おすすめ度 ★★★★★★★☆☆☆
サモ・ハン作品でお馴染みのマン・ホイが主演し、バラエティ豊かなウォン・チェンリーの羅漢拳と激突するコメディカンフーアクション!!
作品紹介
今回ご紹介するのは、(天空の剣)等のマン・ホイが主演するカンフーアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ある寺の雑用係として働くホイは、いつも寺では僧侶に虐められる毎日を送っていた。
そんなホイをいつも励まし慰めてくれるのは、姉のような存在のメイと、世捨て人ような生活を送っている三六和尚だけだった。
そんなある日、寺に視察に訪れた皇太子の暗殺計画を阻止した事で、皇太子に気に入られ腹心の部下へと大抜擢されるが、
皇太子にはある秘密が隠されていた、、、!?
サモ・ハン作品でお馴染みのマン・ホイ主演のコメディカンフーアクション作品です。
ブルース・リャン主演の(帰ってきたドラゴン)や、サモ・ハンキンポー主演の(プロジェクトD)(詳しくはこちら)、
同じくサモ・ハンのホラーアクション(鬼喰う鬼)(詳しくはこちら)や(ギャンブリングゴースト)(詳しくはこちら)等、
主人公の引き立て役などが多いマン・ホイですが、本作では完全な単独主演で、他のカンフースターの様に自らをアピールするカンフーヒーローを演じています。
しかも、師匠役は同じくサモ・ハン作品等で有名なチン・ユッサーンで、ラスボス役が(ドランクモンキー酔拳)(真説少林寺)(詳しくはこちら)等の名悪役ウォン・チェンリーという、
カンフー映画としては物凄く豪華なキャストが実現したハイレベルカンフーアクション作品となっています。
物語は、海印寺という大きめの寺で、幼い頃から寺の雑用係として離れで住み込みで働くマン・ホイ(役名もホイ)の忙しい日々から始まります。
結構人数のいる寺の僧侶の衣服の洗濯や掃除(恐らく食事等も)を、同じく離れで一緒に暮らす母親代わりとも言える女性メイ(若いのでお姉さんぐらい)と一緒にせっせとこなしています。
さらに、別の離れ(というか、その辺りの隙間)に住んでいる寺の変わり者の住職、三六和尚とも仲が良く、
寺からすると、ちょっと異端な存在である二人(お姉さんは、そこには入らないよいうです)は気が合うらしく、
和尚の好物である動物の肉(直接的な表現はありませんが、まさかの人間の一番のお友達の動物です、、)を煮込んでいると、
姿が見えなくても、匂いにつられて飛んでくる、という具合に、〇肉鍋をふるまって和気あいあいと暮らしています。
しかし、カンフー映画の常ですが、そんなホイは、真面目ながらも寺の若い僧侶からはいじめを受けていて、
何をやってもからかわれて、しっかり掃除をしても、常に床を拭け、と命じられます。
それでも、なんとかこなしているホイですが、ある日洗濯物の量も半端なく、寺中をピカピカにするようにいつも以上に厳しく指導されます。
理由を聞いて見ると、寺の視察に皇太子が一行を連れてやって来る、という事で、その視察に合わせて総出で準備をしているようです(でも掃除と洗濯はホイと義理のお姉さんのみ、、)。
で、そんな忙しい最中、ホイが洗濯物を持って寺をいそいそと歩いていると、曲がり角で馴染みのない僧侶とぶつかってしまいます。
で、ほとんどの僧侶の顔を覚えているホイでも、その僧侶にはピンとこず、なんとなく怪しい雰囲気を発しているので気になる存在となってしまいます。
というタイミングで、いよいよ皇太子のお着き、という事で、ウォン・チェンリー演じる皇太子が到着します。
普段悪党のボスや殺し屋、囚人等の悪の匂いのする役柄の多いウォン・チェンリーがまさかの豪華な衣装に包んで籠に揺られてくる、
という登場の仕方も意表をついていますが、立派な衣装に身を包んで登場する(ドラゴン修行房)等のジミーさん作品でお馴染みのルン・フェイが登場するのも意外な配役となっています。
そんな、高貴な二人が登場し、寺にお参りをしウォン・チェンリーが満足げな表情を浮かべている最中に事件は起こります。
あの、怪しい僧侶が懐からナイフを取り出し皇太子にまさに襲い掛かろうとしたその時、、、
扉の影から覗いていたホイが、『刺客だっ!』と叫んで、そのおかげでウォン・チェンリーも防御がとれて、
部下たちも反撃に打って出る事ができる、というまさにホイの一言で、暗殺者から皇太子の命が救われるという大手柄を上げる事になります。
そのホイを気に入ったウォン・チェンリーは、そのままホイを腹心の部下として迎え入れて、それまでの部下よりも高い位置に配置する事になります。
で、認められた事で調子に乗りまくってしまうホイは、その後海印寺に帰っても、それまで自分をいじめてきた僧侶たちに意地悪をし返して復讐する、
という物凄く細かい復讐を果たしつつ、調子に乗った勢いで賭場に出かけ、そこでまた調子に乗りまくりますが、
当然カンフー映画の常として、結局賭場側と揉め事になり喧嘩へと発展していきます。
