おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
心霊ホラー映画にニンジャ映画を強引に挿入した、フィルマーク系列会社IFDの、一応それなりに筋は通っているようには見えるお得意のニコイチ映画!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、フィルマーク社系列のお得意のニコイチホラーニンジャ作品です。
それでは、まずは、あらすじから、
香港のある建築現場から人骨が発見された。
この知らせを聞いた黒忍者軍団は、その人骨が黒忍者軍団首領の祖先の骨であり、黒忍者再建の力になると確信し、その土地ごと手に入れようとする。
しかし、その土地の所有者ウォンは、黒忍者関係者への土地の売却を拒んだため、黒忍者は幽霊忍者を使ってウォンを追い込み心臓発作で命を奪ってしまうのだった。
しかし、その土地の権利を持つことになった娘のファニーも父親譲りの性格だったため、再び幽霊忍者の脅迫が続くのだった。
困ったファニーは、馴染みの黄金忍者ゴードンを訪ね、黒忍者、幽霊忍者の撃退を依頼するのだった!?
フィルマーク社系列お得意のニコイチ忍者映画です。
監督は、いつものようにゴッド・フリーホーですが、本当に監督しているのか、他の人と共同なのか、フィルマーク社作品なので良く分かりません、、。
一応、表記はゴッド・フリーホー作品です。
主演の黄金忍者(と言っているくせに紅い衣装の忍者)を演じているのは、(ゴールデン忍者)(忍者プロテクター)(暗黒街の忍者)等フィルマーク社製の忍者映画の新撮パートに無くてはならないリチャード・ハリソン。
フィルマーク社製のニコイチ忍者作品を観ていると、リチャード・ハリソンは、ただ単に胡散臭い西洋忍者アクターにしか見せませんが、
1970年代まではクラウス・キンスキー共演の(キングと呼ばれた男)や、(皆殺しの用心棒)、(必殺のプロガンマン)等、
イタリア映画界で、しっかりとした作品で主演級で活躍していました。
それが何故、、、、という感じですが、恐らくどの作品も、派手な忍者服を着ているシーンと、電話で話しているシーンがメインですので、
一挙にまとめて撮影した映像を小出しにしていると思われます。
で、黄金忍者に敵対する悪の黒忍者を演じているのが(クローン人間ブルースリー 怒りのスリードラゴン)(詳しくはこちら)や、
(クラッシュ・of・ザ・忍者)(詳しくはこちら)、等のフィルマーク社作品も含めて、
(マッドカンフー地獄拳)(詳しくはこちら)や、(ワンス・アポン・ア・タイム英雄少林拳)等の多くのカンフー映画で活躍していたチャン・タオが登場し、
恐らく忍者に変身してからは別人ですが、その合間のおどろおどろしいシーンを演じて作品を盛り上げています。
で、チャン・タオに招集されるパッとしない雑多な暗殺軍団の中に、一人だけフィルマーク社作品では(ロボハンター霊幻暗黒大戦争)(詳しくはこちら)や、
(必殺ムーンウォーク拳!キョンシーマン)(詳しくはこちら)等に出演し、(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ天地激震)や、
(バカ拳)(詳しくはこちら)等にも出演しているスン・コクミンが、少しだけ登場し、アクションをサクッと演じてあっさり退場していきます。
という感じで、いつものメンバーによって忍者部分を新撮し、既存の作品に強引に挿入したニコイチ映画である本作は、
いつものアクション物に引っ付ける、というパターンに飽きたのか、単にネタ切れなのか、
まさかの心霊ホラー作品に忍者アクションを挿入する、という、いつも以上に強引な作品となっています。
ただ、展開としては強引ではありますが、偶然というかなんと言うか、奇跡的に違和感は少な目で、ある程度目をつぶれば、
それなりに一つの物語として観通す事はできる、というフィルマーク社の小慣れ感を感じてしまう作品となっています。
物語としては、ある建築現場で人骨が発見されるシーンに、その人骨が
『暗黒忍者のボスの祖先の骨かもしれないので、何が何でも奪え!』
という突飛なチャン・タオの命令シーンを挿入し、
土地の所有者一族を襲う暗黒忍者、という図式を強引に成立させ、暗黒忍者の攻撃が始まりますが、その忍者軍団に雇われたのが
【女性の幽霊忍者】
という物凄い設定で、この幽霊クノイチ設定を無理矢理導入する事で、
ニコイチ前のオリジナルの方の女幽霊に幸せな一家が襲われる、というポルターガイスト系ストーリーに強引に新撮忍者パートが挿入されていきます。
要するにオリジナル部分でのポルターガイスト現象は、すべて幽霊クノイチの仕業、というわけです。
強引です。
しかし、幽霊クノイチ、という一般社会に生きる大人では恥ずかしくて誰も提案できそうにない発想を、大人げなく採用してしまう事で、
