SFソードキル(GHOST WARRIOR/SWORD KILL)81分

投稿者: | 2024年6月19日

おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆

サムライを演じる藤岡弘、が、400年の時を越えて現代のアメリカに蘇り、悪漢と激闘を繰り広げる、茶化す事なく真面目に武士道を描いた、エンパイアピクチャーズ製作のソードアクション!!

作品紹介

1986年12月20日公開

今回ご紹介する作品は、藤岡弘、が海外作品で初めて主演したSFアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

日本のスキーヤーによって、山中から400年前のサムライが氷漬けの状態で発見された。

アメリカの低温外科医療法研究所での蘇生実験によって蘇ったそのサムライは、ふとしたことからアメリアの街へと飛び出す事になり、様々な事件に巻き込まれていく!?

監督は、(デビルズゾーン)や(異次元へのパスポート)等のJ・ラリー・キャロル監督で、本作のB級魂溢れるSF世界を演出しています。

主演の侍役は、勿論、本作出演後(香港・東京特捜刑事)(詳しくはこちら)や(K2愛と友情のザイル)等、

国際的に活躍している藤岡弘、で、圧倒的な存在感で、作品世界を引っ張っていきます。

本作の藤岡弘、
藤岡弘、

で、相棒となる女性記者役で、ロジャー・コーマン製作の(クレイジーポリス大追跡)や、クリストファー・ウォーケン主演の(キング・オブ・ニューヨーク)等の

ジャネット・ジュリアンが登場し、バディぶりを発揮していきます。

本作のジャネット・ジュリアン
ジャネット・ジュリアン

で、主人公を蘇らせながらも、結局抹殺しようとする博士役で、(ノーマ・レイ)や(カリフォルニアドリーミング)等の

ジョン・カルヴィンが登場し、善人と悪人の間をふらふらしながら結局悪人キャラを演じています。

本作のジョン・カルヴィン
ジョン・カルヴィン

そんな、スタッフ・キャストが製作した本作の物語は、400年前の日本、真壁一族の武士・多賀義光が、卑劣な敵の罠に落ちて、重傷を負い、崖から川の激流に落ちるシーンから始まります。

で、そこから現代に移り、雪山でスキー中の日本人の若いカップルが、偶然見つけた洞窟を探検していると、

結構分かり易い所に、人の身体が埋まっているのを発見します。

発見!!

勿論、これが氷漬けにされた状態で仮死状態になっていた藤岡弘、演じる多賀義光で、そこから、経緯が端折られ(そこまでもかなり端折られていますが、、)、

何故かアメリカのカリフォルニアにある、低温外科医療法研究所へと運ばれる事になります。

何故か、アメリカへ

で、その研究施設に運ばれた遺体に関するニュースを報じるために、記者であるクリス(ジャネット・ジュリアン)が呼ばれ、

研究所の責任者であるリチャード博士(ジョン・カルヴィン)によって、遺体の解剖、、、ではなく、人類史に残りそうな蘇生実験が行われます。

で、勿論、実験は成功し、400年の時を越えて、ついでに国境も越えてサムライ、ヨシミツが現代に蘇る事になります。

で、いきなり400年後の未来の異国で目を覚ましたヨシは、当然何から何まで全て初めて目にする物ばかりで、

テレビに驚いたり、楽し気にランプの電源をON/OFFしてみたり、車を動物と思ってみたり、という感じで、

完全な異世界となってしまった現代のアメリカを体験していきます。

しかし、この時、この研究所の助手の男が、ヨシが持つ刀は、非常に価値のある物で、現代では値が付けられない程高価な価値があるという話を聞き、眼をギラつかせます。

で、案の定、その夜、畳の上で寝ているヨシに気付かれないように忍び込んだ助手は、速攻で忍び足に気付いたヨシに取り押さえられそうになり、

逆に凶器でヨシに反撃し、あえなくヨシに斬られてしまいます。

で、これをきっかけに、空いたままになった扉からヨシは現代のアメリカの街へと飛び出してしまいます。

で、悪漢に虐められて困っている老人を助けて、速攻で友人を作ったヨシは、その老人に寿司屋に連れて行ってもらい、

大将の微妙な日本語に驚きつつ、再び、さっき追っ払った悪漢の仲間と戦う事になり、結果的に、次々と悪人を斬っていってしまう事になります。

違う!
大将『チンドンヤサンデスカ?』  違う!