そうは言っても、まだホイは強くはありませんので、弱い立場ですが、部下がいるので、代わりに戦わせようとしますが、
既に部下からは反感を買い、何ならその喧嘩は、その部下によって誘導されていたので、部下は速攻で逃げ出し、ホイはコテンパンにやっつけられてしまいます。
と、いうところでホイ絶体絶命のピンチを三六和尚が救ってくれる事になります。
で、それまでのいきさつを説明してみると、三六和尚には何やら思うところがあるようで、謎のベールに包まれた皇太子の様子を探って欲しいとホイにお願いしてきます。
ホイも気心の知れた和尚、しかも命まで救ってくれた和尚なので、その申し出を受け、皇太子の秘密の部屋を覗いてみると、、、
そこでは、秘拳、羅漢拳の鍛錬を積むウォン・チェンリーの姿が見られます。
狂ったような動きをしたかと思うと今度は突然笑い出し、次には眠っているような動作のまま、激しいカンフーを繰り広げる、
という感じで、凄まじい型の練習が繰り広げられているのを目の当たりします。
で、その覗いた様子を三六和尚に報告するホイですが、そのホイが報告する様子を、さらに監視していた部下(賭場でもハメた部下)が、
ウォン・チェンリーに報告し、今度はウォン・チェンリーが三六和尚の存在をさらに監視させる、という事で、
物語はホイを中心にしながらもウォン・チェンリーと三六和尚の腹の探り合いへと発展していきます。
ややこしいです。
で、三六和尚側はウォン・チェンリーの謎の羅漢拳を調べるために、ホイになんとかウォン・チェンリーに羅漢拳を指導してもらうように頼んできます。
普通なら、秘密の特訓を重ねるような秘拳ですので、簡単に他人に教えるとは思えませんが、なにせ、三六和尚がそのように仕向けている、という事を把握しているウォン・チェンリーですので、
そこはあえてその頼みを聞き、羅漢拳を指導する日々が続きます。
で、ホイは見に付けた羅漢拳を三六和尚に見せつつ、三六和尚からも秘技佛掌拳を教わり始めます。
これで、なんとなく二つの流派の拳を同時に習得していく事になります。
で、そんな訓練を続けるある日、ウォン・チェンリーの前でたまたま三六和尚に教わった佛掌拳を使用すると、
ウォン・チェンリーは顔色を変えて、その技を指導してくれた師匠に是非会いたい、という事で、なんとなくの成り行きで、二人の達人が顔を合わせる事になります。
で、ついにその時がやって来て初顔顔合わせが実現すると、ウォン・チェンリーが所属する羅漢門は、好戦的な門派で、
ライバル門派である佛掌派の根絶を目論んでいて、その継承者である三六和尚の命を狙っていた、というまさかの展開に突入していきます。
まさかの主人公ホイ、無関係です。
で、そこから因縁の対決の後、やっと事の重大を把握したホイは、皇太子の下を離れ、ウォン・チェンリーとの戦いに敗れた三六和尚に本格的に弟子入りし、
最後の決戦へと突入していく、というところまできて、やっと安心のカンフー映画の王道展開へと突入していきます。
メイン展開に行き着くまでが、かなり変化球ですが、この腹の探り合いにプラスして、皇太子を暗殺しようとした反政府組織(数人程度)の物語が挿入されますので、
さらにややこしくなってしまいます。
この組織のリーダーが意外な人物(結構冒頭で正体を明かしてしまいますが)で、一応その人物との出来事があって、
主人公は自分を見つめ直して成長し、三六和尚に本格的に師事するという流れにはなりますので、一応重要ではるのですが、
メインの羅漢門と佛掌門の物語とは無関係のエピソード(それを言うと主人公ホイも物語の本筋とは微妙に無関係な存在ですが)ですので、
結局は暗殺や革命などの話は後半はほとんど登場しなくなってしまうのが少々残念です。
ただ、物語は本筋に入るまでは行ったり来たりするものの、クライマックスのウォン・チェンリーとマン・ホイのバトルは凄まじく、
特にウォン・チェンリーの披露するバラエティ豊かな羅漢拳の数々が、むしろ主役のマン・ホイ以上に魅力的に描かれていますので、
ウォン・チェンリー作品中でも、かなりの名勝負に入るレベルの激戦となっています。
これも、武術指導も担当しているチン・ユッサーンとコーリー・ユエンの素晴らしい動作指導と、主演二人の身体能力の高さゆえの事だと思われます。
という事で、ストーリーは少々ややこしいですが、後半のアクションシーンは、かなり楽しめる名勝負となっていますので、
カンフー映画好きの方は機会がありましたら、是非ご鑑賞してみてください。
作品情報
1980年製作 香港製作 カンフーアクション
監督 トン・チンフー 武術指導 コーリー・ユエン、チン・ユッサーン
出演 マン・ホイ、ウォン・チェンリー、チン・ユッサーン、ルン・フェイ、コーリー・ユエン
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