おすすめ度 ★★★★★★★★☆☆
渋さを増したシェー・ミャオが、実験によってゾンビ化した虎の群れに囲まれた街から脱出するため、生き残った人々と共に、激闘を繰り広げる、武侠+ゾンビ+アニマルパニックという安易そうな設定ながらも、後半にかけてしっかりと盛り上がるアクション満載の武侠モンスター活劇!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、渋みを増したシェー・ミャオが大活躍する武侠モンスター活劇です。
それでは、まずはあらすじから、
明朝37年、力を増した宦官たちは、王朝を腐敗させ、圧政を強いり、非道の限りを尽くしていた。
さらに、永遠の支配を望んだ宦官によって、虎を使った不老不死の秘薬の開発実験が進められるが、その過程で発生したウィルスによって虎は狂暴化し、人々を襲い始める。
あまりの非道ぶりに秘密警察・錦衣衛を辞職したチャンは、弟に会うためにある街を訪れるが、そこで世に放たれた無数の狂暴な虎と遭遇するのだった!?
監督は、製作者として(东北警察故事2)等でもシェー・ミャオとコンビを組んでいるリウ・ウェンプーで、
武侠アクションとモンスターパニックとゾンビホラーを融合させた奇抜な作品世界を独特の感性で創造しています。
主演は。(盲剣楼)(詳しくはこちら)や(武神)(詳しくはこちら)等、近年渋さを増したキャラクターを好演しているシェー・ミャオで、
その類まれな身体能力を活かしたアクションシーンの数々で、ヒーロー役を好演しています。
で、ヒロイン役で、(简言的夏冬)等のテレビドラマで活躍しているホン・ジャー二ンが登場し、ゾンビタイガーとバトルを繰り広げていきます。
で、シェー・ミャオに命を救われる少女役で、(超能太监2之黄金右手)等に出演しているジン・イェンチャオが当登場し、
子供ながらも、しっかりとした強い意思を持ったキャラクターを好演しています。
そんな、スタッフ・キャストで製作された本作の物語は、明朝時代、宦官の台頭によって腐敗した王朝は、
秘密警察である錦衣衛でさえ悪の限りを尽くす中、正義の心を持つ錦衣衛シェー・ミャオが、世話になった恩人が虐殺された事でついに我慢が限界に達し、
同僚である錦衣衛をその場で斬ってしまい、恩人の娘の命を助けてそのまま逃亡者となるシーンから始まります。
で、その頃王朝では、権力者によって、虎の心臓を使った不死の秘薬の精製実験が進められ、多くの虎を実験材料にし、
その実験中に、一匹の虎に危険なウィルスが発生し、狂犬病のような状態になる、という事件が巻き起こります。
で、そのウィルスは虎の間で大量に拡散し、多くの虎が暴れ狂う事態になり、シェー・ミャオ演じるシャー・ミャオの弟(一人二役)と、
ホン・ジャー二ン演じるヒロインのコンビが、虎の生態に詳しい、という事で虎狩り部隊に編成され、暴れ狂う虎を退治しようとしますが、
予想以上にウィルスの拡散は早く、狂暴化(ゾンビ化)した虎が群れを成すぐらいにまで増殖し、弟シェー・ミャオはホン・ジャー二ンを庇い犠牲になってしまいます。
で、弟シェー・ミャオが、大切にしていた兄所有の物と二つで一組の飾りを託されたホンは、ある村へとやってきますが、
そこでも、さらに虎の襲撃を受け大騒動になっている所で、恩人の娘とその村に着ていたシェー・ミャオ兄と遭遇し、行動を共にする事になります。
で、多くの村人が犠牲になる中、ゾンビタイガーを撃退するための手段を知らべていると、宦官が行っていた秘密実験の事実が明らかになるとともに、
ある弱点も発覚し、準備を整えたシェー・ミャオチームと、重武装の宦官チームが、お互い牽制しながら、
ゾンビタイガーに囲まれた村からの脱出作戦を開始する、というのが見所となっていきます。
前半等は(グランドマスター)以降の武術系作品でありがちな、大雨の中でのスローを多用しながらの、水しぶきバシャバシャアクション等、既視感の香るシーンが多いですが、
いざ本格的にゾンビタイガーが暴れ廻ってのアクションとなると、非常にテンポ良く、緊迫感を煽るパニックアクション描写と、暗く粗目のトーンの世界観に合ったゾンビタイガーの表現、
そしてシェー・ミャオのしっかりしたアクション、と雰囲気満点の見所満載の作品となっています。
しかもメインであるゾンビタイガーは、低予算作品にありがちな、ちょい見せ程度ではなく、全体的に短い作品ながらも、
しっかりと時間をかけて人々に襲い掛かるという、的確なバランスで、作品全体の驚異の対象として存在感を放っています。
また、渋みを増したシェー・ミャオの演技や、ゾンビタイガーの弱点を発見してからのクライマックスへの展開、
そして、そもそもの発端である不死身の薬の登場等、後半は非常に盛り上がる、グッとくる展開の連続となっています。
クライマックスからエンドロール、そしてその後にかけて、日本作曲家、田辺恵二、ナカシマヤスヒロによるBGMや、
レトロ漫画チックな背景アニメーション等、監督のセンスが光る、次回作への期待感が高まるエンディングとなっています。
という事で、渋さを増したシェー・ミャオが活躍する、短いながらも引き込まれる武侠ゾンビアニマルパニックアクションとなっていますので、
中国映画好きの方や、アニマルパニック好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
2022年製作 中国製作 武侠モンスターパニックアクション
監督 リウ・ウェンプー 音楽 田辺恵二、ナカシマヤスヒロ
出演 シェー・ミャオ、ホン・ジャー二ン、ジン・イェンチャオ、シー・ズーチェン、シャン・ハオ、チャン・ハオスン
↓ランキングに参加しています。もし、宜しければ下記をクリックお願い致します↓
映画評論・レビューランキング
にほんブログ村