カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
寺から盗まれた舎利を取り戻すため、僧侶の身分を捨てた戦士が盗賊団を追い詰める!!日本の時代劇のような独特の雰囲気が唯一無二の世界観を構築している異色のカンフーアクション!!
![](https://ei-ga.net/wp-content/uploads/2022/03/ドラゴン忍者-553x1024.jpg)
![The Monk's Fight (1979) - IMDb](https://msp.c.yimg.jp/images/v2/FUTi93tXq405grZVGgDqG2E-Sg2-7FDTZANwvnBP0L8fCu8JH5BxSVL3lAhv-slsgjqwggaZdBr37Ii2kssGdpHErsKkLaxCAPnxxVjwalMiw_sVoURcPYR0GO1RTyRwJSIgqkm0S2t0ZWo1XzUVtmX1dUaDO6jUdZMuEZXSML2Uf5qFhcb2SwS2nc7VrE7_8XpJFUiwn81vFiIu__54yWE-Sg2-7FDTZANwvnBP0L8fCu8JH5BxSVL3lAhv-slsgjqwggaZdBr37Ii2kssGdpHErsKkLaxCAPnxxVjwalMiw_sVoURcPYR0GO1RTyRwJSIgqkm0S2t0ZWo1XzUVtmX1dUaDO6jUdZMuEZXSML2Uf5qFhcb2SwS2nc7VrE7_g2TUWon14TQrPwboFlQOaA==/MV5BNTYwOWE0OGMtNzM4Yi00YjA5LWI5YTQtNjQyNDlmNWY1MzhhXkEyXkFqcGdeQXVyMjUyNDk2ODc._V1_.jpg?errorImage=false)
作品紹介
1987年7月18日公開
今回ご紹介するのは、独特のリズム、独特のBGM、独特の映像美で描かれたカンフー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
中国にある、ある寺から仏舎利が盗まれた。
寺は仏舎利を取り戻すために僧侶を遣わせたが、犯人である盗賊団に逆に命を奪われてしまった。
そこで、盗賊団に対抗するため、武術に優れた弟子チュンキに、その任務を託すことになった。
しかし、その任務を受けることは、人の命を殺める事を前提としているため、僧侶の身分を捨てる事になるのだった。
そんな全てを捨てて任務を遂行するためのチュンキの旅が始まる!?
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独特の世界観を持った異色のカンフーアクションです。
耳に残る独特のBGMや、割と大自然をイメージした独特の映像美、そして独特の技が展開されるカンフーアクション、
という感じでその世界観がかなり他の作品とは違った魅力を放っているのですが、その中心にいる主人公もまた独特で、
冒頭では僧侶として登場しながらも、即僧侶の身分を捨て、しかも先輩僧侶が既に同じ任務に失敗して命を落としているので、
決死の覚悟で、仇討ちの意味も込めて、悪党を退治し、盗まれた舎利を取り戻す、という後戻りできない運命を背負った主人公となっています。
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そんな主人公チュンキは、風貌も独特で、黒いマントを羽織って、手にはグローブ、体には肩当を装着し、
登場前には、自ら笛を吹いて登場する、という他のカンフー映画では見たこともないような独特の風貌で登場します。
しかも雰囲気は、かなりのナルシスト過多ぎみです。
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で、悪漢を撃退して、また風のように去っていく、という感じで(勿論1回限りの任務ですが、その佇まいから、そういう揉め事を何度も解決したきたようなベテラン感を醸し出しています)盗賊団が支配する村に現れます。
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で、その村で悪事を働く悪漢たちと戦っていく事になるのですが、とにかく基本的には無口でミステリアスなキャラクターで、
村人を結果的に助けていく事になるのですが、色々説明もせずに雰囲気だけは残して去っていきますので、村中の噂の的になっていきます。
このミステリアス、という部分もチュンキの魅力になっていくのですが、同じような設定で風の様に現れて、また風の様に去っていくミステリアスな男、
という設定はクリント・イーストウッドの名作西部劇(荒野のストレンジャー)にも通ずる部分もあるのですが、
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そちらは、観ている側も含めて主人公の正体不明さが、そのまま物語にも活かされ、作品の魅力となっていましたが、
本作に関しては冒頭で正体が判明していますので、ミステリアスと感じるのは登場人物である村人たちだけで、
観客として見ている側は、ただの無口な元僧侶にしか見えないのが、ちょっともったいない設定となっています。
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これが、あのミステリアスの正体は実は、、、というような種明かしが後半にあるような(ガッツフィスト魔宮拳)(詳しくはこちら)のような展開でしたら、
もっと主人公に対する興味や魅力も引き立てられそうですが、どうでしょうか。
雰囲気はばっちりなのですが、、、。
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そんな元僧侶のチュンキ、格闘にも長けていて、割と無敵ぐらいに強いのですが、このチュンキが繰り出すアクションが、
型を決めるような、いわゆる拳法、カンフー技ではなく、まさかの喧嘩アクションスタイル、という部分も本作の独自性を強めています。
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ですので、それにつられて、敵側が繰り出すカンフーも少々喧嘩チックですので、結果的に他のカンフーアクション作品とは、そのアクション自体も少し雰囲気の違ったものとなっています。
このアクションの間とスタイルが、独特過ぎますので、観る人を選んでしまいそうですが、後半ぐらいになるとその雰囲気にも慣れてきますので、
カサノバ・ウォンとのラストバトルでは、他の作品のような高速技で目まぐるしく展開している間に終わる、
という事もなく、じっくりした間を意識しつつの激闘が堪能できるようになっています。
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登場するキャラクターもかなり独特で、忍者(多分邦題はこのちょっとだけ登場する忍者からつけられたと思われます)っぽい衣装の暗殺者や、
女性的な雰囲気を持ったおしろい男、分かりやすく大柄な怪力男、油断しているときに忍び寄って、細長い鉄製の棒をこめかみに突き刺す卑怯技男等、
キャラ立ちしているメンバーが登場しますが、基本的に戦いになると喧嘩アクションなので、なんとなく見せ場として盛り上がりそうで、そうでもない、
という微妙な状態が、独特のゆっくりしたテンポで描かれていきます。
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これだけ個性的なキャラクターが登場し、それぞれ個性的な技を持っていても、アアクションになるとゆっくりアクションに統一されてしまいますので、
やはりアクションに関しては、そのキャラクターごとの特色に合わせたテンポの描き方の方が良いように感じられるのですが、どうでしょうか。
作品全体の世界観はそのままで、アクションに関しては、他の作品のようにアップテンポの激闘の連続で描かれるバージョンが観てみたかったところです。
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という事で、アクション的には、賛否ありそうな作品ですが、その独特な世界観は、他の作品では味わえないような作品となっていますので、
ちょっと変わったカンフー映画を観てみたい、といった方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
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作品情報
1979年製作 香港製作 カンフーアクション
監督 ユー・チクリム
出演 リー・ウィン、カサノバ・ウォン、チュン・リン、ヤン・タオ
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