おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
元UFC世界王者ランディ・クートゥアが、銀行強盗犯を演じ、キャム・ギガンデットと激突する、(ザ・ゲート)シリーズのティボー・タカクス監督のクライムアクション!!
作品紹介
2023年2月10日公開
今回ご紹介する作品は、ランディ・クートゥアとキャム・ギガンデットが激突するクライムアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ニックは、難病の娘の治療費を稼ぐため、元恋人のベロニカとその現在の恋人であるジャックのツテで、プロの強盗団チームを編成し、銀行強盗計画を決行する。
計画は成功し、予定していた場所に移動し、品物を分けようとしたその時、ニックは突然仲間から銃弾を浴びせられる。
深い傷を負いながらも、なんとか一命をとりとめたニックは、裏切り者たちに、壮絶な復讐を開始する!?
監督は、(ハードカバー黒衣の使者)や(ザ・ゲート)シリーズ等のB級ホラーで有名になり、その後テレビ映画専門監督として低迷しつつも、
近年になって本作や(ブラックダイハード)等、それなりの規模のB級アクションで復活気味のティボー・タカクス監督で、相変わらずのふわっとした演出で、ソフトなアクションを演出しています。
主役を演じるのは、(トワイライト初恋)等で注目を浴びた後は、ティボー・タカクス監督の(ブラックダイハード)や
(インポッシブルミッション)(詳しくはこちら)等のB級作品で活躍しているキャム・ギガンデットで、
娘の手術代を稼ぐ、という名目で犯罪を積極的に犯していきます。
で、主演のような扱いながらも、主人公の敵役を演じているのは、(エクスペンダブルズ)シリーズや、(ザ・ハードウェイ)(詳しくはこちら)等の
元UFC世界ヘビー級王者、ランディ・クートゥアで、格闘シーンは一瞬もありませんが、製作総指揮も担当し、抜群の存在感でアクションを盛り上げていきます。
で、主人公の元カノで銀行強盗チームにも加わる役柄で、ドラマシリーズの(スリーピーホロウ)や、マーク・ウォルバーグ主演の(ザ・ギャンブラー熱い賭け)等の、
ミシェル・プライアが登場し、元カレと今カレのランディとの間で揺れ動きます。
で、強盗犯を追う側の刑事役で、(沈黙の粛清)(詳しくはこちら)や(デンジャラスブロンド)(詳しくはこちら)等の
ルイス・マンデロアが製作総指揮も担当して登場し、主人公達を追い詰めていきます。
で、その相棒となる黒人刑事役で、(ワイヤールーム)(詳しくはこちら)や(10ミニッツ)(詳しくはこちら)等の、
テキサス・バトルが登場し、マンデロアと一緒に主人公達を追い詰めていきます。
そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、主人公のキャムが、難病で入院中の娘と会話をしながら、ある決意を固めているシーンから始まります。
その決意というのが、娘が患っている難病の手術には、保険が適用されないために、高額の治療費がかかるため、
その費用を捻出するために、ある計画を進めていきます。
その計画というのが、大規模な銀行強盗で、大銀行の職員を案内役に引き入れ、元カノであるミシェル・プライアと、
その今カレであるランディ・クートゥアのツテを頼りに数名からなるチームを編成して、念入りに計画を練って作戦決行当日を迎えます。
荒々し過ぎるランディと、上手く噛み合わないところもある他のメンバーにも不安感を感じつつ、ついに銀行に押し入り、
手際よく現金と、ある品物が保管されている貸金庫を破り、滞りなく作戦は成功します。
ただ、絶対に他人は傷つけない、というルールがあったにも関わらず、ランディは、仲間に引き入れていた行員を射殺してしまうあたりから不協和音が鳴り始めます。
それでも一応、作戦自体は成功しているので、予定の場所に向かい、品物を分け、キャムは、最初から予定していたように、目的の品物を持って行こうと、、、、、、、
、、、、、したところを、仲間の一人に銃弾を浴びせられる、という裏切り行為によって、かなりの重症を負ってしまいます。
ただ、一応は、なんとか逃げ切る事はできましたので、そこから、品物を取り返すための逆襲が始まる、というのが大筋となっています。
物語的には、リチャード・スタークの名作犯罪小説(悪党パーカー)を映画化したリー・マービン主演の(殺しの分け前ポイントブランク)や、
そのリメイクであるジェイソン・ステイサム主演の(パーカー)、そしてメル・ギブソン主演の(ペイバック)等のような、
仲間だった犯罪者同士の、裏切り合いによる壮絶な戦いを描いた作品で、犯罪者同士なだけに情け容赦ない争いが、作品の見せ場となっています。
ただ、本作、登場人物の描かれ方や、キャラクター説明が極めて少なく、それぞれがどういう立場で、何を背負ってその場に集まっているのかも分からず、
名前さえも説明されないような状態で、さっさと計画を実行してしまいますので、いざ争いが始まる段階になっても、
主人公周りの三人以外、どういう人物が、どういう意図で裏切って、どういうピンチに陥っているのか?などが把握できず、
よくわからない人同士が、なんとなく争っている内に、順調に人数が減っていって、主役たちだけが消去法的に残る、
という流れですので、イマイチ感情移入がしにくい表現となっています。
この辺の、見せ場が薄いままにふわっと流れていく表現は、物語の流れを追う事が最優先のテレビ映画や、
DVDスルー作品を長く監督していたティボー・タカクスらしい大味感で、参考にしている作品の薄味版のような内容となっています。
期待のランディ・クートゥアの活躍も、ただの傍若無人な悪党、という感じで、豪邸に住んでいる割には、
何をしているのか?普段はどんな悪行を働いているのか?ミシェルはランディに借金がありそうながらも、
一緒に住んで、ある程度幸せそうにしているのは何故かのか?キャムとミシェルは何故別れることになったのか?
等の、物語に感情移入するために必要な要素は、全て放置したままで物語は進んで行きます。
で、中盤以降、裏切られたキャムが、どのように逆襲するのかと思えば、品物を盗んだ相手に、協力を持ちかける、
という思い切った作戦に出ますが、その辺りも相手がどういう人物か?等の
説明を省いてしまっていますので、いまいち緊迫感は盛り上がらないままに、裏切った相手を、なんとなく逆に追い詰めている、
という感じで、終始ふわっとした展開のままエンディングを迎える事になります。
アクションに関しても、特に激しいガンアクションがある事も無く、ランディが登場しながら格闘も無く、
ラストバトルでさえ、銃は向け合いますが、『パンッ!』と撃って終わるような、淡白な銃撃戦となっています。
という事で、終始ふわっとした雰囲気に包まれた、薄味の犯罪アクションではありますが、ランディの存在感だけはしっかりと感じられ、
作品が変われば、活躍を期待できそうな予感はする作品となっていますので、アクション映画好きの方や、
クライムサスペンス好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
2021年製作 アメリカ製作 アクション
監督 ティボー・タカクス 製作総指揮 ランディ・クートゥア、ルイス・マンデロア、クリス・マー
出演 キャム・ギガンデット、ランディ・クートゥア、ルイス・マンデロア、クリス・マー、ベンジャミン・アビオラ、ミシェル・プライア、テキサス・バトル、エゴ・ミキタス
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