おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
ヴィニー・ジョーンズ演じる麻薬王から逃げる妊婦の妻と、組織から大金を奪った男の逃避行をアクション満載で描いたバディアクションロードムービー!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、立場の違う男女が、成り行きでバディを組んで犯罪組織とチェイスを繰り広げるアクションロードムービーです。
それでは、まずはあらすじから、
麻薬組織のボスから組織の金を奪って逃走しようとする男が、トランクを開けるとそこには、妊婦のボスの妻ミアが隠れていた。
ミアは組織から子供を守るため、夫から逃げようとしているのだった。
やむを得ず行動を共にする二人だったが、そんな二人に組織の執拗な追跡が始まる!!
異色の男女バディが、組織とチェイスを繰り広げるアクション作品です。
監督と主演をこなしているのは、(スーパーナチュラル)や(フリンジ)等のテレビドラマで活躍しているジェームズ・クレイトンで、
アンダーグラウンドな世界の分かり易いヒーローを演じています。
ヒロイン役には、人気玩具の実写化(モンスターハイ)や、(チャームド)等に出演しているニーナ・レコンテで、
組織から逃亡を図る麻薬王の妻で妊婦、という難しい役どころを演じています。
で、その逃げる相手となる麻薬王役には、(スナッチ)等のガイ・リッチー作品の常連から(沈黙の進撃)(詳しくはこちら)や、
(沈黙の制裁)(詳しくはこちら)等のセガール作品にも多く出演しているヴィニー・ジョーンズで、奪われた組織の金と妻と息子を追い続けます。
で、別行動で、主人公達を追い回すヴィニー・ジョーンズの片腕役で、スタントマンとしテレビジリーズの(アロー)や(フラッシュ)、
(スーパーナチュラル)多くの作品で活躍しているジャンヴィエ・カタバルワが登場し、確かな身のこなしで強敵を演じています。
そんな少数精鋭のスタッフ・キャスト作品である本作の物語は、いきなり何者かと何者かが廃車置き場で銃撃戦を繰り広げ、
その中の一人が、ゴツいバッグを手になんとか、駐車場がから車で逃げ延びるシーンから始まります。
で、なんとか逃げ延びたその男は、銃撃戦の最中に成り行きで乗り込んだ車のトランクから物音が聞こえてくるので、車を停車させることになります。
で、トランクを開けてみると、中から若い妊婦が登場、で、話を聞いてみると、この女性が、自分が銃撃戦の果てに奪った大金入りのバッグの持ち主の妻ミアである事が分かります。
という事で、そこまでの説明はほとんどありませんが、麻薬王から大金を盗んだコソ泥と、その麻薬王に嫌気がさして信頼のおける部下にトランクに入れてもらって逃げようとしていた妊婦である若妻が、
まさかの偶然行動を共にすることになる、というなかなかのワクワク感をそそるような出だしから本題に入ってきます。
ただ、この監督兼主人公を演じるジェームズ・クレイトン、ミステリアスな魅力で自身を良く見せたい、というのは凄く伝わるのですが、
あまりに説明が無さ過ぎて、アクションが始まる冒頭から、その争い至るまでの主人公の行動等が描かれない上に、
わけもわからず、とにかくアクションシーンだけが進んでいく、という感じで、誰が主役かも分からないような状況で、感情移入できる情報もないままに20分以上が経過してしまいます。
さらに、突然登場したミアは、かなりのハイペースでまくしたてる系の話し方で、こちらも夫であるボスに虐げられたり、
うんざりした状態が描かれる事無く(しかも、ヴィニー・ジョーンズは意外にミアの事を大切に思っている)、突然現れてまくしたてますので、
悲劇のヒロインとして感情移入できるまでの情報が少なすぎて、ただただ突然現れて騒いでいる妊婦を観ている、という客観的にしか観れないような演出となっています。
本作においては、このあえて説明を省く、という事を魅力としているようで、
主人公は結局名前も明かされず、最後の最後に名前を言うシーンでも、他の雑音にかき消されて相手には聞こえない、
という、説明をしない事を魅力(ギャグにも見えますが)とした世界観となっています。
ですので、本作、麻薬組織のボスから大金を奪った男と、偶然そこに出くわした麻薬組織のボスの妻の妊婦の逃避行、
という物語展開以外はほとんど説明も無いままに、終幕まで貫き通す、という大胆な設定の作品となっています。
小規模な作品だからこそ実現できるある意味個性的な表現方法、という感じでしょうか。
では、スカスカな内容なのか?と言うとそうでもなく、無責任だった主人公が、嫌々ボスの妻と逃避行を共にする事になり、
妊婦ミアの人柄と、子供のために新天地で再出発したい、という強い気持ちに少しづつ共感するようになって、
次第に信頼関係を築いていく過程は、しっかりと描かれていきますので、上映開始30分程が経過すると俄然立場が違う者同士のバディロードムービー的な色合いが濃くなり、
細かい説明は無かった二人にも、しっかりと感情移入はできるようになっていきます。
さらに、この中盤ぐらいから、ジャンヴィエ・カタバルワ演じる犯罪組織の特別枠みたいな位置にいる組織員が、
かなりの強敵ぶりを発揮し、主人公バディに何度となく迫り、退場したかと思えば、また復活し、という感じで魅力的な敵キャラクターも戦いの味付けとして加わってきますので、
中盤からは安心して楽しめるB級アクション展開となっていきます。
逃避行の目的地となる海外高跳び様の飛行機が止まるポイントに自身でセスナ機を操縦してやって来てくれる声だけの友人とのやり取りも、
期待感と不安感を煽るような登場の仕方で、シンプルな逃避行を面白くしていきます。
そうなるとあえて説明をしない設定での出だしや、大金の最終的な行方等、入り込めない要素が逆に目立って残念だったりもしますが、
それでも、最終的には意外と後味の良いエンディングを迎える事にはなりますので、全体を通すとアクション映画としてのツボを押さえたなかなか楽しめる作品となっていますので、
Bアクション好きの方や、ロードムービー好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
因みに、邦題(MR.&MS. STRANGEストレンジ)は勿論ブラッド・ピッドとアンジェリーナ・ジョリー主演の(MR.&MS. スミス)から頂いたタイトルだとは思いますが、
本作は夫婦ではなく、しかも人妻の方はミアと名前が分かっていてストレンジは主人公だけですので、正しくは、
(MR.ストレンジ & ミア)という、なんとなくパッとしないタイトルになってしまいますので、原題通りに(バレットプルーフ)でも良かったような気がするのですが、、、どうでしょうか。
そもそも何故今(MR.&MS. スミス)?という感じもしますが、、、。
作品情報
2022年製作 カナダ製作 アクション
監督 ジェームズ・クレイトン
出演 ジェームズ・クレイトン、ニーナ・レコンテ、ヴィニー・ジョーンズ、ジャンヴィエ・カタバルワ、グレン・エ二ス、フィリップ・グレンジャー
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