【レア作品!カンフー映画】逆襲!!少林寺必殺拳(河南嵩山少林寺SHAOLIN TEMPLE STRIKES BACK)88分

投稿者: | 2022年10月15日

カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

(少林寺への道)で有名なカンフー映画の巨匠、ジョセフ・クオ監督がチャン・ケンチョンを主演に迎え製作したカンフーシーン満載の少林寺映画の決定版!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、ジョセフ・クオ監督が新たに挑んだ少林寺系のカンフーアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

清朝の兵の追っ手から姫を姫を守るために少林寺にやって来た兵士リンは、身を隠すために僧侶となり、少林寺で過ごしていた。

しかし、清朝の魔の手は、ついに少林寺にまで及び、兵と僧侶たちの戦いへと発展していくのだった!?

(少林寺への道)や(ドランクマスター酒仙拳)(詳しくはこちら)等のカンフーアクション作品を数多く製作しているジョセフ・クオ監督が

ジェット・リーの(少林寺)の影響をもろに受けて製作したと思われる新たな少林寺系物語です。

主人公を演じているのは(疾風!!少林寺十三拳士)でも主演しているチャン・ケンチョン

チャン・ケンチョン

ラスボス役で(キョンシーグーニーズ)(詳しくはこちら)等の悪役の多いチャン・サン、

チャン・サン

酔拳を操り準主役的に活躍する師匠クラスの僧侶役で、(ドラゴン太極拳)等のジョセフ・クオ作品ではお馴染みのマーク・ロン

とカンフー映画お馴染みのキャストが結集した作品となっています。

マーク・ロン

因みにVHSの裏ジャケットには中国国術再会チャンピオン孫国明主演と記載されていますが、(バカ拳)(詳しくはこちら)等に出演している孫国明(ソン・コクミン)は、

本作には出演していません。

他のメーカーから発売された同系列の少林寺カンフーアクション(真説少林寺)には出演していますので、そちらと混同した、とかではないでしょうか。

真相は分かりませんが、時代を感じさせますね、、、。

物語は非常にシンプルで、追われる身となった姫を連れて敵兵から、命からがら逃げてきた兵士である主人公のチャン・ケンチョンが、

なんとか少林寺に辿り着き、寺でしばらく匿ってもらう形で、少林寺での生活が始まるが、自然を装うためにそのままチャン・ケンチョンは何故か少林寺の弟子となり、

僧名までもらって、なんとなく本当に僧侶になってしまうが、追手の魔の手が少林寺まで及んできたので、

寺への配慮から、なんとなく別の地へ向かうものの、何故か追手にバレたので、やっぱり少林寺に戻る、

という基本はシンプルな物語ではありますが、終始なんとなくブレるので、どこに向かっているのか分からない大筋となっています。

短い一本道を無理矢理に脇道にそれながら前に進んでいるけれども、全くゴールが見えてこない、という感じでしょうか。

少林寺に辿り着くまでは、しっかりとジェット・リーの(少林寺)のあやかり物語が進むのですが、着いた途端に悲壮感を帯びていたはずの主人公が、

急に分かりやすくコメディヒーロー化してしまう、という極端なブレ方で、シリアスなのか、コメディなのか、さえ分からなくなってしまいます

絶体絶命の危機を乗り越えた主人公が、少林寺に着くと、、
こうなります。(変装で着けていた髭が眉毛についてしまうというギャグ)

で、少林寺で匿ってもらってからも、姫の『少林寺の僧侶は坊主頭にしているから強い

という訳のわからない理由で、主人公も坊主頭にされ、ついでに僧侶にさせられ、僧名までもらう事になります。

不本意

ルールが良く分かりませんが、出家した、という事になると思うのですが、それで良いんでしょうか、、、。

なんとなく成り行きで、出家した主人公は、そのままなんとなくカンフーを修行することになりますが、

元々カンフーができる、という設定でここまできているので、修行シーンは豊富に入りますが、初登場時とほとんど変わらない動きなので、

どれだけ上達しているのかも良く分からず、出来なかった難しい技や訓練を、修練を重ねる事でできるようになった、といった成長の過程も描かれませんので、

物語が前に進んでいる感覚が無く、ただただチャン・ケンチョンの演舞を見続ける、というシーンの繰り返しとなっています。

同じ訓練が長い!

