【カンフー映画】少林寺炎上(火焼少林寺THE BLAZING TEMPLE)84分

投稿者: | 2021年5月5日

カンフー映画としてのお薦め度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

カンフー映画の名匠ジョセフ・クオ監督による少林寺焼き討ちをメインに、生き残った僧侶たちの信念を貫いた戦いを描く歴史アクション!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、名作カンフー作品を多く製作してきたジョセフ・クオ監督作品です。

それでは、まずはあらすじから、

謀略によって皇帝の座に就いた雍正帝は政敵である将軍側に着く武術の総本山少林寺を疎ましく思っていた。

そんな状況の中、政敵の娘にも命を狙われ、自身への反乱の芽を摘むべく少林寺に対して、寺の焼き討ちを指示する。

この焼き討ちによって多くの僧侶の命が失われたが、少数の生き残った僧兵たちは、少林寺再建のために雍正打倒を決意する!?

多くの僧侶が犠牲になってしまいます
ジュディ・リーは前半と後半のみの登場ですが、良い所を全部持っていきます。

日本では劇場公開もされ大ヒットした(少林寺への道)シリーズの監督ジョセフ・クオと主演のカーター・ワンが再びコンビを組んだカンフースペクタクルアクションです。

内容的には、シリーズ第2弾(少林寺への道 十八銅人の逆襲)で描かれた悪の帝王、雍正帝が、その後少林寺を焼き討ちし、生き残った僧兵たちによって打倒されるまでを描いた作品となっています。

メインはタイトル通り少林寺の焼き討ちシーンで、特撮ミニチュアを使用した爆破シーンでは、多くの僧侶が犠牲になる結構スペクタクルなシーンがそれなり長尺で続きます。

メインとなる少林寺炎上特撮

作品のテーマ的にそこをメインとしていますので、今回は一人一人のカンフー対決、といったシーンは少なく、大勢のエキストラが戦う複数人での戦闘がメインの作品となっています。

イメージ的にはカンフーアクション作品というよりカンフースペクタクル作品、といった感じでしょうか。

ですので、(少林寺への道)などのアクションを期待した方にとっては、若干消化不良な内容ともなっているかもしれません。

ですが、本作は雍正帝対少林寺全体という構図のために、主人公っぽい位置にいるキャラクターは存在するものの、基本的には群像劇ですので、

少林寺側のキャストは他の作品では主役級のキャストが多く揃い、いつも以上に豪華なメンバーがそろっています。

まず、僧兵のリーダー的な存在で、ラストバトルまで生き残る一番主役に近いキャラクターを演じているチャン・イー

燃えよデブゴン地獄の危機一髪詳しくはこちらでは、非常に印象的なラスボス役を演じ、リョン・カーヤンとカンフー映画史に残るような名勝負を繰り広げていました。

また、本作にも出演しているジュディ・リーと共演した(カンフーコップ)では珍しくコメディリリーフとして作品に明るい印象を与えていました。

本作の一応主役に一番近いチャン・イー

で、その弟弟子役で登場のクム・コンジャッキー・チェンの(少林寺木人拳)では師匠役から後半悪のラスボス役になる、という非常に印象的な役や、

ジミー・ウォング主演の(怒れるドラゴン不死身の四天王)ではタイトルロールの一人を、カルト作(片腕カンフー対空飛ぶギロチン)ではギロチン使いの怪僧を演じるなど悪役を演じる事が多いですが、

本作では一転して一本気な正義の僧侶を演じる、という意外なキャスティングで、後半の散り際もカッコ良く決まっています。

今回は正義の人、クム・コン
正義の人クム・コン、散り際もカッコ良いです。

紅一点のジュディ・リーは本作のチャン・イーと共演した(カンフーコップ)や、日本でのドラゴンブーム時に劇場公開もされた(地獄から来た女ドラゴン)などで活躍し、

外見の美しさとはアンバランスな激しい女ドラゴンぶりが、どの作品に登場しても確実に作品に彩を与える存在となっていました。

女剣士役のジュディ・リー、カッコ良いですね。

そして、チャン・イーと共にラストバトルまで生き残るもう一人のキャラクターを演じているのが、ジョセフ・クオ作品には欠かせないカンフースター、カーター・ワンです。

本作では、群像劇という描き方ですので、前半から僧侶が集まっているシーンにはしっかりと画面内に収まっているのに、ほとんど気配を消して台詞すらほとんどない、

という逆に思い切った起用の仕方でありながら、焼き討ちぐらいからそれまで目立っていた僧侶は続々と犠牲になっていき、

それと共に急に前面にグイグイでてくるようになって最終的にラストバトルにまで参加する、という消去法的に活躍するようになるキャラクターを演じています。

いつの間にか主役になっているカーター・ワン

まぁ、忙しかったのでしょうか、、。

それとも急にチャンスを掴んだ、とかでしょうか。

ややこしいのは、(少林寺への道 十八銅人の逆襲)で悪の帝王、雍正帝をカーター・ワンその人が演じていたのに、後日譚である本作では、

何食わぬ顔で、逆に少林寺僧として他の俳優が演じている雍正帝を打倒しにくる、という(少林寺への道 十八銅人の逆襲)を鑑賞済みの人にとっては、

どの面下げて、という感情が沸き上がってしまう、驚きのキャスティングです。

ラストバトルはカーター・ワンとチャン・イーのコンビ

とは言っても、正式な続編、というわけではないので、別に良いといえば良いのですが、できれば同じキャストでカンフースペクタクルを製作するのであれば、他の物語を選択して欲しかったところです。

