【セガール 百裂拳! 其の二十三】撃鉄2 クリティカル・リミット(BLACK DAWN)96分

投稿者: | 2023年3月24日

おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

セガール作品では珍しい、1作目のシーンが過去の出来事として語られる同じ世界観のちゃんとしたシリーズ第二弾!!でも、1作目を鑑賞しなくても楽しめます!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、セガール主演作では珍しいちゃんとしたシリーズ作の第二弾です。

それでは、まずはあらすじから、

アメリカへの復讐に燃えるチェチェン過激派グループが、ロサンゼルスで核爆発を起こす計画を企てていた。

過激派グループはプルトニウムを手に入れるために武器商人と取引を進めていたが、その武器密売組織には、

百戦錬磨の諜報員ジョナサン・コールドが潜入し、組織の壊滅作戦を実行していたのだった!?

セガール主演の(撃鉄 ワルシャワの標的)(詳しくはこちら)の第二弾です。

前作は元CIAの凄腕エージェント、ジョナサン・コールドがスパイ合戦のような争いに巻き込まれて終始何をやっているのか分からない難解な作品でしたが、

本作は設定自体はCIA上層部の陰謀が絡む前作と似た雰囲気ながらも、比較的(前作に比べると)分かり易いストーリーで、

セガールのいつもの無双ぶりが堪能できる、しっかりとしたB級アクション作品となっています。

それでも、テロを成功させたい過激派グループの蛮行、武器商人グループの蛮行とそのボスの脱獄アクション、

その組織に潜入している元CIAのセガール、そのテログループと武器グループを監視しているCIAエージェントと、

怪しい雰囲気のCIA上司、という色んな派閥が、プルトニウムを巡って絡んでくる物語ですので、やっぱりややこしい作品にはなっています。

で、本シリーズ、役名と設定だけが同じだけのなんとなくシリーズ作かと思いきや、前半セガール登場時のキャラクター紹介で、前作のアクションシーンがそのまま過去の出来事として登場しますので、

実はちゃんと世界観を継承したシリーズ作品となっています。

で、製作者もいつものセガールと、その昔(ナイトアイズ危険な肉体)(ミッドナイトボディガード)(ナイトクライシス)、(シークレットアイズ覗かれた殺意)等のナイトアイズシリーズや、

ヒロインはまさかのタニヤ・ロバーツ

新刑事コロンボ)等でイケメンスターとして活躍していたアンドリュー・スティーヴンスが、

若き頃のアンドリュー・スティーブンス

その後(クラッシュダイブ)(スティールシャークス)等の質の高いB級作品で成功した後に自身の製作会社で製作した作品となっていますので、

恐らく色んな勢力が激突するスパイ合戦的な世界観でのエージェント主人公の活躍を描く、というシリーズを通したテーマがあるのだとは思われますが、

セガールが主演、という事で、色んな制約が加わっている内に1作目は何がなんだか分からない、2作目は反省してセガールに寄せてみたら、結局いつものセガール作品と何も変わらない、

という、ブレぶりに製作者の逡巡が垣間見えるような作品となっています。

因みに、アンドリュー・スティーヴンス、本作にガードマン役で少しだけ登場しています。

渋いおじさんになって登場のアンドリュー・スティーブンス

アクション的には、途中トラックと乗用車の、それなりに本格的なカーチェイス等もあったり、

クライマックスはセガールがヘリを操縦する等、結構B級アクションとしてのツボは抑えられていますので、

1作目のような、少ないアクションシーンを無理矢理スローモーションで引き延ばす、というチープトリック撮影は少な目で、

スタントを多用してはいるものの、アクション自体はちゃんと楽しめる作品になっています。

ただ、このスタントマン、恐らく2人存在しそうなのですが、アクション担当のスタントマンの方が

細身過ぎる上に、完成度の低い鬘を着用していますので、

流石にその姿をセガールだと認識するには、鑑賞する側の歩み寄りがかなり必要になってくるぐらいにほっそりしています。

セガール本人は、いつものように、

ロングコートのように丈の長いスーツ(ロングスーツ)

ロングスーツ

を終始着用していますので、体型がはっきり分かりにくい(分かりますが)ようにしていますが、

アクションシーンで、同じ格好をした細身のスタントマンが、トラックに飛び乗ったり等の激しい動きを繰り広げると、

その都度衣類がヒラヒラと舞い上がりますので、アクションの度に細身に変身してしまいます。

服が激しくなびくので、
セガールには見えません、、。

さらに、一応セガール一番の売りでもある格闘シーンで、いつもは、めんどくさそうに腕をぐるっと回すと、

敵役のスタントマンが豪快に吹っ飛んでくれる、という省エネアクションがお約束ですが、

本作は、まさかの

腕さえ本人が振るわずに、スタントダブルが振り回して、敵が勝手に吹っ飛んでいく、

という、もうそこまでするなら、格闘シーンは要らないのでは?と思ってしまうぐらいに省エネ過ぎる格闘シーンとなっています。

勿論、敵が吹っ飛んでいった後には、自分が倒したような表情で仁王立ちするセガールのショットは挿入されていますが、、。

俺がやったぜ!

という感じでアクションに関しては良い面も悪い面もありますが、それでも1作目のスローとカット割りを多用するあまり、

目障りなエージェントをちょっと推して向こうに倒れさせる、だけのアクションシーンとも言えないような動きのシーンにもスローとカット割りを多用するような、

ある意味アクションの常識が問われるようなアクションシーンが連発する作品とは比べ物にならないぐらいに楽しめるアクション作品となっています。

そんな本作を監督したのは撮影担当としてジャン・クロード・ヴァンダムの(マキシマムリスク)や、(トレマーズ)、(ザ・クラフト)等、

娯楽系の有名作品で活躍してきたアレクサンダー・グラジンスキーですので、しっかりとしたビジョンがあってアクションシーンを撮影しているのだと思われます。

本作のセgirl

ただ、本作で懲りたのか、その後の監督作品は無いようで、(美少女探偵ナンシードリュー)等の撮影担当として、元のフィールドに戻ったようです。

という事で、結構な修行覚悟が必要だった1作目の第二弾という事で、身構えてしまう作品ではありますが、

予想に反して、予想通り(変な表現ですが、、)のセガールアクションが楽しめる作品となっていますので、

セガールファンの方や、B級アクション好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

2005年製作 アメリカ製作 アクション

監督 アレクサンダー・グラジンスキー 製作 スティーヴン・セガール、アンドリュー・スティーヴンス

出演 スティーヴン・セガール、タマラ・デイビス、ジュリアン・ストーン、ジョン・パイパー・ファーガソン、アンドリュー・スティーヴンス

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