まさかの違和感少な目のニコイチ映画が出来上がる、という小さな奇蹟を見るような作品となっています。
ですので、幽霊クノイチ、という突飛な設定に目をつぶれば、割とすんなり楽しめる作品となっています。
勿論鑑賞している側の歩み寄りが大きく必要ではありますが、、、。
アクションパートの見所としては、暗黒忍者が雇用した暗殺集団(忍者では無いという所がミソです)VSハリソン赤忍者のアクションがメインとなってきますが、
このどう見てもそうは見えない暗殺集団の精鋭たちの迷勝負ぶりが、本作のかなりの見せ場で、
太めの優しそうなおじさん暗殺者が、
見晴らしの良い公園のベンチで、銃の手入れをしているところを、後ろから赤忍者に襲われて始まる迷勝負や、
公園で健康器具を使って運動している髭のおじさん暗殺者が、運動中に急に後ろから赤忍者に襲われて、そのまま健康器具を武器にして戦う迷勝負、
ビルの屋上で、カンフー服風のファッションを身に付けた細身暗殺者が、カチカチの太極拳を練習している後ろから、
パチンコで小石を尻にぶつけて注意を惹き、振り返った所を今度は、喉に小石を当てても、威力が低いので、
近づいていって、バック転で弾丸を交わしながら、、、、、
結局ちょっと離れた位置から手裏剣を投げて倒す、という迷勝負、
という感じで、ズッコケ迷勝負が繰り広げられていきます。
一応後半にはソン・コクミンも登場して、そこだけはしっかり目のアクションも堪能できますので、色んな意味で、飽きを感じる事なく最後まで楽しむ事はできる作品となっています。
例によって、オリジナル部分が解決し、その後に忍者バトルで完結、というエンディングが二回訪れた後に、お馴染みの赤画面に白文字で 【THE END】という
毎回のデジャヴエンディングも何作か鑑賞していると、それなりに味に、、、、、
はなりませんが、フィルマーク社作品の中では比較的まともに楽しみやすい作品にはなっていますので、変わった作品好きの方等、
時間がある時にでもご鑑賞してみてはいかがでしょうか。
作品情報
1986年製作 香港製作 ニンジャホラーアクション
監督・脚本 ゴッド・フリーホー 製作 ジョセフ・ライ、ベティー・チャン 武術指導 フィリップ・コー
出演 リチャード・ハリソン、チャン・タオ、スン・コクミン、メルビン・ピッチャー、マリア・マランセスカ、アンディ・クロロウスキー、クリフォード・アラン
↓ランキングに参加しています。もし、宜しければ下記をクリックお願い致します↓
映画レビューランキング
にほんブログ村
まぁくさん、やめて、もうやめて~! 笑いすぎて苦しい~!
いやーもう今回の映画「魔界SFX軍団 死霊のニンジャ」は、あまりにも素晴らしすぎます! ひさしぶりにハリケーンマックス級のマックスなハリケーンですよ、これは! これ、本気でDVDで欲しいですよ。
いや映画本編よりも、もしかしてまぁくさんの紹介文章が素晴らしいのかもしれませんが(たぶんそうです)、いつものニコイチなのに、そしてゴッド・フリーホーなのに、わりとちゃんと出来てしまっているという奇跡のような作品ですよ、これは!
ビデオのジャケットデザインが最高にいいですね。こういうデザインは、もう見られませんから新鮮ですよねえ。「ゴールデン忍者」と「忍者プロテクター」もすごく気になります。いや、観たいわけじゃないんですけどね(笑)
それにしても赤忍者の場面は最高ですよ。ぼくもサングラスでスイッチオンとオフを切り替えたいです(とくに仕事で)。
以上、「あなたの知らないワゴンセールの世界」のS原でした。
あ、そういえば、こちらのブログはいま80年代サントラ特集です。たぶん、まぁくさん、お好きではないか、と。。。
ではまた。お互いにZ級映画紹介を頑張って続けましょう~!
https://talksessionyands.hatenablog.com/
S原さん、こんにちは、いつもありがとうございます!
今回の(魔界SFX軍団 死霊のニンジャ)は、心霊ホラーと忍者映画という相容れない要素を合体させたニコイチ映画なのに、鑑賞する側の歩み寄り次第で、意外にもずんなり観れてしまう、というちょっとした奇蹟のような作品となっています。最初観た時は【幽霊忍者】という、あまりに幼稚な設定にため息が漏れましたが、一旦その存在を受け入れてしまうと、他のトンデモニコイチ作品よりも合間に挿入される忍者アクションも楽しめ。ついでにアナログなホラー描写も、それはそれで楽しめてしまう、という一粒で二度美味しい、、、、とまではいきませんが、ちょっと薄味ぐらいは感じられる作品となっています。
忍者系はまだまだ沢山存在していますので、またご紹介させていただきます!
サントラも良いですよね!今は減ってしまいましたが、80年代の映画はサントラや主題歌と完全にタイアップしているような作品も多かったですよね!
非常に興味深いです!