おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
警察犬隊に所属する警察官が、捜査中に何者かに相棒犬を殺害され、復讐のために、新しい相棒犬と共に独自の捜査を開始する、アクションとサスペンス、人間ドラマのそれぞれの要素が、微妙に噛み合いそうで噛み合わない、暗めのポリスアクション!!
作品紹介
2024年2月23日公開
今回ご紹介する作品は、アーロン・エッカートがK-9所属の警察官を演じたポリスアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
元系兵隊の警察犬隊(K-9)の警察官ジェイクは、事件の容疑者を追っている最中に相棒の警察犬エースを殺害されてしまう。
復讐心にかられたジェイクは、新しい相棒犬ソックスと共に、その事件の裏に潜む、巨大な陰謀と対峙していくのだった!?
監督・製作・原案は、エイドリアン・ブロディ主演の(ハイスクール マリファナ大作戦)や(ビットコインウォーズ 暗号資産の行方)等の
ジョン・スタルバーグJr.が担当し、警察犬隊の警察官、という珍しい題材の警察ドラマを描いています。
主人公の警察官役は、(ダークナイト)や(ブリックレイヤー)等のアーロン・エッカートで、警察犬と友情を交わす警察官を演じています。
で、隣人で、中盤恋人となる看護師役で、(ゴースト・エージェント R.I.P.D.2)や(トゥ・ヘル)等のペネロープ・ミッチェルが登場し、出番は少な目ですが、アーロンを癒していきます。
で、関係が悪くなる同僚の警察官役で、(聖闘士星矢 The Beginning)(詳しくはこちら)や、ドラマシリーズの(ティーンウルフ)等の
ディエゴ・ティノコが登場し、アーロンと火花を散らしていきます。
で、警察犬訓練所の責任者役で、(ドントブリーズ)シリーズや、(沈黙の断崖)(詳しくはこちら)等の
スティーブン・ラングが登場し、物語を掘り下げていきます。
そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、ロサンゼルス市警のK-9(警察犬隊)に所属する警察官であるアーロン・エッカートが、
パトロール中に、治安のあまり良くない地域への出動要請を受けるシーンから始まります。
で、現場に到着してみると、既に二人の警察官が、車を置き去りにして逃げた容疑者を探している所で、
アーロンの相棒犬であるエースの嗅覚によって、容疑者の隠れ場所を特定していきます。
しかし、乗り捨てられた車が爆発した事で、警察官はそちらの処理に追われ、その隙に容疑者が逃げてしまいます。
そこで、犯人を追って建物に入ったエースとアーロンですが、暗がりに隠れている容疑者が、何やらエースに指示し、
怯んだ隙にアーロンが襲われ、逆襲に転じるとそのままの勢いで容疑者を射殺してしまいますが、エースも致命傷を負ってしまいます。
で、相棒犬が重症を負ったアーロンは、そのまま抱え上げて救急隊員に治療を頼みますが、現場では爆発に巻き込まれて負傷している人もいて、
人命が優先だ、と言われたアーロンは、カッとなって、そのまま救急隊員を殴ってしまいます。
その様子を野次馬にスマホで撮影されていたアーロンは、後に処分を受けて、カウンセリングを受ける事になります。
で、カウンセリングでは、アーロンが、退役軍人でPTSDに悩まされている事や、それによって怒りのコントロールができな事があり、
常に怒りを抱えて生活し、そのせいで周りの人たちとも、上手く人間関係を築けていないことが分かります。
そんな状況の仲、唯一の話し相手であり、親友のようでもあった相棒犬エースの殉職は、やはりアーロンにとっては大ダメージで、事件の問題もあって暫く停職する事になります。
ただ、親友を奪われたアーロンの復讐心は強く、独自の捜査を開始するために、新しい相棒犬ソックスを迎え入れます。
初めは上手く行かない相棒犬との仲ですが、徐々に信頼関係が芽生えていきます。
で、自ら事件現場近くの地域を聞き込みし、ストリートでいつも通りを観ているおじさんを探すために、嘘の通報までしてその人物を探し出し、
事件で爆発した車両の持ち主と、その人物が何やら怪しい薬品を製造している事等を突き止めていきます。
独自の捜査が順調に進みだし、以前から顔を合わせていた隣人の看護師ペネロープ・ミッチェルとも良い仲になり、
すべてが順調に進んだ段階で、いよいよ現場復帰します。
ただ、それでもエースを殺害した組織の黒幕を暴くために、単独捜査は続行、怪しい薬品から中国系の企業が所有する建物を確定し、
全ての闇を暴くために、相棒ソックスと共に乗り込んで行く、、、、、
、、、、というのが、大体の大筋となっています。
物語展開だけを追うと、警察犬が重要な要素となっている普通のポリスアクションという感じですが、本作どういう意図なのか、
主人公を取り巻く世界を、非常に暗いトーンで統一しいて、イヌが相棒の警察官という娯楽要素の香る設定ながらも、
同じ邦題の(K-9 友情に輝く星)とは真逆の、暗めの人間ドラマ、といった感じの内容となっています。
犬が登場するからと言ってコメディにする必要もありませんが、それにしても主人公が終始暗く、しかも
犬の事以外は全て二の次
といった感じで、人命救助中の救助隊員は殴りますし、付き合って幸せだった彼女にも、事情を話さずに愛想をつかされてしまいます。
犬の復讐のためなら、違法捜査や不法侵入、最終的には、攫われたソックスを救出するために、悪党組織に乗り込んで、バンバン射殺しまくります。
犬の命が大事で、警察犬に対して人間の警察官と同じように敬意を払う、という事が大事なのも分かるのですが、
逆に(自分の)犬以外の人間の命に対してアーロンは敬意を払わずに、無茶苦茶軽視します。
PTSDの設定があるので、なんとなくアーロンがつらい状況にある、という感じで正義側で描かれていますが、
やっている事はかなり乱暴で、しかも、順調に彼女もできて、新しい警察犬とも信頼関係を築きながらも、
結局問題を起こして、挙句の果てに、もう一度カウンセリングを受けるように指示されてしまいます。
で、そんなどん底から、何かを掴んで自分自身を見つめ直していくのかと思いきや、そういう成長は描かれずに、
それでもなんとなく物語は進んでしまいます。
人間ドラマが描かれながらも、最終的には殴り込み、という娯楽B級直球なクライマックスへと雪崩れ込みますが、
それほどアクションシーンが展開されるわけではなく、割とあっさり目に事件は解決してしまいます。
クライマックスは、今までのシチュエーションを逆手に取ったようなシーンで終幕となりますが、正直それまでのドラマで、
どこでどう修復すればそうなる?的な意外といえば意外なエンディングで、ここでも成長を描かないという流れが継承されています。
という事で、
アクションも、サスペンスも、人間ドラマも、盛り上がりそうな展開は、何度も何度も訪れながらも、
結局全てが進まずに、ずっとその場で足踏みしているのに、何故か物語だけは進んでいる
という、独特の停滞感のある作品ですが、
警察犬隊、という珍しい職業を扱った貴重な作品で、初めて見るようなシーンも多い作品ではありますので、
ポリスアクション好き、クライムアクション好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
2023年製作 アメリカ製作 サスペンスアクション
監督・製作・原案 ジョン・スタルバーグJr.
出演 アーロン・エッカート、ペネロープ・ミッチェル、ディエゴ・ティノコ、ポール・ヨハンソン、へムキー・マデーラ、カイル・スミッソン、スティーブン・ラング、ニック・サーシー
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