【レア作品!カンフー映画】秘録ブルース・リー物語(BRUCE LEE FIGHTS BACK FROM THE GRAVE)84分

投稿者: | 2023年2月16日

カンフー映画としてのおすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

亡きブルース・リーが蘇って激闘を繰り広げる、というトンデモ展開ながらも、アクション自体は意外としっかり目で、無名時代の若きショー・コスギまで登場するアメリカ・韓国合作のカンフーアクション!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、アメリカと韓国合作のカンフーアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

3年ぶりにアメリカに帰って来たウォンは、旧友で道場経営者ハンを訪ねるが、ハンは既に亡くなっていて、

その死には5人の謎の男たちが関わっている事実を知るのだった。

ハンの死の謎を解く事を決意したウォンは、5人の男たちと、その後ろに潜む黒幕を倒すために戦いを開始する!?

一応、アメリカと韓国合作の現代カンフーアクション作品です。

ただ、日本版VHSジャケット(本国版もほとんど同じですが)のデザインからも分かるように、存在自体が非常にカオスで、

内容的には韓国の国旗がやたらと映ったり、明らかに韓国の空港をロサンゼルスに見立てて押し切っていたり、

という感じで、英語に吹き替えられてはいるものの、韓国要素が見え隠れする上に、作品内の監督クレジットは、

日本でも劇場公開された韓国エロスシリーズ(桑の葉)のイ・ドゥヨンが表記され、米国の映画データベースでもイ・ドゥヨン監督作品と表記されていますが、

日本版のVHSジャケットや、日本のデータベースだと監督はバート・レンジィと表記されています。

バート・レンジィは(人喰族)や、(ブラックデモンズ)等のイタリア映画界で有名なB級作品監督ウンベルト・レンツィの別名ですので、

ウンベルト監督作品だと恐らくイタリア製作の作品になると思われます。

ただ、一応舞台はアメリカで、そこで(一応)中国人が、悪漢と戦う物語ですので、アメリカの製作会社は製作に絡んでいそうですが、

一緒に合作しているのが、韓国なのか?イタリアなのか?イ・ドゥヨン監督なのか?ウンベルト・レンツィ監督なのかがはっきり分からない、

というまさに存在自体がカオスな作品となっています。

内容は割と普通のアクションです

もっと言うと、本作、本編が始まる前に、

ベニヤか段ボールで勝手に製作したブルースのお墓から、ブルースが蘇って、お墓から飛び出す、

という20秒ぐらいのトンデモシーンが、明らかに追加で加えられています

勝手に作ったお墓に、、
サンダーストライクで
ブルースリターンズ!!
タイトル入って、

その後本作のVHSジャケットと同じデザインのポスターが表示されて、関係の無い本編シーンに突入していく、

暫く、この絵が映ります

という強引な改変が加えられていますので、イ・ドゥヨン監督の本編にウンベルト・レンツィのブルースコントを付け加えたのか?

逆にあまりなさそうですが、ウンベルトの本編にのブルース復活を付け加えたのか?等の色んな推測もできるぐらいに存在自体が色んな推測やツッコミどころ満載作品となっています。

もしかすると、

全員、全然関係ない、という事さえあり得そうです、、、。

そんな、良く分からない出自の本作の内容は、非常にシンプルで、3年ぶりにアメリカに帰って来た主人公ウォン・ハン(ブルースではありません)が、

久々に成功しているはずの親友の下を訪ねてみると、親友は既に亡くなっていて、根拠なく殺されたと核心したウォンが、

親友を殺した犯人を捜すために、手がかりとなる5人の悪漢たちとバトルを繰り広げる、という非常にシンプルな物語となっています。

普通でしたら、途中で飽きてしまうようなずっと戦っているだけのストーリー展開ですが、本作は主演のブルース・K・L・リー(ジュン・チョン)の意外な身体能力の高さで、

アクションシーンが結構見所となっていて、そのアクションも結構リズム良く挿入されますので、最後まで飽きる事なく鑑賞できる作品となっています。

ブルース・k・L・リー(ジュン・チョン)

ただ、相手役の悪漢達が一人を除いてパッとしませんので、K・Lだけが奮闘している、というシーンが結構多いのが残念ですが、、、。

その例外的に動きの良いアクションで、見せ場を作っているのは、本作出演時は無名の俳優だったものの、

その後大ブレイクを果たして100万ドルスターへと駆け上がっていく、日本が誇るアクション俳優ショー・コスギ詳しくはこちら)です。

ショー・コスギ

日本人の悪漢役で登場し、ウォンと激闘を繰り広げた末に、勿論倒される役柄ですが、他のもっさりとしたアクションメインの悪漢とはあきらかに違う本物のアクションを披露し、

