おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
トビー・フーパー監督、ブラッド・ドゥーリフ主演による、核実験の影響で、生まれながらにして、とんでもない力を持ってしまった男の悲劇を描いたSFホラー作品!!
作品紹介
1991年2月8日公開
今回ご紹介する作品は、トビー・フーパー監督による核によって身体に望まない力を持ってしまった男の悲劇を描いたSFホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
1955年、ある水爆実験によって、シェルター内の人間が、抗放射線ワクチンによって放射能に対する耐性を上げる人体実験が行われた。
被験者となった若い夫婦は、無事生還し、子宝にも恵まれ、問題なく日常生活を送っていたが、ある日突然二人共体中を炎に包まれ焼死するという出来事が発生し、事件は終了した。
その後、成長し成人した被験者の息子も、無事健康な毎日を過ごしていたが、ある日、感情の高ぶりとともに、自身の指から炎が噴き出すという出来事をきっかけに、
街を揺るがす大事件へと発展していくのだった!?
核の脅威によって悲しい運命を背負ってしまった男の悲劇を描いたSFホラー作品です。
監督は、勿論ホラー映画界のレジェンド、トビー・フーパーで、1974年製作の(悪魔のいけにえ)から1982年製作の(ポルターガイスト)、
1985年製作の(スペースバンパイア)、1986年製作の(悪魔のいけにえ2)、(スペースインベーダー)、
そして、本作、という流れで、非常にノリに乗っていた時期に製作された作品となっています。
主演のブラッド・ドゥーリフのインタビューによると、本作は、かなり制作スタジオ側と色々とあった作品のようで、
監督が当初イメージしていた物語の流れとはかなり違った形で公開されてしまった、という事のようで、
確かに中盤まではなかなか良い流れなのですが、クライマックス近辺では、ちょっとそれまでとは違う方向に流れてしまう、という少し違和感を感じるような物語展開となっています。
で、そんな物語の主演を務めるブラッド・ドゥーリフは、(チャイルドプレイ)のチャッキーの声役や、(エクソシスト3)、
(ゴッドアーミー3)、(エイリアン4)、(クリッター4)等ホラー・SF系の作品への出演が多く、他のキャストでは代用の効かない唯一無二の存在感で、
ファンタジックな世界観にリアルな演技で作品を盛り上げています。
因みに声優として参加している(チャイルドプレイ誕生の秘密)と(チャイルドプレイ狂気病棟)で主演しているフィオナ・ドゥーリフはブラッド・ドゥーリフの娘さんです。
で、本作のヒロイン役を演じているのは、こちらもランス・へンリクセン主演の(パンプキンヘッド)等、ファンタスティックス系作品で活躍しているシンシア・べインで、
本作では前半はそれほど活躍しないながらも、クライマックス近辺では主役級に活躍していく役柄を魅力的に演じています。
で、そんな二人に迫る博士役にはドルフ・ラングレン主演の(マスターズ超空の覇者)や(巨大生物の島)等のジョン・サイファーで、
有無を言わせぬ存在感で、主人公たちに立ちはだかります。
で、そんな娯楽ファンタスティック作品お馴染みのスタッフ・キャストが集結した本作の物語は1950年代から始まります。
そこでは水爆の実験が行われていて、放射線に対するワクチンを投与することによって、シェルター内の人体が、
放射能に耐えられるほどの抗体を有するようになる、という物凄い実験で、若き夫婦が選ばれ、実験が完了します。
で、何事も無く無事終了し、その間二人は子宝に恵まれ、無事出産、と順調に進んでいた9か月後、夫婦は突然、火元の無い場所で炎に身を包まれて命を落としてしまう、
という壮絶な結果を招いてしまい、そこで実験は終了となります。
そして、その悲劇の人体実験から34年の月日が経ち、その時生まれ、そのまま元気に育ち(平熱が高めという程度)高校教師となった夫婦の息子サムは、
ある日激高したタイミングで指先から炎が噴き出す、というとんでもない出来事を境に、自身の身体の異変に気付き出します。
で、恋人に連れられて病院に行ってみると、色んな事実が発覚し、さらに周辺の街では、連続で人体自然発火による犠牲者が出ている事件が頻発する、、、。
という感じでメインである人体自然発火スポンティ二アス・ヒューマン・コンバッション展開へと突入していきます。
内容的には(ゴジラ)と(炎の少女チャーリー)、(スキャナーズ)を足したような物語で、核の脅威と、
その実験で人体実験にされた被害者たちの苦悩、そしてその愚かな実験を行いながらも、失敗した事実を全て隠蔽するために主人公達に襲いかかる権威、
という感じで、明るい要素は少なく、常に悲壮感が漂う世界観となっています。
ただ、暗めの物語ながらも、トビー・フーパーらしい娯楽要素を推しだした特撮の数々や、なんといっても本作の一番の特徴とも言えるブラッド・ドゥーリフの凄まじく力の入った名演技で、
後半の物語展開の荒さを吹き飛ばすぐらいの力技で、痛々しいながらも目を反らせない魅力を持ったメ名シーンの連続となっています。
特に後半、ブラッド・ドゥーリフが、自身から炎を吹き出しながら、どんどん異形の存在となりつつ、それでも核心に迫ろうと前進していく姿は、
クライマックスの展開も含めて、娯楽要素(ファンタジー寄り)を見せつつ、非常に哀愁の漂う名シーンとなっています。
自然発火の発火元とも言えるブラッド・ドゥーリフが、電話した相手にも炎を移す事が出来たり、色々巻き起こっている連続自然発火事件と主人公の関係性がはっきりしなかったり、
と、確かに色々と変更を余儀なくされたと思われるような説明不足な物語展開が多いですが、それでも揺るぎない勢いに満ちた作品となっていますので、
特撮映画好きの方や、ホラー映画好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
個人的には、ブラッド・ドゥーリフの、あの力が入り過ぎて、何とも言えない涙が自然に溢れてしまっている演技にグッときてしまいます、、。
因みに実際の人体自然発火事件は、基本的に周りに火の気の無い場所で発生した焼死事件に対して、そのように表現される事がある、という事のようで、
本当に自然発火で人体が燃えている姿を目撃した人はいないそうです。
作品情報
1990年製作 アメリカ製作 SFホラー
監督・原案・脚本 トビー・フーパー
出演 ブラッド・ダーリフ、シンシア・べイン、ジョン・サイファー、メリンダ・ディロン、ジョン・ランディス
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