で、事件が拡大していく中、ヨシの身を案じるクリスと、事件が公になる前に、逆にヨシを抹殺したいリチャード博士、

そして、単なる異常者が連続殺人を犯していると勘違いしている警察の、三者三様の追跡者が、自らの意思とは無関係に現代のアメリカに蘇ったヨシを追う、、、、、、、、

、、、、というのが、大体の大筋となっています。

アメリカや日本での一般公開は少し遅れたようですが、本作が製作されていた1984年といえば、ジョン・ローンが現代のアメリカに蘇る原始人を演じた

アイスマン)が製作、公開された年と同年ですので、恐らく、そちらの企画を聞いた、B級作品専門の製作会社エンパイアピクチャーズの幹部が、

では、蘇る対象を、日本のサムライにしてみたら、、、、、、

、、、という、安易な発想で製作された作品かと思われますが、これが、二番煎じ的な匂いは残すものの、

本家とは、また違った独自の魅力を持つ作品となっています。

その理由はいくつかありますが、まず第一に、蘇る対象を、日本のサムライにした、という事で、知られざる武士道の世界や異国の文化を、

現代のアメリカを舞台にして描く、という突飛ながらも興味深い設定で、映画(ニンジャ)(詳しくはこちら)やテレビドラマ等で、

アメリカで盛り上がっていた日本の時代ものへの人気も伴って、コメディ等でお茶を濁す事なく、B級ながらも、ちゃんと楽しめる作品が出来上がったと思われます。

そして第二に、というより、ほとんど本作の作品自体の魅力と直結していますが、サムライ役に藤岡弘、をキャスティングした事が、

本作を、他の作品とは一線を画する作品へと引き上げています。

大筋としては、設定の奇抜さはさておき、81分という上映時間の短さもあって、非常にシンプルな物語展開の作品ですが、

中心に存在する藤岡弘、の存在感がハンパなく、台詞なんかはほとんど無い役柄なのに、表情の演技とサムライとしての所作、

そして、

他の人にはない、藤岡弘、という独特のオーラ

に終始包まれていて、他の日本人俳優では全く代用が効かないほどの存在感を常に発散し続けています。

まさに、

藤岡弘、に国境はない

という感じで、

本当に藤岡弘、がサムライなら、現代のアメリカに蘇るかも!?

と、ちょっと思わせてくれるような、説得力を持ったサムライ像を演じています。

低予算な作品だったために、逆に日本から参加している藤岡弘、による日本描写のおかしさの指摘も、受け入れられ易かったようで、

この時期のハリウッド作品での日本描写は、トンデモ描写が当たり前、という感じの中、本作ではほとんどおかしなシーンも無く、

また、カルチャーギャップなシーンはあっても、それを茶化す事は無く、真面目な武士が、現代の世界に驚きながらも戸惑う姿が描かれていきます。

ヨシ『あ、、、あれは?、、、、』
ヨシ『、、、なんじゃ!?』

で、その冒険の先には、『武士道は、死ぬ事と見つけたり。』という悲しい武士の最後で、クライマックスを締めくくる、

という、トンデモ系B級作品になりそうな題材を、しっかりと感情移入できる娯楽作品へと上手くまとめられていきます。

その表情が切ない、、、

ただ、惜しいのは、やはり低予算のためか、ライバルとなる悪党が、不在(一応博士がラスボス的な位置に落ち着いてしまいますが)で、

チャンバラアクションの見せ場が要所で少しづつしか存在しないのが、全体的な完成度が高いだけに非常に残念です。

エンディングも絶妙で、そのまま続編ストーリーで復活してもおかしくないような終わり方となっていますので、

その後のエンパイアピクチャーズの倒産が、つくづく残念です。

という事で、内容的にはB級ジャンルの作品ですが、藤岡弘、の存在感によって、唯一無二の魅力を放つ作品となっていますので、

SF映画好き、娯楽映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

因みに、本作DVD、最初に販売されたバージョン(東宝版)には、藤岡弘、ご本人によるオーディオコメンタリーが収録されていて、

非常に興味深い撮影エピソード等を多数披露されていますので、中古ソフト等で、ご購入される場合はそちらを購入される事をお勧めします。

コメンタリーにも人柄が出ていて、本編 以上 同様に、楽しめますよ!

作品情報

1984年製作 アメリカ製作 SFアクション

監督 J・ラリー・キャロル 製作総指揮 アルバート・バンド 音楽 リチャード・バンド

出演 藤岡弘、、ジャネット・ジュリアン、チャールズ・ランプキン、ジョン・カルヴィン、アンディ・ウッド

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