかも、、、?

と思い始める女性刑事(阿SA)が登場します。

しかし、阿SAには実は暗い過去があり、14年前、実は阿SA自身も、あの誘拐殺人犯に誘拐され、殺害される寸前に自力で逃げ出してきていた被害者の一人でもあった、、、

、、、、、、という流れで、

元あぶない刑事と被害者としての過去を持つ現役女性刑事

の奇妙なバディが、連続殺人事件の捜査に挑む、、、というのが大体の大筋となっています。

冒頭からいきなり、数々の事件が足早に説明され、そこから、本編では14年も経過し、さらに複数の事件に関する事件が展開されていく、という非常にテンポの速い展開で、

さらに、その中心にいる主人公が、

人の内面や本心、本性、そして存在するなら別人格、さらに死者の想い等、普通の人には絶対に見えない部分が、はっきりと見えて、

さらに、その本心や内面の言動を、全て自分の身体で表現する(他人からは一人で、自分と他人役を演じているように見える)

という、

かなり特殊なキャラクター設定も加わっていますので、恐らく前作を鑑賞していないと、早すぎる展開と、

特殊過ぎる主人公設定に、着いて行こうとしても、全然理解が追い付かない、という状況に陥ってしまう方もいるのではないでしょうか。

本人は勇ましく銃を撃っているつもりですが、、、、
実際、他人からはこう見えています。

全作製作から、15年後に製作されたシリーズ作品なので、続編ではなく、設定をある程度継承したシリーズ仕切り直し作品といった感じですが、

やはり、主人公のキャラクター設定を把握しているだけでも、本作への没入度は全然変わってくると思われますので、

ご鑑賞できる機会があるようでしたら、是非とも前作を鑑賞してから、本作のご鑑賞をお勧めします。

前作の主人公

普通の人が絶対に見えないものが、はっきりと見えてしまう異能を持つ、ある意味神のような捜査官、

というファンタジックなキャラクターではありますので、勿論辻褄が合わない部分等は多々ありますが、

そういう部分も含めて、中盤あたりまで進むと、段々とキャラクター設定も理解できると思いますので、

予想以上に大掛かりなアクションと、事件や真犯人の意外性等、難事件のミステリー要素もしっかりと楽しむ事ができるようになっていきます。

特に、女人街での大規模な犯人との攻防戦は、他の香港映画でもあまり見た事が無いぐらいの規模で、香港観光に行かれた経験のある方も、

恐らく必ず行く有名な場所ですので、そういう意味でも楽しめるのではないでしょうか。

また、最近の出演作品では、長い間落ち着いた感じの役柄の多かったラウ・チンワンも、本作では、かつての勢いのあった頃のワイルドな演技が炸裂し、

その言動に注目せずにはいられないぐらいの吸引力で、変わった設定、捻りの効いたミステリー、大規模で危険度の高いアクション世界をグイグイと引っ張っていきます。

という事で、(MAD探偵)はダークな精神面を描いたそれほど規模の大きくないミステリーアクションでしたが、

本作は、その設定を大作規模へと拡大して、さらに個性的な主人公の異常性とヒーロー性を上手くブレンドし直して描き直した神探の完成形とも言えるぐらいにまとまった秀作となっています。

最終的には、暗い内容で締めくくらずに、今後の続編も期待できるような、粋なエンディングとなっていて、

結構な出来事が巻き起こる割には、意外に後味の良い作品となっていますので、香港映画好きの方や、前作ご鑑賞済の方等、是非ご鑑賞してみてください。

面白いですよ。

あと、阿SA、もう40歳越えているので特捜隊のマダム役は違和感ない年齢ですが、20歳代後半から30歳代前半ぐらいにしか見えないですね、、、。

カルメン・リーは上層部に見えますけど、、。

作品情報

2022年製作 香港・中国製作 サスペンスアクション

監督・脚本・製作 ワイ・カーファイ

出演 ラウ・チンワン、シャーリーン・チョイ、レイモンド・ラム、カルメン・リー、タン・カイ、カルロス・チェン、キャー・ユエン、ジーナ・ホー、ティミー・ハン

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