おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
知らないうちにダウンロードさせれていた携帯内のアプリが勝手に起動し人々を破滅に導いていくJホラーにもありそうなサスペンスホラー!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、いつの間にかダウンロードされていたアプリが巻き起こす惨劇を描いたサスペンスホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
パーティでハメを外した女子大生のアンナが目覚めると、スマホに謎のアプリがダウンロードされていた。
その万能なアプリに依存していくアンナだったが、彼女の周囲で不気味な事件が頻発していくようになる!?
知らないうちに自身のスマホにダウンロードされていたアプリが巻き起こす騒動を描いたサスペンスホラー作品です。
似たような設定の作品ではそのアプリを起動すると24時間以内に他人に同じアプリをダウンロードさせて起動させなければ死ぬという強引な設定の(デスアプリ死へのカウントダウン)(詳しくはこちら)や、
まるで高校生に見えない主人公がAI搭載アプリに精神を乗っ取られて狂気に走る(デスアシスタント殺・人工知能)(詳しくはこちら)等、
スマホの普及と共にアプリを題材にしたホラー作品も人気のジャンルの一つとなっています。
日常生活にかなり溶け込んでいますので、日常生活の中での恐怖を描くようなホラー作品の題材としては、凄く重宝されるテーマなのだと思われます。
とはいえ、日本では(着信アリ)等、同様の携帯ホラー題材を2004年の時点で製作していますので、どの作品を観てもなんとなくJホラーで見たことのあるようなシーンや展開が多く、
ちょっと新鮮味に欠ける、というところもあるかと思います。
ただ、本作は2013年製作という事で、世界的に見れば、まだそこまで携帯ホラーも連発されていない状況ではありましたので、
一応当時としてはそれなりに新鮮味のある題材だったのではないでしょうか。
物語は、親友同士の女子大生二人が、あるパーティに出席するところから始まります。
主人公のアンナは突然の参加だったので、まさかそのパーティに元カレがいるとも知らずに出席し、なんだかんだとちょっとした気まずい雰囲気もありつつ、
一旦記憶を失うぐらいに飲んで騒ぎ、パーティを楽しんだ上で、帰宅します。
で、翌朝、いつの間にか自身の携帯にダウンロードされている身に覚えのないアプリを発見し、なんとなく起動してみると、
siriのような音声が流れ、何か質問はないか?と尋ねてきます。
で、問答を重ねていくと、意外に的確な返答が帰ってきます。
これは使える、という事で、早速学校に登校し、授業を受けている教授のちょっと意地悪な質問(よそ見をしているアンナが悪いのですが)にも、アプリの返答通りに答えると、まさかの正解、という事で授業のピンチも乗り切れてしまいます。
非常に便利な機能ではありますが、このアプリ、何故か増殖機能を持っていて(種の保存的な事でしょうか)、
このアプリが入っているスマホを他人のスマホに近づけると、近づけたスマホにも自動でダウンロードできるようになっています。
ただ、手が届く範囲ぐらいが限界なようで、近づけないかりぎは勝手に増殖はできないようです。
で、近づいたスマホに増殖していき、色々な事をしていく、というJホラーでお馴染みの(リング)のような流れになっていきます。
しかし、ここからがちょっと本作独特の展開になっていきます。
この増殖したアプリ、勿論その携帯の持ち主に悪影響を与えていくのですが、その悪影響というのが、
羽目を外している親友の恥ずかし目の映像を拡散してみたり、
授業を受けている教授の見られたくない映像(スマホが勝手に撮影した?)を大勢が出席している授業中に教卓の前で流してみたり、
という感じで、正直何をしたいのか目的が分からないような、しょうもない嫌がらせを繰り返していきます。
ただ、それによって親友とは大喧嘩になったり、教授はまさかの大暴走事件を起こすようになってしまいます。
で、自分の携帯から恥ずかし映像が拡散されていても、拡散した覚えのないアンナは、なんとか削除しようしますが、
勿論どうやっても削除できないので、専門店に持っていきます。
それでも削除できないので、中古携帯ショップに持って行って買い取ってもらい、古い機種と交換してもらいます。
ただ、そんな事では解決できないので、古い形態にもアプリは勝手に復活します。(ルールが良く分かりません)
しかも、この携帯を物理的に分解しようとすると物理的に爆破する、というまさかの爆破機能まで付いていたりします。
色々と後付け設定というか、割とルール無用で特にちゃんとした目的も描かれずに、ただただ携帯の周りで犠牲者が続出していきます。
で、さらにこのアプリ、増殖機能だけに留まらず、他の電子機器のコントロールもできるようで、警備システムや、設備システムもどんどんと操れるようになっていきます。
この辺まで行くともう、なんでもあり状態ですので、アンナの周りの人物がどんどんと犠牲になっていきます。
そんな中、ついにこのアプリを広めた黒幕が登場します。
で、そのアプリを広めた理由も一応判明していくのですが、なんともその目的とここまでの事件になっている過程がちぐはぐで、
まるで納得のいくような理由になっていないのが、本作の最大の問題点ではないでしょうか。
要するに最後まで鑑賞して事件の黒幕まではっきりしているのに、アプリが人の命を奪うような暴走をする理由が全く判明していない、
という(リング)で言えば、何故貞子が人を呪うようになったのか?という理由も説明せずに、なんとなく騒いでいたら呪いが解けている、という感じでしょうか。
というより、普通に考えて、携帯を捨てれば、終わる話なので、逃げようにも逃げられないような設定をしっかりと考えて欲しかったところですね。
捨てても何故か手元に戻って来る、なら分かりますが、主人公は頑なに機種変更はしても携帯を手放す気が全くありませんでしたので。
あと、主人公と親友がスキューバダイビングの免許を取ろうとしているという設定もほとんど活かされていませんので、
色々とまとまりがない感じで、キャストの活き活きとした好演が良い雰囲気なだけに勿体ないですね。
あと、上映前に、携帯の電源を入れてアプリをインストールしてご鑑賞ください。
という字幕が出ますが、これは本国上映時に本作専用のアプリが存在して、そのアプリをダウンロードすると、
本編でアンナが見ている画面と同じ画面が自身の携帯にも表示されて、暗号などのメッセージも同じように表示されるので、
主人公と同じような気分で映画を鑑賞できる、という物凄く斬新な試みがされた作品となっているようです。
是非とも映画館で体験してみたかったところですが、他の手段でしか鑑賞できなくなってしまうと、ただただ突っ込みどころの多い物語だけが残った、という感じでしょうか。
という事で、ちょっと設定と物語展開に難のある作品ではありますが、雰囲気は決して悪くなく、テンポも良く鑑賞できますので、
Jホラー好きの方などご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
2013年製作 オランダ製作 サスペンスホラー
監督 ボビー・ベイカー、ボビー・ホアマンス
出演 ハンナ・フークストラ、ロバート・ダニエル、ボビー・ベイカー
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