という事で、キャスト面ではそれぞれの活躍シーンは短いものの、豪華な顔ぶれになっている本作ですが、

本作のDVD販売時のメーカーの宣伝文句の一つに(少林寺焼き討ち、というショッキングな内容のために製作当時、香港での上映は見送られた)と言うのが一つの売りになっていましたが、

正直(少林寺列伝)など同様の内容の有名作品は平気で香港でも上映されていますので、香港公開見送りは、事実としてあったとしても、何か他の理由があったのではないでしょうか。

少林寺焼き討ちという内容自体は、それほどショッキングでもありませんので。

ただ、それ以外の部分でこれが、原因では?と思えるようなシーンはいくつか存在します。

まずは、少林寺脱出時に、逃げている事などが敵兵士に見破られて多くの犠牲が出てしまいますが、少林寺内に裏切り者が存在するのでは?という事になります。

で、その犯人を見つけるためにあろうことか、後ほど主役級の存在になるカーター・ワンに嫌疑がかけられ、なんと天井からロープで逆さ吊りにされて自白を強要される

という僧侶として、というより人としてレベルの倫理観を疑う展開になります。

結局、犯人は他にいたのですが、何の証拠もないのに、僧侶が仲間を拷問する、という結構問題のありそうなシーンとなっています。

裏切り者扱いされ、吊るされて拷問される主人公。やめなさい。

そして、もう一つは、メインとなる焼き討ちシーンにあります。

焼き討ちシーンで難を逃れるために少林寺を脱出する方法として、なんとも奇妙な方法で下山する様子が描かれています。

まず、少林寺館長でしか動かすことのできない(そういう事になっているのでしょうがないです)洞窟内の大きな岩を動かして、できた隙間から脱出する方法

これは、規定のルールでは通常、動かしてはいけないとなっているようですので、館長は首を縦に振りません。

で、次の脱出方法がまさかの(少林寺への道)シリーズで登場した十八銅人房を通って脱出する、という方法です。

しかも、銅人房を通るときは、そこを守る銅人を素通りする事はできないので、それぞれ銅人に戦いを挑んで、難関をクリアしていかないといけない、という驚愕の脱出方法です。

人の命が多く失われているパニック状態で、全く空気を読まない銅人たちですが、

真面目な僧侶たちは、律儀に次々と銅人房に挑戦していきます

しかも、修行があまり進んでいない僧侶も勿論沢山いますので、まさかのそこでもチャレンジし失敗して善良な僧侶がバンバン命を落としていく、という衝撃の展開となります。

パニック状態なのに呑気に銅人房に挑戦させられる僧侶たち。律儀にちゃんと一人づつ挑戦します。
パニック状態なのに素手での大きな鐘鳴らしチャレンジに挑戦中のクム・コン。
パニック状態なのに大きな鐘ならしに挑戦中のカーター・ワンと、チャレンジを静かに見守る面々。どういう気持ちで見守っているのでしょうか。というか少林寺が無くなれば金粉僧侶たちはどうなる?

で、途中で怪我をして、チャレンジをあきらめる者などもいて、引き返したりする僧侶も出てきます。

そうなった僧侶は、もう命を落とすしかないのか?という事になりますが、そこからがまた驚きの展開になります。

多くの犠牲者が出てしまい、いよいよヤバいと感じた館長が、怪力を発揮して、結局巨大な岩を動かし、そのおかげで、銅人チャレンジを断念して引き返してきた僧侶を含めた70人ほどの僧侶が逃げ切ります。

いや、館長の判断がもっと早ければ、確実に多くの僧侶の命が助かったはずなので、どう考えても館長の判断ミスです、、。

というか、外観的には普通の山奥の自然豊かな開けた場所にあるように見えた少林寺、いざ下山するとなったら、八方塞がりで、戦国時代の城壁並みに外界と完全に隔離されてしまう、というのはどうなのでしょうか。

少林寺は勿論、基本的にお寺なので、一般の人も訪れる事があるはずなのですが、本作で登場する少林寺は一度入ったら、二度と出てこれないぐらいの存在となっています。

香港公開が見送られたのは、少林寺が焼き討ちされる、という内容そのものよりも、確実に他に存在するように感じるのは私だけでしょうか、、。

という事で、カンフー映画としては、風変わりな作品ですが、豪華なキャストが揃った貴重な作品でもありますので、ご興味ある方はご鑑賞してみてください。

物語的にはアレですが、最終的に良い所を全部持っていくジュディ・リーがカッコ良すぎるので、終わりよければ全て良し、としましょう。

最終的に、全部良いところを持って行ってしまうジュディ・リー
ジュディ・リーは結構な無敵設定

作品情報

1976年製作 香港・台湾製作 カンフーアクション

監督・製作・脚本 ジョセフ・クオ

出演 カーター・ワン、ジュディ・リー、チャン・イー、クム・コン

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