【中国映画】モンキーキングVSレッドボーイ 西遊記(西游记红孩儿THE JOURNEY TO THE WEST:RED BOY)73分

投稿者: | 2023年1月27日

おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

いつもの西遊記物語を、ライバルキャラクター紅孩児を主人公にして描いた番外編的な、、、でも、やっぱりいつもとそんなには変わらない箱庭冒険活劇!!シュー・トントンが出てます!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、ライバルキャラクターを主役っぽく描いた番外編的な西遊記物語です。

それでは、まずはあらすじから、

500年前の天界で発生した孫悟空の大暴れ事件によって人間界に降り注いだ天火の影響で、火に呪われた妖魔と化した紅孩児は、

母に捧げる誕生日プレゼントとして、偶然通りかかった三蔵法師を献上しようと計画した。

まんまと計画通りに事を進める紅孩児だったが、三蔵の一番弟子である孫悟空が黙っているはずもなく、やがて二人は激突する事になるのだった!?

西遊記に登場する孫悟空のライバルとも言えるキャラクター、紅孩児を主役に据えて描いた西遊記の番外編的物語です。

1962年には(黒薔薇対黒薔薇)のファン・ボーボー主演で映画化され、1975年にもショウブラザース社製作によりチャン・チェ監督によって映画化されています。

1962年版
1975年版

そんな有名な番外編である本作の主役である紅孩児を演じるのは、まだまだフレッシュな存在ながらも新作(天马行空)では、ルイス・ファンと共演するなど、

今後の活躍が期待できそうなイケメン俳優チ・ハホで、その整った容姿で、誰が見てもこっちが主役と分かるような輝きを放っています。

チ・ハホ
チ・ハオ
天马行空

それに対して、本来の主役であるはずの孫悟空を演じるのは、モンスターパニック映画(狂鳄海啸)等で活躍するホアン・スーで、

どう見てもパッとしない、個性の薄い孫悟空を、誰が観ても主役ではない雰囲気で演じています。

そうは言っても、本来の主役ですので、結構活躍はするのですが、極力抑えめ、没個性という感じの扱いになっています。

ですので、邦題を正しく言い換えると、(モンキーキングVSレッドボーイ)というより(レッドボーイVSモンキーキング)です。

ホアン・スー
ホアン・スー
狂鳄海啸

さらに、本作は恐らく一番の目玉キャストとして(Missリベンジ)(詳しくはこちら)や(Missデンジャラス)(詳しくはこちら)等の、

近年の中国作品のレディースアクションのトップ女優とも言えるシュー・トントンが、紅孩児の母親役で出演しています。

ゲスト扱いではありますので、出演シーンは少な目ではありますが、かなりマザコンな紅孩児が、母の愛を得たいがために

三蔵法師一行を襲い、三蔵を母の誕生日プレゼントにしようとするという、無邪気な悪魔っ子ぶりを発揮する原動力になる存在ですので、

ゲストながらも物語上は非常に重要な存在となっています。

シュー・トントン
怒ったら怖いお母さんです

で、さらにもう一人のゲスト的な出演者として、とくに必要な役柄でもありませんが、紅孩児孫悟空達を導く案内人的な土地神役に、

暗戦デッドエンド)シリーズ等の香港映画の名バイプレーヤー、ホイ・シウホンが登場し、その気さくで明るいキャラクターを活かした演技で、物語世界に深みを与えています。

ホイ・シウホン
(暗戦デッドエンド)

いつものように73分と極端に短い作品で、しかも既に皆が知っている物語、という事で、いつものように物語の始まりはさっさとおじさんの雰囲気たっぷりのナレーションで済ませてしまい

キャラクター紹介もほとんど描く事なく、本題に入って、、、というか既に入って暫くたっています。

いつものように急に始ま、、、、って、暫く経っています。

で、竜等のCGキャラクターはそれなりにカッコ良く描かれているのに、何故か全編を覆うセット感とそれを理由とした箱庭感キャラクターが背景から浮き上がっている違和感等を全開に感じさせつつ、

誰がどう見ても作り物ののマスクを着用しているようにしか見えないマスク妖怪紅孩児(レッドボーイ)がそそのかされる形で三蔵法師一行との戦にいきなり突入します。

途中まで、誰か他のキャラクターがマスクを被って悪人に化けている、という表現かと思っていたら、マスクではなく地肌設定でした、、。

で、孫悟空と戦う事になり、勝敗は有耶無耶になるものの、三蔵法師は捕らえる事ができたので、お母さんであるシュー・トントンの下へと連れて行きます。

トントン『何?』         レッド『ママ、誕生日プレゼントがあるの』
じゃーん
トントン『いらん!』

ただ、本作においては、問題を起こすのはレッドボーイのみで、母親であるシュー・トントンと父親である牛魔王は、既に改心した後の設定ですので、

レッドボーイの行いを厳しく叱責します。

牛魔王も随分と落ち着いた優しいお父さん的なキャラクターになっていますので、愛深きゆえに厳しく接する母親と、

そんな二人を包み込むような温かい心で見守るお父さん、という幸せな家族の物語となっています。

優しい牛魔王

で、お釈迦様より、レッドボーイは生来長くは生きられない、と言われていたので実は非常に気遣っていますが、

三蔵法師を捕らえてしまったので、当然孫悟空とも戦う事になってしまいます。

で、孫悟空はというと、実はレッドボーイが火の化身になってしまったのも、悟空がその昔天界で暴れた時に(八卦炉)という制御装置のような物を壊してしまったせいで天界の火が人間界に漏れる事になってしまい、

その影響で火の化身になってしまった、という責任を感じていますので、師匠である三蔵法師は勿論助け出したいけれども、

レッドボーイとは戦いたくない、というジレンマに襲われる事になります。

で、どうしようもなく、自分では判断できなくなった孫悟空は、天界のお釈迦様に教えを頂きに行く、という感じで、

レッドボーイが主役の物語でありながらも、暴れ者、孫悟空が改心して、人を救うためには自身が何をすべきか?を学んでいく、という孫悟空の成長物語にもなっています。

勿論、レッドボーイの方も戦いによって色んな事を理解し、その後お釈迦様の弟子、善財童子として、生まれ変わって修行を積んでいく事になりますので、

レッドボーイにとっても成長物語となっています。

惜しいのは、やはり極端な上映時間の短さのために、両方のキャラクターを立たせることができずに、レッド中心のわんぱくイケメン物語になってしまっている点で、

これが両キャラクターを同じ扱いで、二人の成長物語として、しっかり描かれていれば、意外に傑作になっていたかもしれません。

ただ、アクションシーンはそれなりに多めではありますので、アクションシーンだけを楽しむ、という目的でしたら結構楽しめる作品になっていますので、

アクション映画好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

それにしても、西遊記もの、さすがに数が少なくなってきた上に、リリースされる作品は番外編ですね、、、。

作品情報

2021年製作 中国製作 SF武侠アクション

監督 チェン・シオン

出演 シュー・トントン、チ・ハホ、ホイ・シウホン、リー・ヤン、ホアン・スー

↓ランキングに参加しています。宜しければ下記をクリックお願い致します↓

映画レビューランキング
映画レビューランキング

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村

コメントを残す