ラスボスではないものの、きっちりと作品の魅力を高めています。

もしかすると、本作の功績が後の(燃えよニンジャ)での抜擢に、、、、、は関係無いですね、流石に、、。

で、激闘の果に、本作は意外なラスボスと、前半で少しだけ登場した脇役キャラクターが実は、、、、という、ゆるい作品の割には、しっかりしたどんでん返しと、

それに続く、夕日をバックにした切ないシーンで幕を閉じる、というお墓から飛び出すブルース・リーコントで始まったとは思えないような、

それなりに余韻の残るクライマックスとなっています。

それなりに切ないエンディング

本編に入って以降は、全編通して、特にブルース・リーの物まねを見せ場としているような印象はなく、

恐らくアフレコで録音されたようなブルース・リーっぽい

『ホチャッ、ホチャッ、プチャァァ、フゥゥゥ!!』という感じの嘘くさい怪鳥音が無理矢理のように入っている

というだけで、本編自体は、わりと真面なインディーズカンフームービーとなっています。

という事で、全ては本編前のブルース・リーコントとホチャホチャ音声

作品イメージを高めるつもりで実際は下げている、

という残念な作品ではありますが、意外に飽きる事なく鑑賞できる作品にはなっていますので、アクション映画好きの方や、

変わった映画好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

因みに日本版VHSジャケットには本作が(アメリカ・香港)合作と表記されていて、カオス度がさらに上がっています。

実際は香港のほの字もありません。

売る側として、そう書きたい気持ちは分かりますが、、、。

↑(VHS裏ジャケットより)↑
ヒロインのデボラ・ダッチ(デボラ・チャップリン)

作品情報

1976年製作 アメリカ・韓国製作 カンフーアクション

監督 イ・ドゥヨンかバート・レンジ(ウンベルト・レンツィ)

出演 ブルース・K・L・リー(ジュン・チョン)、ショー・コスギ、デボラ・ダッチ(デボラ・チャップリン)、アンソニー・ブロンソン、スティーブ・マック

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【レア作品!カンフー映画】秘録ブルース・リー物語(BRUCE LEE FIGHTS BACK FROM THE GRAVE)84分」への3件のフィードバック

  1. S原

    まぁくさん、こんにちは。「あなたの知らないワゴンセール」のS原です。

    連続となってしまいますが、これはもう僕がコメントする義務があると思ってペンをとる次第です。

    今回の映画ですが、、、、なんともカオスすぎて絶句するしかないです。。。。

    あのですね、例えばセガールが最近アクションしないとか、チャック・ノリスが動けなくなっているとか、ブルース・ウィリスのパートタイム映画とか、まあそういうのは分かるんですよ、一応。
    でも今回は、本当に誰もがどういう映画を撮っているのかわからないまま、完成してしまった可能性がありますね。もしくは、それぞれが違う映画を作ってるつもりで撮影した場面を無理やりツギハギしたか・・・しかもカンフーの場面はわりとしっかりとしているという混沌さがたまりませんっ。恐るべし韓国映画界。いやーBTSのキャーキャー言っているファン(うちの妻と娘)に教えてあげたい!

    今回の「秘録ブルース・リー物語」は、まぁくさんの好きな(?)ニコイチ映画よりも、数段レベルが違うような気がします。なんというか、フリーザと悟空の戦いをみて、たちすくんでしまうクリリンの気分ですよ。
    ただ、稲妻が光って段ボールの墓から、ブルース・リーが蘇る場面(だけ)は、ちょっと観てみたいです(笑)

    返信
  2. S原

    あ!後半をよく読むと、映画自体はちゃんと観れる(最後まで飽きずに観れる)と書かれてますね。ビデオ販売会社の紹介の仕方がメチャクチャなだけなのでしょうか・・・? ますますよく分からなくなってきました・・・(苦笑)

    返信
    1. まぁく 投稿作成者

      S原さん、いつもありがとうございます!本作、確かにトンデモっぽい雰囲気なのですが、どうも作品が完成してから、色々と手を加えられたような、音声吹き替えとお墓シーンを強引に挿入したような違和感のある作品になっていまして、本編だけ観ると意外とまともな作品になっています!アクションは結構盛り上がりますし、それぞれのキャストも魅力的で、ショー・コスギのアクションシーンなんかは、かなりの迫力があったりします。それが何故、日本を含む海外では奇妙な映画になってしまうのかが不思議でしょうがないです!かといって、ブルース・リー要素を排除したオリジナル版が存在していたとしても、特に積極的に観たい、とは思えないのですが、、、。本当は結構まともな作品なのに、海外向けに権利を買った者が改変し、それをさらに日本のビデオメーカーが、【香港映画】として売り出してしまう、という二重三重に改変されてセールスされてしまった悲しい作品とも言えそうです!

      返信

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