一応、ラスボスとして登場するチャン・サンとのバトルが中盤とクライマックスと二回ありますが、その中盤のバトルも

唐突に酔っぱらっているチャン・サンの邸宅に黒い衣装、に黒覆面のチャン・ケンチョンが忍び込んで、

まさかの暗殺を企てるものの、チャン・サンの酔剣の前にあえなく敗退、危ない所を同僚の僧(全員覆面していないので、主人公以外はバレバレです)たちに助けられて、

なんとか逃げ延びる、という物語の転機となるような重要な出来事の後に、普通に何事もなかったように、また修行の演舞シーンが再開される、

という感じで、物語が進みそうになると、元の筋道に戻る、というブレを何度も繰り返していきます

コラッ!

このブレながら進まないストーリーはクライマックスでも顕著で、いよいよ(今さら)少林寺に迷惑がかかるので、

他の場所に旅立つ、と決意した姫がチャン・ケンチョンの護衛で、寺を出ようと出発を決意しますが、歩き始めて間もなくの裏山のような道で、

宿敵のチャン・サンの待ち伏せに合い、ここは命に代えても姫を先に進ませるのかと思いきや、まさかの少林寺に戻る、

というクライマックス近辺まできても前に進まずに、後ろ向きの選択をしてしまいますので、

結局クライマックスの大乱闘は少林寺で、という事になってしまいます。

逃げていたのに、結局帰って来て、こうなります。

要するに物語は、ずっと進みません。

『そんな、、、』

で、少林寺で激闘が展開されチャン・サンを始めとした悪役軍団と少林寺僧の大乱闘が開始され、激闘の結果、勿論チャン・サンを追い詰めますが、

チャン・ケンチョンも瀕死の重傷を負って、意識朦朧として気絶してしまいます。

最早これまで、と思った時に意外な人物が実は無茶苦茶強い、という事が判明し、チャン・サンにかなりのダメージを与えます。

そんなに強いと思っていなかった僧が実は一番強かった!

で、ここまできて、やっと姫側の将軍が、今さらながらに姫を別の地に護衛するためにやってきます。

将軍『姫、明日になると敵軍の大軍が攻めてくるという情報があります、先を急ぎましょう!』

『姫!』

姫『いや!この人が気づくまでは行きません!』

『いや、行きません!』

将軍『しかし、姫、先を急がねば!』

『姫!』

そして心残りながらも姫は旅立ちます。

『わ、、、分かりました』

そして、姫が出発したしばらく後にチャン・ケンチョンが目覚めます。

師匠『起きろ!』

満身創痍ながらも姫の護衛のために、姫の後を追おうとするチャン・ケンチョンを、勿論生き残った住職たちは止めます。

リン『姫を追わねば、、』               師匠『ダメじゃ』

しかし、大僧正が言います。

大『この若者の忠誠心は見上げたものじゃ』

他の僧『はい』

大『これだけの忠誠心を持っている者には、仏様のご加護があるじゃろう』

他の僧『はい』

大僧正『行かせてあげなさい』

他の僧『はい』

『行かせてあげなさい』

大きな刃物で突きされた腹部から大量の血を流しながら歩きだすチャン・ケンチョン、、、、

、、、、、、

、、、、、、

終幕!!

いや、死ぬって!!

作品情報

1981年製作 台湾製作 カンフーアクション

監督 ジョセフ・クオ 武術指導 アラン・ツイ

出演 チャン・ケンチョン、チャン・サン、マーク・ロン

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