おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
人気のラジオDJが、生放送中にサイコパスリスナーに妻子を誘拐される、という秀逸な設定とメル・ギブソンの名演で、低予算系ながらも緊張感が持続する秀作シチュエーションスリラー、、、、、と思いきや、後半大どんでん返しが待っている予測は可能な、予測不能系スリラー!!
作品紹介
2023年1月20日公開
今回ご紹介する作品には、近年B級作品への連続出演が目立ってきたメル・ギブソン主演のシチュエーションスリラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ベテランDJエルビスは、本日も生放送の深夜ラジオ番組収録のため、局を訪れていた。
しかし、番組収録中、ある男性リスナーからの、エルビスのせいで恋人が自殺したので、復讐のために妻子を誘拐した、という1本の電話によって、
番組の放送内容はとんでもない事件の生報道へと発展していくのだった!?
近年はB級作品への出演本数が増えてきた名優メル・ギブソン主演のシチュエーションサスペンス作品です。
共演は(ナルニア国物語)シリーズのウィリアム・モーズリーと(ホットシート)(詳しくはこちら)でも共演しているケヴィン・ディロンと渋めの配役になっています。
メル・ギブソンの役柄は、この道40年の熟練ラジオDJで、歯に衣着せぬ物言いで、リスナーの相談に辛口ジョークを交えながら答えていく、
というのが得意のスタイルのようですが、アメリカでもコンプライアンス問題による締め付けは厳しいようで、
出勤早々に上司に呼び出されて、注意を受ける、という具合に、ちょっと風向きが逆に吹きかけている、という状況になっています。
ライバルDJであるケヴィン・ディロンとも犬猿の仲で、殺伐とした雰囲気のまま、深夜のラジオ番組に出演するためロビーをうろついていると、
怪しい男が近づいてきて、いきなりシャツを脱ぎだしてわけの分からない事を口走る、という場面に遭遇しますが、
得意のトークで上手く切り返してガードマンとのコンビネーションで事なきを得る、という顔の知れている人気者だからこそのアクシデントもありますが、
なんとか今日もオンエアが始まります。
で、悩み相談に軽妙に答えた、数人目の相談者の相談事に凍り付く事になります。
その相談者は、以前に番組のアシスタントをしていた女性の知り合いのようで、その女性とメル・ギブソンが不倫関係の末に女性を捨てたので、
その女性が精神を患って自ら命を絶ってしまった、と言い出します。
メルはというと、そんな女性は多くい過ぎて、フルネームも覚えていない、という奔放ぶりなので、思い当たるふしはありまくる、という感じです。
で、段々と緊張感を帯びていき、女性が命を落としているのに自由にしているメルが許せないので、復讐する、という流れになっています。
というところで、今、復讐するためにお前の家の前にいる、
という背筋の凍り憑く事実を知らされ、妻子を人質に取られ、さらにラジオ局の建物に爆弾を設置され、犯人との攻防が始まる、
というメイン展開に突入していきます。
ここまでの、上手く張り巡らされたちょっとした不安な要素や、メル・ギブソンのキャラクターと名演技、
そして少しずつじりじりと追い詰められていく状況が、シチュエーションサスペンスとして非常に盛り上がって、
メル・ギブソンが余裕をかませばかますほどに、その後に訪れるであろうしっぺ返しへの盛り上がりも募り、
低予算で少ない出演者と限定された空間ながらも、非常に秀逸な演出が光るサスペンスフルな展開となっていきます、、
が、、、、、
※↓ここからは物語展開に触れていますので真っ新な状態でご鑑賞したい方は注意して下さい↓※
中盤あたりから、ちょっとした違和感が見え隠れし始めます。
あえて、そのような演出にしたようにも見えますし、予算の都合上、そうせざるを得なかったようにも見えますが、
妻子が誘拐されて、妻子も爆弾で脅されて、警察も出動して、妻子に接触するも、解除コードが分からないので犯人に問い質し、
なんとか解除コードをゲットする、というその舞台となっているラジオ局以外での騒動も同時進行で進んでいきますが、
そちらのシーンは全く画面に映し出されません。
あくまで、ラジオ局の中を右往左往しながら、犯人との攻防を繰り広げていきますので、建物内は色々映りますが、
建物外は、ほとんど映らない、というちょっと変わった限定ぶりに、違和感が募っていってしまいます。
これが、完全に封鎖されたラジオブースのみ、の限定空間だったら外の様子が映らないのは分かりますが、結構自由に広いラジオ局内を走り回りますので、余計におかしな感じになっていきます。
で、いよいよ犯人に迫る、という所で、結構呆気ないので、文字通り呆気に取られていると、、、、
という感じで、後半、急激に違和感の正体を知ることになります。
それを書いてしまうと完全にネタバレですので割愛させて頂きますが、同じようなタイプの作品を既に鑑賞済みの方なら、自然に、
予測したくなくても、予測できてしまうどんでん返しで、
その後、さらにもう一捻りありますが、
それさえ予測できてしまいます。
緊迫感のかなりあった騒動の終幕としては、信じられないぐらいにさっぱりしたオチですが、その捻りをしっかりと楽しめた人と、
予測通りに終わってしまった人で、恐らく満足度がかなり変わる作品かと思われます。
ただ、散々煽った割にそのオチを付けられてしまうと、全部が茶番と感じてしまう人も多くいるのではないでしょうか。
という事で、賛否別れそうな内容の作品ですが、前半の盛り上げ方は、名優メル・ギブソンだからこそ醸し出せる独特の緊迫感が楽しめますので、
メル・ギブソンファンの方や、サスペンス好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
それにしても、大どんでん返しも、後出しジャンケンのように何回も繰り返されると、最終的に結末はどうでも良くなってしまいますね、、、。
作品情報
2022年製作 アメリカ製作 サスペンス
監督・製作・脚本 ロムアルド・ブーランジェ 製作総指揮 メル・ギブソン
出演 メル・ギブソン、ケヴィン・ディロン、ウィリアム・モーズリー、アリア・セロール・オニール
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